いつの間にか俺は泣き出していた。
また情けない所を見せてしまった。
何回も涙を引っ込めようと試みたが、その滴が止まることは無かった
「ぇ、!?圭?ごめん、ごめんよ」
優しく背中を撫でられた。
また甘えてしまった
太陽の様な愛情を昔から飲み下してきた俺は、いくら離れようとしても離れられないのだろう
俺がぐちゃぐちゃになった感情を押し付けて、一生兄を縛ってもいいのだろうか。
「泣かないで、何があったの?」
「……ぁ、の、。」
何も言わずに相槌を打ってくる。
本当に伝えるべきなのか?
「あ、え、と……その…す、好きで、。嫌われたらどうしようって、ぁ、思って…」
どうしても言葉が上手く出せない
ぐしょぐしょになった顔をして兄の顔を見ると、兄は豆鉄砲を食らったような顔をしていた。
「俺の事が、好き?」
もう今更引き返せない
言ってしまったんだ
「……うん」
「なんだ、そんなことか〜!てっきり嫌われたかと思っ」
「そんなことって、なんだよ、。」
やっぱり言わなければ良かったな
「あ、いやいや!そういうことじゃなくてさ、圭、俺が近付くと顔赤くなったりやけに俺に甘いし、もしかしたら俺のこと好き!?なんて思っちゃってて…さ!」
「そ、そんなに顔に出てたのか……?」
「うん!顔にも出てたし、普通に俺も好きだよ、圭のこと。」
ぱっと目を見開く。突然の事すぎて頭がついて行かない
「……好き ?」
まさかの返答すぎてオウム返しをしてしまった
ここまで崩されるのは、生涯兄だけだろう 。
「そう、好き!圭のこと、だーいすきだよ」
明るく、優しい顔をしているのは変わりない。
ただ、俺にはその瞳の奥に、どろどろとしたモノが垣間見えていた。
スキなんて可愛いものでは無い。
嫉妬、愛情、執着なんかの重いものがぐちゃぐちゃに混ざりあった、そんな目をしていた
だけどもう、関係無い
兄がどんなに愛が重かろうが、好きな事には変わりない。
もう、受け入れるしかない
いや、受け入れることしか出来ない
おわり。
後日談>>>>♡100
番外編>>>>♡150
リクエスト等あれば承ります🙌
コメント
6件
遅くなってしまって申し訳ない… またまた早い更新ほんとにありがとうございます🙂↕️🙂↕️今回もいおさんの作品は私の胸に刺さって抜け出せません👍👍少し指を怪我してしまって❤️が少ないですがすみません💦良ければリクエストいいでしょうか😌