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キーンコーンカーンコーン
じりじりと熱い真夏の太陽が肌を照らす。その灼熱の中にはしゃぐ姿が3つ。
「今年の修学旅行先羽星市だってな!」
「あぁ、聞いた。それがどうした田中凡。」
「Dにはロマンってもんがねぇのか!」
羽星市なんて特別でもなんでもないだろう。と手に持った本に目を落としながら呟く。その男の名はD。ドクターDと呼ばれている。
田中凡と呼ばれた男は食べかけのアイスをDに向けてブーブーと文句を言う。
それを眺めている男はまた始まった、と言わんばかりにもっとやれ!もっとやれ!と茶々を入れる。
共通点と言えばバンドをしていることだろうか。
それ以外、彼らに共通点のようなものは見つからない。
好きな物も違えば、目指してる職業が同じ訳でもない。ただクラスが同じ。ただそれだけ。それだけが彼らの縁を結んだ。
しかしそんな訳の分からない日常が好きなのだ。
「いやー、にしても、あの変な、、なんだっけ、歌?伝染病?あれから随分とたったっすねー」
「マッジで俺はもうあんな目にあいたくねぇ…」
すると本に落としていた目を少し田中凡に向け、
淡々と
「そういえば知っているか?羽星市では何やら怪しい実験をしているらしい」
と告げる。それを聞いた田中凡は顔を真っ青にし
「それ、、また俺たち巻き込まれたりしないよな、?」
「…俺修学旅行行かなくていいっすかね。ちょっと親父に掛け合いますわ」
小声でもう一人の男、大原かおるが呟く。
「俺は知らん。」
「冷たいよな〜、ドクターDは。そのままじゃ闇医者にでもなっちまうんじゃねぇか?」
そう茶化す。フン、と鼻を鳴らし本に目を戻す。
修学旅行まで後少し。