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第10話「赫の回廊」



📷 シーン1:赤黒の回廊へ


金属と石が組み合わされた独特な構造の施設。赫共産部隊の中枢回廊は、血のように赤く照らされたライトに包まれ、無機質な通路には銃火器とフラクタル照射装置が並んでいた。


ナヴィスは壁際に体を押しつけ、グレイのマントのフードを深くかぶる。

その青い瞳が、暗視ゴーグル越しに敵の数を冷静に計測する。


「6人、待機してる……全員、強化型か」


隣ではゼインが腰を落として構える。漆黒のジャケットが戦闘用に調整されており、肩口の碧素ラインが微かに輝いていた。


「派手にやるしかなさそうだな。すずか、応答を」


その声に、耳元からすずかAIの柔らかな声が返る。


「了解、ゼイン。フロア全体の制御はジャミング中。戦闘支援モード起動」





📷 シーン2:赫の迎撃部隊


ゼインが駆け出すと同時に、敵が一斉に武器を構える。だが、その刹那――


「《シャドウ・スラスト》」


ゼインの姿が影の残像を残しながら消えた。碧素の残光をまとった蹴りが、一人の胸元に炸裂。


「ぐっ……ッ!」


赫兵が吹き飛ばされ、壁に衝突する。


「おいおい、いつの間にそんなテク持ってたんだよ……!」


ナヴィスが呟きながら、左腕を前に突き出す。


「《リバースバリア》!」


赫兵の放ったフラクタルビームがナヴィスの前で反射され、別の兵士の脚を撃ち抜いた。


「くそっ、奴ら碧族か!?退路を——ッ!」


「逃がさないよ」


ギアが背後の通路から姿を現す。ジャケットの内ポケットから飛び出したドローンが宙を舞い、《ジャミング・ネット》を空間に展開。


「電子遮断。通信、妨害完了」





📷 シーン3:記録と撤退


ナヴィスは戦闘の隙を突いて、小型のカメラを壁の影に設置する。

そこから赫共産部隊が捕らえたカムリン族の姿が映し出される。痩せ細った身体、機械に接続された碧族の少年。命を削られるように碧素を抜かれていた。


すずかAIが低く呟く。


「……ナヴィス。この映像は人道的に重大な意味を持つ。すぐに送信準備を」


「ギア、頼む」


ギアは端末を叩きながら笑った。


「送信回線は裏チャネルを通す。ライフカードの一部を使って暗号化……3分で済む」


「よし……その間、ゼイン、時間を稼いでくれ」


「任せろ」


ゼインは傷だらけの赫兵たちに再び向き直る。その背には青い光が集まり、《ブレイク・カッター》が剣の形に具現化される。


「来るなら来いよ。こっちの方が、斬りごたえありそうだぜ」





📷 シーン4:脱出と決意


数分後、ギアが指でOKサインを出す。


「日本の碧族情報機関に送信完了。あとは解析して、暴露してもらうだけさ」


ナヴィスは肩の力を抜き、通路の奥に向き直った。


「ここは、もうじき焼かれる。すずか、脱出ルートを」


すずかAIの声が落ち着いて返る。


「東側第3通路、15メートル先に非常出口あり。追跡は遮断済み」


ゼインとナヴィス、そしてギアは、赫共産部隊の赤い迷宮を抜ける。


その背中に、これから戦うべき“真の敵”が浮かび上がるように、赫の紋章が揺れていた。

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