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1件
続きめっっっっちゃ楽しみにしてます!
前回同様、です。
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🇺🇸「だから、
やっぱりもう見なかったことにして――」
その時だった。
思わず、アメリカはビクリと肩を震わせた。
普段は滅多に感情を露わにしないカナダの、怒鳴るようなその声。
響いたのは、ただの音ではなかった。
心に突き刺さる“音”だった。
🇨🇦「兄弟がずっと、こんな場所で……1人で苦しんで……それを“仕方ない”って……そんなの、許せるわけないだろ!!」
涙が込み上げてきていた。
それでもカナダは、まっすぐにアメリカの瞳を見つめていた。
🇨🇦「僕は……兄弟のそういうところ、全部好きなんだよ…?
いつも明るくて、人の前ではバカみたいに笑って、誰よりも頑張って……でも、本当はすごく優しくて、繊細で――
そんな兄弟を、僕は…さ…ずっと、ずっと、本物のヒーローだって思ってきたんだよ」
アメリカは一言も返せなかった。
ただ、カナダの言葉に目を見開いていた。
🇨🇦「なのに……どうして……どうして、“死のう”なんて思うんだよ……。そうやって僕をまた置いてこうとしてさ…!」
カナダの声が震える。
その手は、わずかに拳を握っていた。
🇨🇦「そんなの……僕を置いていくってことじゃないか……!
僕を、独りにするってことじゃないか……!」
滲んだ瞳が、赤く濡れていた。
🇨🇦「兄弟が、どんなに隠しても、気づかないふりなんてできないよ。
僕だってずっと……ずっと、【アメリカ】…
【アルフレッド】の背中を見てきたんだから」
🇨🇦「もう1人で背負わないでよ……」
アメリカの目から、ひとしずくの涙が零れる
驚いたように自分の頬に手をやって、目を擦りながら…そっと目を伏せる。
🇺🇸「……やっぱり、お前って…、
カナダはずるいな…HAHA、」
ぎこちなく笑って、肩を落とす。
声も掠れていた。
🇺🇸「……誰かが俺を好きだって言ってくれるなんて……久しぶりに聞いたんだぞ……」
震える手で、ようやくカナダの手を取った。
ぎゅ、と力を込める。
しがみつくように。
🇺🇸「……こんな、弱いとこみせて、死にたいなんて思っちゃいけないよな。俺はヒーローで、みんなを助けないといけないのに……」
🇨🇦「…兄弟、ヒーローでも、泣く時は泣いていいんだよ…」
静かに時間が流れていく、
そこには
2人の呼吸音と時計の針の音だけが響いていた。
まるで、どこかが崩れるように―――。
🇺🇸「……ごめんな、ヒーローが変なこと言って」
🇨🇦「ううん……ありがとう。話してくれて」
それだけ言葉を交わすと、しばらくしてカナダは立ち上がった。
🇨🇦「じゃあ、僕、もう戻るね。……でも、また話したくなったら、いつでも連絡して」
扉を開ける直前――
🇨🇦「兄弟がまた“自分が嫌いになりそうな時”は、僕のことをさ、思い出してよ。
……僕は、、嫌いになんかならないから」
その言葉に、アメリカはなにも答えなかった。
けれどその背中には、ほんの少し――温もりのような“安心”が漂っているように感じていた。
ガチャリ。
そう扉を開ける音がしてカナダは去った。
🇺🇸「みんなの…ヒーロー…なのに、な。結局」
🇺🇸(俺なんかはヒーローになれないんだなぁ)
でも…
アメリカの部屋では、まだ電気がついたままだった。
椅子にもたれた彼は、カナダの言葉を思い出しながら、ただ天井を見上げていた。
(……信じてくれた…の、かな?俺のこと)
言葉にはしない。でも、確かに届いていた。
――この夜。
誰も“救われた”とは言えない。
でも、誰かが“信じた”夜かも知れない。
そしてそれは、誰かがまた立ち上がるための、ほんとうの小さな一歩――
けれど確かな一歩のはずだった。
その頃、
ホテルの廊下。
カナダが自分の部屋の前まで来たそのとき――
「「カナダ」」
不意にかけられた低い声。振り返ると、そこにはドイツとプロイセンの姿があった。
🇩🇪「……すまない、夜分に。少しだけ、話がしたい」
プロイセン「あー、硬い言い方してるけど、要するにさ……アメリカのこと、だぜ?」
一瞬、カナダの表情が硬くなる。
🇨🇦「……兄弟が、何かした?」
🇩🇪「いや、そうではない。だが――君が彼の部屋に入ったことは、イギリスとフランスから聞いている。心配していたんだ、彼の様子があまりにもおかしかったしな。特に今日の会議中も体調が少し優れなさそうに見えただろう?」
🇨🇦「…………」
プロイセン「で、どうだった?あいつ、なんか言ってた?」
プロイセンの軽い問いに、カナダは目を伏せたまま、しばらく黙っていた。
そして、ゆっくりと首を振る。
🇨🇦「……何も言ってない。そこら辺は、僕。何も聞いてないよ」
その声は、優しくて、けれど明確な“拒絶”を帯びていた。
🇩🇪「……カナダ、それは……本当か?」
🇨🇦「本当のことを言うとしたら、僕はこう答えるよ」
🇨🇦「兄弟との約束を破るほどの薄情な僕でもないし、勿論……誰にも話すつもりはないよ。たとえ、君たちがどれだけ心配していたとしても…だから」
一瞬、ドイツとプロイセンが言葉を失う。
🇨🇦「アメリカが話せないなら、僕も話さない。
だってそれが、兄弟を信じるってこと……
だから」
その言葉に、ドイツとプロイセンは黙り込んだ。
だが、会話が途切れる間もなく――
「……だったら、余計に確認しなきゃだろ」
低く、冷えた声が背後から響いた。
カナダが振り返ると、そこにはイギリスとフランスの姿があった。
🇬🇧「まさか……あいつの“今”を見ておいて、何も感じなかったとは言わせないからな」
🇫🇷「……カナダ、君がどれだけアメリカの味方であろうと……それは本当に正しいのかい?」
その問いに、カナダの瞳がわずかに揺れる。
たしかに、彼らの言い分も理解はできる。
アメリカの変化に気づいている国は、もう複数存在している。
誰もが、“見て見ぬふり”をできなくなり始めていた。
でも……だが、それでも。
🇨🇦「……黙ってるって決めたのは、僕の“意思”なんだ…よ」
小さな声。でも、確かな声だった。
🇫🇷「カナダ……だ」
それでもフランスが言葉を重ねようとしたその時だった――
「……それ以上は、追及しないほうが良いかと」
――静かに、すっと差し込むような声。
その場の空気を切り裂くように現れたのは、日本だった。
🇯🇵「カナダさんの立場も、気持ちも……私にはよく分かります。そして、アメリカさんに対してもタイミングというものも、あるはずです」
イギリスとフランスがハッとしたように振り向く。
🇬🇧「……日本、まさか――」
🇯🇵「はい。ですが、私はアメリカさんの“意思”を尊重して行動していきます。」
その言葉に、カナダは思わず日本を見つめた。
日本は、目を逸らすことなくカナダの視線を受け止めて――
🇯🇵「……私も、カナダさんと同じです」
その一言に、カナダの表情が、少しだけ和らいだ。
日本の存在は、“孤独ではない”という証拠だった。
しばらく沈黙が続いたあと、ドイツが重く口を開いた。
🇩🇪「……了解した。それが意志なら、尊重しよう。だが、何か起きたときは、すぐに知らせてほしい」
プロイセン「勿論、俺様を真っ先に呼んでもいいんだぜ?これでも、元医者だからよ」
🇨🇦「……うん。ありがとう。心配してくれて、僕嬉しいよ」
🇬🇧「……」
🇫🇷「……」
🇯🇵「えぇ、ありがとうございます。それではおやすみなさい。」
日本がそそくさとカナダを部屋に戻そうとしていた。
🇬🇧「…カナダも、、抱え込むなよ」
🇨🇦「…分かってる…さ…」
皆がそれぞれ自室に戻るために歩き出す中、日本はほんの少しだけ立ち止まり――
🇯🇵「……カナダさん。貴方の選んだ沈黙は、決して“無力”ではありません。
どうか、ご自分を責めないでください」
そう小さく呟き、廊下を去っていった。
カナダはその背中を見送りながら、ゆっくりと深呼吸をした。
(……ありがとう、日本)
その胸に、ほんの少しだけ、温かさが残っていた。
🇯🇵(アメリカさん、まだ起きていますかね?)
部屋に一度戻り、アメリカの部屋へ向かっていた。でもそこに1人、日本に尾行しているものが、いた。
部屋の前。
ノックの音もなく、気配を察したようにアメリカは扉を少しだけ開けた。
――そこに立っていたのは、日本だった。
🇺🇸「……ああ、日本か……」
声は低く、どこか霞んでいる。
アメリカの足取りはやや不安定で、片手は扉の縁にかけられていた。
🇯🇵「……夜分遅くにすみません。少し薬が効きすぎたようですね」
🇺🇸「いや、たぶん……俺はちょっと空腹だったんだ。大したことないよ」
そう言いながらも、アメリカは目の下にくっきりと影を落としていた。
その手は震えており、表情にも、どこかぼんやりとした虚ろさが漂う。
それでも、日本は変わらぬ静けさで――
🇯🇵「……まだ薬は、必要ですか?」
短く、だが確かに問いかける。
アメリカは少し黙ってから、コクリと頷いた。
日本が差し出した袋を、ふらつく手で受け取ろうとした――そのとき。
ガチャッ。
――扉が、突然、開いた。
🇬🇧「アメリカ、おい今――」
――その声とともに、イギリスが廊下に姿を現す。
一瞬、日本の手とアメリカの手が触れたまま、凍りついた。
。
🇺🇸「っ……!」
アメリカは反射的に袋を袖の中へと隠すようにし
🇯🇵「……っ、イギリスさん。何故ここに?」
慌てて日本が一歩前へ出て、扉を閉めかけながら、穏やかながらも明確に拒絶する。
🇬🇧「……おい、何してた?」
鋭い視線が、日本とアメリカの間を何度も往復する。
🇯🇵「少し、お話をしていただけです。
……それ以上は、プライベートなやり取りとご理解ください」
🇬🇧「話……?話だけで、今の様子になるか?」
イギリスの声は、明らかに疑念を孕んでいた。
🇺🇸「だから……何もないって言ってるじゃないか!」
アメリカがようやく口を開いた。
しかしその声は、かすれていて、痛々しいほどに乾いていた。
🇬🇧「……お前な……」
イギリスは、何かを言いかけて言葉を飲み込む。
何を言っても、きっとはぐらかそうとしている
🇯🇵「……イギリスさん」
その隣で、日本がゆっくりと視線を合わせた。
🇯🇵「流石に、…そこまで踏み込んでも収穫は無いですよ。」
日本の静かな言葉に、イギリスはぎりっと歯を食いしばったまま何も言えなかった。
沈黙が落ちる。
その間に、日本はそっと一歩後ろへ下がり、アメリカの部屋の扉を優しく閉じた。
その瞬間、アメリカの気配は、また“外の世界”から遮断される。
イギリスはまだ、扉を見つめたまま立ち尽くしていたが――
やがて、諦めたように歩き去っていく。
日本はその背中を見送り届けた。
静かに扉が再び開かれる。
中からは、灯りとわずかな化学物質の匂いが滲み出ていた。
アメリカは、さっきより少し落ち着いた様子で、日本を部屋の中へと招き入れる。
静かに扉が閉まる。
🇯🇵「……先程は、申し訳ありません。騒がしくしてしまって」
🇺🇸「……別に、日本のせいじゃないよ。イギリスが勝手に来ただけだから。いつもそうじゃないか、イギリスは俺達、カナダと俺を置いてどっかいって、俺が出て行こうとすると止めようとする。」
アメリカはソファの縁に腰を下ろし、肘を膝に乗せて前屈みになった。
その手の中には、さっき渡された薬の袋。
しばらくの沈黙のあと――
🇯🇵「……カナダさんには、話したんですね」
アメリカの肩が、ビクリと揺れた。
🇺🇸「……ッ見てたのかい、?」
🇯🇵「いいえ。でも、あの子の目は、“知っている目”でした。あの目は……私も、見たことがあります。貴方が、どうしようもなく、壊れそうだった夜に」
アメリカは、言葉を返さなかった。
ただ、少しだけ視線を落とし、日本に背を向けるようにした。
🇺🇸「……カナダ…さ泣いてたよ。俺のことで。俺が泣かせちまった」
その声には、強がりも、希望もない。
🇯🇵「でも…それは、貴方が誰かに愛されている、信用されているということの証明ではないですか?」
アメリカは笑わなかった。ただ、そっと目を閉じて言う。
🇺🇸「……信じてくれるんだよな。カナダも君も。こんな俺のことを、ヒーローじゃ無い俺を」
🇯🇵「信じていますよ。ですが、私は“信じる”だけではアメリカさんを救えないとも分かってます」
そして、そっと薬袋に視線を落とす。
🇯🇵「……私は、見守る者でしかありません。でも、アメリカさんがこの袋を“受け取る”ことを選んだ限り、私は、いつだって、必要な時にそばにいたいです」
アメリカは、ようやく小さく、笑ったようだった。
それはヒーローの笑顔ではない。
ただの、【アルフレッド】という
一人の人間としての、
かすかな“ありがとう”の証。
ーーーーーーーイギリス視点
イギリスが扉の前から戻ると、少し離れた角で待っていたドイツとプロイセンが歩み寄ってきた。
🇩🇪「……どうだった?」
🇬🇧「……何も言わなかったよ。やっぱり、日本と一緒だった」
🇩🇪「やはり、あの二人の間にも何かあると見て間違いなさそうだな」
プロイセンは腕を組んで、鼻で息を吐いた。
プロイセン「つーかさ、日本があそこまで前に出てくるのって珍しくねぇか?あいつって、基本“触れない”見守るってタイプだろ」
🇬🇧「……そこが逆に気になるんだ。カナダと……日本が“守ってた”。あいつの状態を、秘密を」
その言葉に、ドイツも一瞬だけ眉を寄せる。
🇩🇪「つまり、日本とカナダはアメリカの異常に気付いているが今は“守る側”に回っているってことか…」
プロイセン「でもよ、それで本当に良いのか?」
プロイセンが低く唸るように言った。
プロイセン「…あいつは、確実に壊れかけてる。目も、声も、…何より、今にも消えそうだった」
プロイセンの顔からも、いつもの軽さが消えていた。
プロイセン「……それでも、カナダも日本も、黙ってるって決めたんだろ。俺らが騒ぎ立てても、どうにもなんねぇ気がする」
🇩🇪「……だが、何かあった時は、もう“次”がないかもしれない。その覚悟を、全員が持つべきだろうな」
🇬🇧「…いや、俺がなんとしてでもその前に聞き出さないと、終わる気がする」
プロイセン「だな…」
日本視点
日本は静かな足取りで、カナダの部屋の前に立った。廊下にはもう誰の気配もなく、遠くで空調が鳴っているだけだ。
ノックしようとした瞬間――
ガチャリ。
扉が、わずかに開いた。中から、カナダがふらりと顔を覗かせた。
🇯🇵「……失礼します、カナダさん。まだ起きておられましたか?」
🇨🇦「……うん。眠れなくて……少し、休もうとしただけ」
その声は弱々しく、そしてどこか曇っていた。目の下にはうっすらとしたクマ、瞳の焦点もどこか揺れている。呼吸も少し…荒い気がしていた。
🇯🇵(カナダさんも、…そうですか)
🇯🇵「少しだけ……お話をしても、構いませんか?」
カナダは一瞬だけ迷ったが、コクリと頷いて扉を開けた。
扉を開き、中に入る。
ベッドの上には、開いたままのノート。散らばった水のボトル。そして、薬の袋が三つ、机の上にあった。
日本はそれを見ても、何も言わない。ただ、ゆっくりと腰を下ろした。
🇯🇵「……アメリカさんに、“話した”のですね」
🇨🇦「……うん。……でも、僕、何もできなかった。僕、また何もできなかった気がする……」
カナダの手が、膝の上でぎゅっと握られる。
🇯🇵「“涙”は、人を壊すだけでなく、繋げることもあります」
少しだけ、カナダの肩が震えた。
🇨🇦「……僕は、兄弟を守りたかった。だけど……守ろうとしてるうちに、壊れてた。気づいたら……僕……」
ぽつりと漏らしたその告白に、日本の目が僅かに揺れる。
🇯🇵「……大丈夫です。だから私は、今ここにいます。大丈夫ですから…」
静かに、そっと、カナダの背中をさすってた。
🇨🇦「……ありがとう。日本さん」
その声は小さく、けれど確かだった。
静寂に包まれていたその空間に、ふと――微かなノックの音が響いた。
カナダと日本が顔を上げると、扉の向こうに立っていたのは、アメリカだった。
🇺🇸「……あのさ、少し……だけ。居てもいい?」
その顔は、ほんの少し赤らんでいて、どこか不安げだった。目の下の影は薄らいではいたが、眠るにはまだ早すぎるような目。
カナダは驚いたように見つめて、でもすぐに微笑む。
🇨🇦「……もちろん。おいで、兄弟」
アメリカはそろりと部屋へ入り、カナダの隣に座った。
しばらく三人は、小さな声で短く言葉を交わした。
「今日は、ごめんね」
「大丈夫だよ」
「日本さんも、ありがとう」
けれど、やがてその会話も途切れていき――
カナダが「ここに寝る?」と声をかけると、アメリカはほんの少し迷った後、小さく頷いた。
そのまま時間が過ぎると
日本は立ち上がり、二人に毛布をかけて、
最後に灯りを落とした。
🇯🇵「……おやすみなさい」
静かに、音を立てぬように部屋を出て、そっと扉を閉じた。
しかし――
日本が一歩踏み出すより早く、目の前に現れた三つの影。
イギリス、ドイツ、プロイセンが、無言でそこに立っていた。
まるで“出てくる”ことを予測していたかのように。
🇩🇪「……やはり、アメリカの部屋ではなかったのか」
🇬🇧「あいつ……!やっぱりカナダの所に……」
プロイセン「で、日本。何を話してた?」
その問いかけに、日本は微かに目を伏せ、静かに、しかし確かに口を開いた。
🇯🇵「……何も、“報告”できるようなことではありません。ただ、話をしに行っただけです」
🇬🇧「“だけ”で済む状況じゃないって、分かってるだろ?」
イギリスの声には苛立ちと焦りが滲んでいる。
🇯🇵「――それでも、本人が望まぬ限り、私は話すことは致しません」
ドイツが一歩前に出た。
🇩🇪「……日本。それは忠義か、それとも……信頼か?それとも――」
一瞬の沈黙の後、日本は答えた。
🇯🇵「“希望”です。まだ、アメリカさんにも、カナダさんにも……“希望”があると、私は信じています」
その言葉に、プロイセンが小さく目を細めた。
プロイセン「……お前、本気で言ってんのか?」
🇯🇵「えぇ、本気…ですよ?」
🇬🇧「…ちょっと待て。おい、日本も…まさかだが…」
🇯🇵「さぁ?どうでしょうか。」
そのまま、彼は静かにその場を去っていった。
背後からは、誰の足音も追ってこない。
ただ――
それぞれの胸に残ったのは、“限界”が近づいているという確信だった。