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第七章: 「力の代償」
数週間後、ステラと再び向き合った。私は彼女に、力を使うことに対する恐れを少しでも和らげるために何ができるのかを考え続けていた。彼女の力を理解するために私ができることは、それが本当にどういうものなのかを明らかにし、ステラがそれを使うことが他者にどのような影響を与えるかを冷静に解明することだと考えた。
「ステラ、君が持っている力は、決して無限の力ではない。君の力が行使されるたびに、その影響がどれだけ広がり、深刻な結果を招くかは確かに計り知れない。しかし、その力が「選択」によって試される理由があるとすれば、それは君がその選択をどのように行使するかにかかっている。」
彼女は黙って私を見つめていた。
「君が選ぶべき道は、誰かを救うことではなく、その力をどう使うべきか、どれほどの代償を払う覚悟があるかを自ら決めることだ。」
その言葉に、ステラは深く息をついた。彼女の心は依然として揺れていたが、少しずつその目の中に希望の光が見え始めていた。
だが、その時、彼女の心の奥底に隠された恐怖が、再び顔を出してきた。
「でも…ローレンス、もし私が間違えたら、どうなるのでしょう?もし私がその力を行使し、誰かを救ったとしても、その結果が予想できなければ…」
彼女の言葉が途切れ、恐怖に満ちた目を私に向けた。
私はその目を見つめながら、答えた。
「君が選ぶ道が間違っていない限り、君にはそれを支える力がある。」
その言葉が、どれほど重かったのかを理解していた。選択の重さ、それが彼女の苦しみの全てだと知りながら、私はその選択を彼女に託すしかなかった。