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第8話:「文化祭スタート!?いちか、突然の告白を目撃する!?」
文化祭当日——
「よっしゃああああ!!祭りやあああああああ!!!」
「叫ぶな!朝の校内に響いとる!反響音エグい!!」
ツム、テンション300%で登校。
もう教室着く前に燃え尽きるタイプの体育会系男子である。
でも、私も今日ばかりはテンション上がってた。
なんてったって——
「……わ、飾られてる」
正門の掲示板に、大きく貼られたポスター。
“青春と逆転”。ツムのアイデアが詰まった、私の渾身の一枚。
登校してきた生徒たちが、立ち止まって見てくれる。
その中で「この絵、えぐ……」とか「誰が描いたん?」とか、
めっちゃ嬉しい声も聞こえてきて、内心ガッツポーズキメてた。
「いっちゃんの絵、マジで学校変えたな。これが……革命……?」
「急にカッコつけんな」
笑いながら歩くツムの隣は、今日も賑やかで楽しくて、
なんだかずっとこの時間が続けばいいのになって思った。
——でも、そんな時間も終わるかもしれない
中庭の片隅、飾りつけの影。
ツムのクラスの女子、高城さんが、ツムを呼び止めて話しだした。
私は、ここにいちゃいけない気がして遠くで待つことに。
ああいう明るくて可愛くて、誰にでも人気あるタイプ。
そして——
「……宮くんのこと、前からずっと気になってて……!」
——え?
……え?????
えっ、え、ええええ!?!?!?!?
告白されてるやん!!??!?
思わず、手に持ってたスケッチブックを落としそうになった。
息が止まる。足が動かん。けど、耳は勝手に聞いてしまう。
「……ごめん」って、ツムの声が小さく聞こえた。
「今、好きな子おるから」
胸がぎゅってなった。
……え、今の、私のこと、なんかな。
いや、違うかもしれん。わからん。
でも、断ってた。ちゃんと。
でもって、ツムはそのあと、バッとこっち見つけて走ってきて——
「いっちゃぁん!!!!」
「声でけぇよ!!校内で全力疾走してくんな!!」
「いま、断ってきたで。ちゃんと!ちゃんとやで!誠意100%!!」
「わ、わかってる……!てかなんで私に報告ダッシュしてきたん」
「だって……好きな子に、誤解されたらイヤやから」
……あかん。
顔が、めちゃくちゃ熱い。
耳まで真っ赤になっとる自信ある。
「……ありがと、ちゃんと伝えてくれて」
「……いや俺が言いたかっただけやけど?」
「素直か!お前は小学生か!!!」
だけど私、いま、一生分のキュンを受け止めてる気がする。
コメント
3件
いっちゃん耳まで顔真っ赤 ♡(