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#BL
kaede🍁
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おその★
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夕方になる頃には、賑やかさも少しずつ落ち着いてきた。
岩本が立ち上がる。
「今日はここまでにしよう。」
「今後のことは、事務所で整理でき次第、改めて全員に共有する。」
メンバーたちもそれぞれ頷き始める。
帰り支度をしていると、目黒が阿部へ声をかけた。
「一回、あべちゃんの家に寄ろう。」
「必要な荷物まとめて、そのまま俺の家へ行こう。」
阿部は少し照れながらも頷く。
「……うん。」
その様子を見ていた岩本が声を上げた。
「送ってくよ。」
「荷物もあるだろ?」
「え、本当に?」
「どうせ帰る方向も同じだし。」
その申し出に、目黒と阿部は「お願いします」と頭を下げた。
___________
地下駐車場へ向かうと、黒いSUVの助手席にはすでに深澤が座っていた。
窓が開き、深澤が手を振る。
「はいはい、後ろ二人乗ってー。」
「ふっかも行くの?」
阿部が尋ねると、深澤は笑う。
「暇だから。」
「嘘つけ。」
岩本がすぐに突っ込む。
「お前、自分から『一緒に行く』って言っただろ。」
「バレた?」
四人は笑いながら車へ乗り込んだ。
___________
阿部の家では、着替えや仕事道具、参考書やノートパソコンなど、しばらく生活するために必要な荷物をキャリーケースと段ボールへまとめていく。
「そんなもん?」
深澤が尋ねる。
「うーん。」
阿部は部屋を見回した。
「たぶん大丈夫。」
目黒も忘れ物がないか確認すると、四人は再び車へ乗り込んだ。
今度の目的地は目黒の家。
車は静かに走り始める。
しばらく他愛ない話で盛り上がっていたが、不意に深澤が笑いながら口を開いた。
「そういえばさ。」
「今日、めめとあべちゃん見てて思った。」
「付き合ってるの、分かりやすい。」
「……。」
後部座席の二人が同時に固まる。
岩本も小さく笑った。
「隠すの、あんまり得意じゃないよな。」
目黒は苦笑する。
「そんなにですか?」
「うん。」
深澤は即答した。
「俺らなんか見習え。」
「え?」
阿部が首を傾げる。
深澤は運転席の岩本をちらりと見る。
「実はさ。」
「俺と照。」
「付き合ってる。」
「……え?」
今度は目黒と阿部が声を揃えた。
「うそ!?」
「本当。」
岩本は前を向いたまま、さらりと答える。
「長いよな。」
「うん。」
深澤もあっさり頷く。
「気付かなかったでしょ?」
阿部は何度も首を縦に振る。
「全然……。」
「俺たち、本当に知らなかった。」
「だから言ったじゃん。」
深澤は得意そうに笑う。
「隠すのは得意なんだって。」
「仕事とプライベートはきっちり分ける。」
「現場では必要以上にベタベタしない。」
岩本も続ける。
「周りに見られてる意識は、常に持ってる。」
少しだけ真剣な声になる。
「二人とも。」
「これから先も一緒にいるなら。」
「スキャンダルだけは気を付けろ。」
「うん……。」
目黒も素直に頷いた。
すると岩本はバックミラー越しに阿部を見る。
「それと阿部。」
「はい。」
「勉強で睡眠時間削るな。」
阿部は思わず苦笑する。
「バレてたか。」
「当たり前。」
「寝不足は判断力も体力も落ちる。」
「今は特に身体の変化もあるんだから、無理はするな。」
深澤も振り返る。
「あと三食。」
「ちゃんと食べる。」
「今日はサンドイッチ一個で終わり、とか禁止。」
阿部は小さく肩をすくめた。
「……はい。」
「返事だけはいいんだよなぁ。」
車内に笑いが広がる。
目黒がその様子を見て、思わず笑った。
「なんか二人とも。」
「お父さんとお母さんみたい。」
その瞬間。
岩本がすぐに言った。
「じゃあ父親から一つ。」
「はい?」
「目黒。」
「阿部が安心して過ごせるように支えてやれ。」
一拍置いて、口元を少しだけ緩める。
「あと。」
「襲うなよ。」
「……っ!」
目黒は盛大にむせた。
「しませんって!」
深澤は大笑いしながら肩を叩く。
「昨日も『怖いって思ってるうちはしない』って約束したんだろ?」
「それなら安心だ。」
阿部は顔を真っ赤にして俯いてしまう。
「もう……。」
「みんな何でそんな話になるの。」
照れた声に、また笑いが起きた。
そんな他愛ない会話をしているうちに、車は住宅街へ入る。
「あ。」
目黒が窓の外を見る。
「着いた。」
岩本が車をゆっくり停める。
「ようこそ、新居へ。」
深澤が冗談交じりにそう言うと、四人は笑いながら車を降りた。
これから始まるのは、今までとは少し違う新しい生活。
支えてくれる仲間たちがいることを改めて感じながら、阿部は目黒と並んで家の玄関へと歩いていった。
コメント
1件
第17話、読了しました……!めちゃくちゃ良かったです。 目黒くんと阿部ちゃんの関係がチームにバレていく流れが自然で、「隠すの得意なんだよ」からの岩本×深澤のカップル暴露には声出ました。岩本の「襲うなよ」からの照れ方、現場あるある過ぎて好きです。阿部ちゃんの「なんでそんな話に」って赤面するところも含めて、チームの関係性が家族みたいで温かかったです。読後感がすごくいい回でした🔥