第7話
「まず、1つ目。めめ、俺さ長く生きれないんだ」
短いけど、俺には結構な勇気が必要だったこの言葉。ごめんねめめ…これからめっちゃ重い話しちゃうんだ。そう思いながら俺は自分のことについて話し始めた。
「俺ね、治らない病気にかかったの。名前は花咲病。この病気はね、自分の体に花が咲く病気で治療法が発見されていないめっちゃ珍しい病気なんだ。俺も、結構前にこの病気になったんだけどさー今でも花が咲く痛みに耐えられないんだ笑だんだん隠すのも辛くなってきたし、体は根っこが生えたみたいに動けなくなるし大変なんだぁ笑」
少しでも笑っていたら、この重い空気が軽くなるんじゃないかと思ってた。でも、めめは
「なんで笑ってるんですか?」と言った。その顔は至って真剣で、でも少し悲しい顔をしてて…俺は伝え方を間違えたことを悟った。
「あはは…めめに気を使わせちゃうなんて俺サイテーだな…ごめんねめめ」
もうさ、よくわかんないけど辛い。しんどい。今すぐ、逃げ出したい。そんな衝動に狩られ、俺はこう言った。
「ごめん。今の話聞かなかったことにして」
めめの顔が見れない。見たら泣いちゃいそうだったから俺は必死に下を見て、その場から走って逃げた。
「佐久間くん…!」焦ってるめめの声が耳に入りながらも、全力で走った。俺の心の中はぐちゃぐちゃで、ヒビが入って、壊れそうな感じ。
走って、走って、走って。着いたのは誰も来ない倉庫の扉の前。俺はその倉庫に何故か惹かれ、中へと入っていった。
1人で入る倉庫は、少し怖くて、寂しくて…。
でも、1人になりたい俺にとっては最高の場所だった。そこで俺はただひたすらに泣いた。
「自分の病気上手く伝えられないのにッ…告白なんて…おれには無理だったんだ…グスッ」
「もうヤダ…グスッ」溢れ出る涙は止まらなくて、よく分からない感情が込み上げて来た。
「ッ…グスッ…うわぁぁぁん」
『おい佐久間。何してんだよ』トゲトゲした聞き覚えのある声に俺は思わず顔を上げた。そこに居たのは、透明な体の玉森くんだった。
「玉森くん…グスッ…俺…無理です…グスッ」
『そんなこと言わないの!俺と約束したでしょ』今度は優しい聞き覚えのある声。その声の持ち主は宮田くんだった。宮田くんは玉森くんと同じで透明な姿だった。
「宮田くん…!?なんで透明なんですか?」
『玉に会いたくて、睡眠薬大量に飲んで自殺したの。本当はこんなことしたくなかったけど、やっぱり俺の一番は玉だから。』『それより!お前告白するって自分で言ったよなぁ!?なのにこのザマはなんだよ!しっかりしろよ!』
「そんな事言われても…俺は間違えたんです…」
『佐久間?言ったよね?後悔するよって。佐久間には俺たちみたいな運命をたどって欲しくないんだ。もちろん目黒にも。さっきの様子だと、目黒は佐久間のこと心配したんじゃないかな?無理に笑わないで、弱いとこ見せてよって感じが俺には感じとれたよ。』
『そーだぞ!とりあえずもっかい話してこい!今度は自分の本音素直に言うんだぞ!わかったかアニメオタク!』『待って。アニメオタクって呼び方だと俺もじゃん』『俊くんは俊くんだからいーの!』『たまぁ!』
玉森くんの言う通りだな。なんか目が覚めた気がする!「玉森くん、宮田くん俺もう一度言います!めめに自分の思い全部、全力で!」
『頑張れよ!』『佐久間なら大丈夫!』「はい!」
「ん…」寝ちゃってたのかな?目が覚めると、昼間で日が差していた倉庫には、夕日の光が差していた。さっきあった出来事は本当かはわかんないけど、さっきより気分が軽い!
「よし戻ろう!」足を踏み込んで立とうとしたら時、「あれ?足動かない…?」俺の足は床に根が生えたように動かなかった。そして…
「ッウ!?」右目と、左胸に激痛が走った。そこで俺は、花咲病を調べた時に見た研究結果を思い出した。
【花咲病は足、腕に花が咲き、病気が進行すると、心臓と左右どちらかの目に大きな花が咲くようになる。この花が綺麗に咲いた時、その人の命は花に吸い取られ、死に至る】」
「あー…俺死ぬんだな…ッ!」痛い、苦しい…!
誰か助けて…!そんな時、俺のスマホがなった。必死の思いで俺はスマホの画面を見た。画面表示されていたのは…
「ひかる…?あ、切れちゃった…」ホーム画面に戻ると、大量のLINEと電話の通知。それぞれの名前を見てみると、翔太、舘様、阿部ちゃん、康二、ラウール、ふっか、ひかる、そして、めめ。きっとめめがみんなに言ったんだろうな俺が逃げ出したってことを、俺の命が長くないってことを。必死に探してくれてるんだなぁ…なんて思った。 棚にもたれかかっていて、腕も、足も動かせないけど、これならできる。この機能ってホント便利だよね笑
「Hey Siriッ…めめに電話して…」【かしこまりました。】プルルルルと音がなり、ワンコール目で電話がつながった。「め…」「佐久間くん!今どこッ!!」息遣いが荒いってことは走ってんのかな…?「ごめん…めめ…助けて欲しいなぁ…第1倉庫にいる…から」
「わかった!ハァハァ…みんなも連れて今すぐ行くから!」「待ってる…」めめ…みんな…早く来て…
めめの声を聞いた瞬間、自分が死ぬかもしれないという恐怖心にかられ、俺は不安になった。お願い…神様…もう少し…生きさせてくださ…
めめ達が到着するまで、俺の意識は持たず、途中で意識が飛んでしまった。そこで俺は死を覚悟した。
続く
コメント
3件
続き楽しみ‼️😊
やだっ生きててっ!
続き楽しみに待ってます。