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前回同様
注意で、
、
、
、
あと、文章
変なとこあるかも
深夜テンションだから、
勝手な言い訳ですがね…
それでは、
いってらっしゃい。
🇨🇦《……うん。そっか。なら、よかった。……ごめんね、変なこと聞いて。》
🇺🇸《なーに謝ってるんだい?……ありがとな。ほんとに》
その言葉は、今度こそ素直だった。
弱々しく、どこか震えていたけれど――アルフレッドの心の奥から出た、ほんの小さな感謝。
スマホの向こう、カナダが少し笑った気がした。
🇨🇦《じゃあ、また明日ね。無理しないで。……Good night、兄さん》
🇺🇸《……ああ。Good night、マシュー》
通話が切れた。
静寂が戻る。けれど――さっきまでのような、完全な無音ではなかった。
(声が……残ってる。ちゃんと、届いたんだ)
刃を見た。でも、きっと俺は
そう言いながら刃を手に取る。そしてまた、
ーーーーーー腕を切った。
🇺🇸「ッ!…あッ、血が出過ぎた…」
急いでティッシュで床と机を拭く。
少し服と床に染みてしまったが、バレないだろう
そう思いながらまた続けていた…。
その頃。
カナダはまだ、スマホを手にしたまま、部屋の窓から夜空を見ていた。
🇨🇦(……兄さん、嘘ついた)
わかっている。ずっと一緒にいた兄だから。
無理をしてるときの声の震えも、強がるときの言葉選びも、もう何百回も聞いた。
🇨🇦(でも……ありがとうって言ってくれた。それだけで、少しだけ安心できたよ)
カナダはそっとスマホを置いた。
心配は消えていない。むしろ、もっと深まっている。
けれど、今夜は――もう少しだけ信じてあげようと思った。完全に信用してあげないのはきっと辛いだろうから。信用されないのが、きっと1番辛いだろうから。
空には、静かに雲が流れていた。
アメリカの気持ちは誰にも気づかぬように、夜が過ぎて、太陽が登っていく。
――けれど、その夜の先には、また世界会議が待っていた。
会議室に入ってきたアメリカの姿に、場の空気が一瞬だけ変わった。
初夏の陽気にも関わらず、彼は長袖パーカーを羽織っていた。そして何より――
「ヒーローの登場だぞー!」という、あの明るく元気な第一声がなかった。
🇩🇪「……アメリカ、随分と服装が重たいな。今日は26度を超えていたはずだが」
ドイツが冷静な声で指摘する。だが、反応は鈍い。
🇺🇸「……ああ、ちょっと風邪気味でさ。昨日、夜にシャワー浴びた後クーラーつけっぱで寝ちまって……HAHAHA!」
冗談めかして笑ってみせるが、声はいつもより小さかった。
(笑ってるのに、目が笑っていない。例えるなら生きてるだけの人形のようーー)
フランスは、何も言わずにアメリカの手元を見つめていた。
机に置かれた書類をめくるその指――袖の奥、ちらりと見える絆創膏の端。
そして動作の鈍さ。どこか、動きがぎこちない。
🇫🇷「…アメリカ、その風邪……長引きそうなのかい?」
🇺🇸「……そうだと困るんだぞ!。ヒーローは寝込んでられないからね★」
またいつもの口調。でも、どこか、必死だった。
隠して隠して隠して…嘘で重ねていく仮面は何処かぎこちない。
🇮🇹北「ヴェ〜…アメリカ~、昨日のメッセージ返ってなかったけど大丈夫だった~? 俺凄く心配したんだよ、しかもピザの話してたのに!」
にこにこと話しかけながら、隣に座る。だが、その後ろからロマーノがぼそりと呟いた。
🇮🇹南「本当に大丈夫なのかよ…コノヤロー…」
それを聞いてイタリアが振り返る。
🇮🇹北「えっ、本当だ……!もしかして夜寝てないの?」
🇺🇸「いやいや!気のせいだって!!大丈夫たから、ちょっとゲームしてただけなんだぞ!」
瞬間、少し強めに返してしまう。その反射的な防御反応に、ドイツ、フランス、日本、イギリス、そしてカナダの視線が重なった。
🇺🇸(こっち見ないでくれよ…泣きたくなるじゃ無いか………)
しばらくして、会議が始まった。
議題は経済の回復案と、次回サミットの開催地。
だが、アルフレッドの集中は明らかに散っていた。
隣の紙に関係ない落書きを始めては、無言で破り捨てる。時々腕の血が付いてないかのように確認したり、バレてないか辺りを見渡りたり…
目の焦点も定まっておらず、何度か返答を求められても――
🇷🇺「アメリカ君、意見はないの?」
とロシアに問われ、ハッとする。
🇺🇸「………ああ、sorry、聞いてなかったんだぞ!」
少し沈黙が流れる。
🇷🇺「ねぇアメリカ君、やっぱり君少し疲れてるんじゃないの?」
少し鋭くニヤリとした眼でアメリカを見つめる
🇺🇸「そ、そんなはずないんだぞ!!ゲームのやりすぎだと思うんだぞ!!」
焦る焦る焦る焦る焦る焦る焦る。
🇺🇸「HAHA……」(バレるなバレるな…俺はヒーローだから、こんな弱いとこ見せてはダメなんだぞ、バレたらおわりなんだぞ…)
グッと堪え誤魔化していった。
それを聞いて、黙っていた日本がそっと目を伏せた。
昨日の、あの冷たい空気を思い出す。
あの刃と、赤黒い傷痕、震える肩と、痛みに耐える声。
🇯🇵(今この場で、何か言えば……でも)
言えなかった。
この場は自分達が仮面をかぶる場所だ。
自分も被っているのだから、言うはずはない。
ふと、その視線に気づいたのか、アメリカが日本に目を向ける。
🇺🇸「日本? どうした? 俺の顔になんかついてるのかい?」
🇯🇵「……いえ、何でもありません。ただ、昨日のあれは効いたでしょうか?」
意味深な言葉に、フランスとドイツが同時に視線を寄せる。
🇺🇸「ああ、あれね。効いたよ、うん………うん!ありがとうなんだぞ!」
口角を引きつらせるように笑ったその顔は――
とても、健康には見えなかった。
🇩🇪「…確かにアメリカの体調も心配だ、後で話をしよう。よし、これから本題に戻るぞ。」
🇯🇵「……それが、良いですね」
視線の先には、疲れ切ったヒーローの仮面を貼りつけたまま、空っぽの笑顔で座るアメリカの姿が片隅にあった。
その時のアメリカは資料に目を通しているようで、実際はまったく頭に入っていなかった。
(熱い……汗が止まらない……)
だが、袖をまくることはできない。
隠さなければならない。バレたら、ヒーローとして終わってしまう。
薬も……少し多く飲みすぎたかもしれない。
視界が揺れている。心臓の鼓動が妙に早く、指先が微かに震えていた。少し過呼吸になるが、バレないように”隠して隠して”…、隠さなきゃ。
バレてはいけないから!じゃないと嫌われてしまう。から、
会議のテーブル越し、カナダは誰よりも兄の状態を注視していた。
無理な姿勢で袖を引き下ろし続ける手。時折、さりげなく手首をさすっている。
そしてどこか、不安げに資料を読んでいた。
🇨🇳「美国が静かなんて珍しいあるな。」
🇷🇺「僕もそう思うな〜アメリカ君が騒いで無いの初めて見たよ、」。
🇬🇧「……静か過ぎるな」
アメリカが服をいじるたびに、肌に貼られた絆創膏の端がちらつく。
それは長く過ごしていた国ほど少しずつ、
違和感を感じるようになったのだ…
やっと、やっと……?
キズイテモラエルカモシレナイ?ヨネ
。
日本は、静かにアメリカを見つめていた。
腕の包帯、痛みをごまかす笑顔、薬の過剰摂取、言葉にできない“問い”――
それでも彼は来た。世界の前に立ち、ヒーローの仮面を被った。仮面を被って会議を続ける。
🇯🇵(…アメリカさんは、もしかすると、誰かに気づいてほしいのでは……)
でもそれを悟られまいとする姿は、かえって痛ましかった。痛くて、辛くて、だけど共感できてしまう。そんな、彼。
🇩🇪「……アメリカ。次の案は君のだ」
不意に名前を呼ばれて、アメリカは一瞬遅れて反応する。
🇺🇸「あ、あぁ……そうだったな! えっと、これだよな? その……、あれ?」
資料を探そうとする指が一瞬もつれる。
慌てて紙束を手にするが、その瞬間――
“カタン”
資料が滑り、机の上に薬の小瓶が転がり落ちそうになった。
とっさに手で隠す。
その素早さは、まるで反射のようだった。
だが、それを見逃さなかった者がいた。
🇩🇪「……アメリカ、何を落とした?」
🇺🇸「あ、いや……ただのサプリだよ!睡眠のやつなんだぞ!最近ちょっと寝不足でね!」
とっさの返答。明るく笑ってごまかす。
フランスも日本もカナダも、言葉を呑んだ。
確かにそのラベルや中身は“ビタミン”に見えた。
だがそれは、“本当の中身”を保証するものではなかった。
会議は進行し続ける。
だが、何国かの視線がアメリカの袖と手元に集中していることに、彼自身も気づいていた。
(バレてない……大丈夫だ。大丈夫。俺はヒーローだ。ヒーローなんだぞ。俺はヒーローだから弱いところを見せてはいけないんだぞ)
内心で何度も唱えるように、心を繋ぎとめていた。
だが、彼の中で何かが少しずつ崩れ始めているのは――誰の目にも明らかだった。少しずつ焦点が合わなくなってくる。
その様子をドイツ、イギリス、カナダは見ていた。
会議終了後。
各国が退出しはじめる中、カナダがそっと立ち上がる。
🇨🇦「兄さん、ちょっとだけ、いい?」
アメリカは振り返らずに答える。
🇺🇸「……、悪い。先に帰るんだぞ!ヒーローだからね!仕事が沢山あるんだぞ!」
立ち上がり、早足で部屋を出る。
その背中を、誰も追わなかった。
――ただし、一人を除いては。
🇬🇧「……あいつ、どこまで自分だけで抱える気なんだ……」
イギリスは、ゆっくりと椅子を引いた。
🇬🇧(お前が元気ないこと、分かりやすいんだよ。
ばかっ…)
だから俺はヒーローと呼ばれる男を追いかけた。
アメリカが宿泊しているホテル――
スイートルームの前に、二人の男の影が立つ。
🇬🇧「……部屋番号、間違ってないな?」
🇫🇷「ああ、間違いない。…君はそれでも扉をノックする勇気があるのかい?」
🇬🇧「……今さら引けるわけないだろ、バカフランス。放っといたらあいつ、また一人で潰れてくぞ」
そう言って、イギリスは拳を握り、扉をノックした。
ーコンコン――
しばらく間があった。返事はない。
🇬🇧「……アメリカ、いるんだろ。開けろ。話がある」
静寂。
そして、内側からわずかに鍵が外れる音がした。
🇺🇸(!?、何で今……)
🇺🇸「……何しに来たのかい」
扉の隙間から顔を覗かせたアメリカは、部屋の中を決して見せようとせず、体で隠していた。
🇫🇷「何しに、だって? 君のその目を見れば分かる。さすがに無視できないだろう」
🇬🇧「袖で隠してる手、震えてるぞ。それに、お前の“笑顔”があんな下手なの、久々に見た」
🇺🇸「うるさいな……俺は平気だっつってんだろ!!もう、帰ってくれよ!」
一瞬、怒鳴った。が――その目は赤く、声はかすれていた。
🇺🇸(今入られたらバレる。バレるバレル、まだ、部屋片付けてない、腕も血だらけだから
駄目だ駄目だ駄目だ!)
🇫🇷「見せられないんだね。部屋の中も、自分の本当の状態も」
フランスのその一言に、アメリカの表情がピクリと動く。
🇺🇸「…………違う。違うんだぞ!これは……ただの疲れなんだぞ!」
何かをかき消すように、また笑った。扉を半ば強引に閉めようとする――
その瞬間。
「兄さん!!」
廊下の奥から駆けてくる足音があった。
🇨🇦「待って……兄さん、やっぱり――」
その姿を見て、アメリカは一瞬で笑顔の仮面を貼り直す。
🇺🇸「おー、カナダ!どうしたんだい?しかもこんな時間に!」
🇨🇦「……兄さんのこと、ずっと気になってて。イギリスたちが来たって聞いたから、つい……」
**
その時だった。
部屋の扉の隙間から――わずかに、白い包帯が床に落ちているのが見えた。
🇨🇦「……それ、何?」
🇺🇸「っ…違う。疲れてて、ちょっと手が滑ってさ!こっちに転がってきただけだよ!気にすんな!」
🇨🇦「手が滑って、落ちたの?」
🇺🇸「そうだって言ってんだろ!!俺はヒーローだ、こんなの平気だって……!」
「…平気だから」
震える声。その言葉は、誰よりも自分自身に向けた呪文のようだった。
🇬🇧「アメリカ……」
🇫🇷「もうやめて、お兄さん見ていられない」
だが、アメリカは必死に笑い続けた。
🇺🇸「だから、……頼むから、今だけは…1人にさせてほしいんだぞ…っ」
🇬🇧「クソッ……わかった。おいフランス、戻るぞ」
🇫🇷「あぁ、分かってるさ」
そう言い、珍しくそそくさとフランスとイギリスは帰って行った。
カナダはアメリカに近づいてくる。
🇺🇸「カ、カナダはあの2人と一緒に早く帰らないのかい?俺はまだ仕事があるんだぞ!」
🇨🇦「兄さん……嘘ついてる」
その一言に、アメリカの笑顔が、はっきりと揺らいだ。
🇨🇦「目の奥が、あの頃と、同じ」
フランスもイギリスも、何も言えなかった。
🇨🇦「でも……誰にも言わないよ。だけど、兄さんが“やめたい”って思ったときは――」
そっと、手を差し出す。
🇨🇦「その時は、ちゃんとつかんで。…僕を頼ってほしいんだ……ね?」
アメリカは、その手を見つめていた。
長い沈黙のあと――
ようやく、ほんの少しだけ、力を抜いた声で。
🇺🇸「……カナダは優しすぎるんだぞ」
袖の隙間から滲んだ赤を隠すように、アメリカは背を向けた。
けれど、もう――誰も、それを責めようとはしなかった。
🇺🇸「…カナダ、…部屋に…入、る?」
カナダは驚く、だって、イギリスやフランスは追い返したけれど、僕のことは入れてくれるから。
🇨🇦「…うん、入らせてもらうね」
カチャリと音を立てた扉は開いた。
カナダはそっと扉を開いた。
そして、次の瞬間――
その足が、止まった。
「っ……」
鼻に付き纏う
鉄と化学物質の匂い。
足元には、乾ききっていない物、赤黒いタオルに包帯。
テーブルの上には、飲みかけの水と、空になった薬の箱がいくつも散乱していた。
ゴミ箱の中には折れたカッター。
フタの開いた薬の瓶。血の染みたティッシュ。
カッターの破片。血。
ソファーの下には、血が少しこびりついていた。
そのすべてが、「この部屋で何があったか」を物語っていた。
。
🇨🇦「兄さんは……こんな……」
息を呑んだ。喉の奥が締めつけられる。
🇨🇦(兄さんが……ここで、1人で……ずっと)
その後ろで、アメリカはそっと扉を閉めていた。
🇺🇸「……あーあ、HAHAHAかっこ悪いよな俺、。でもこれがヒーローの部屋なんだぞ」
いつもの明るい声で、そう言った。
でも、その声音は――ひどく冷たく、寂しそうで乾いていた。
🇨🇦「兄さん……こんなに、1人で……」
🇺🇸「違う。**1人**でいいんだぞ。
俺はヒーローだからね。
誰にも迷惑かけないでいいんだ。
俺だけで済む。済むんだ、だから、
やっぱりもう見なかったことにして――」
🇨🇦「できるわけ、ないだろ!!」
声が、震えた。
🇨🇦「兄さんがずっと、こんな場所で、1人で……それを仕方ないって言うなんて……」
目の前の兄の姿が、ぼやける。涙がにじんで、景色が滲んでいく。
🇨🇦「そんなの、もう……ヒーローじゃないよ……兄さん…もしそれが兄さんの理想と言うとしても、