「(さて、まずいことになった…。)」
初めてこの世界に来てから明らかに、呪霊の数が増えてきている。
「(この世界の理を変えてしまったか…。)」
それに加え。
「(特級が出てくるのも時間の問題ね。)」
ヴィランの負の感情に呼応して、明らかに強くなっている。
「🌸さん。呪霊とやらは退治できた??」
「はい、ミッドナイト先生。」
「あなたが来てから、行方不明者が増加。ヴィランの仕業とは思えないくらいの変死者も増えてるわ。」
「完全に呪霊の仕業です。人の負の感情が呪霊の源なんです。」
「私達はそれと戦う術がないから、あなただけが頼りよ。」
「はい。」
「申し訳ないけど、今日の報告とあなたの見解をレポートにまとめてもらえないかしら。」
「分かりました。早急に作成します。」
「お願いね。今日はもう寮に戻って。」
🌸は八百万が眠る部屋に戻り、そのまま布団に突っ伏した。
明くる日は、体力回復と資料作成で1日休むことに。
「(皆そろそろ帰ってくる…。)」
資料作成が終わったので、誰が1番に帰ってくるか玄関の外で待つことに。
「🌸ー。ただいまー!!」
「🌸ちゃーん!!」
上鳴や芦戸らが笑顔で駆け寄る。その姿が虎杖達と重なった気がした。
「おかえりなさい。今日もお疲れさま。」
「疲れたー。」
「エネルギーチャージ。」
芦戸と葉隠が派手に抱きついてきたので思わず倒れこむ。
「緑谷と爆豪でも倒せなかった🌸が倒れた。」
瀬呂と切島、微笑ましく3人を見る。
「疲れは取れました??」
「うん、いつもごめんね。夜中にバタバタ音立てて。」
「謝らないでください。🌸さんは授業も受けながら、夜遅くまで私達には見えないものと戦ってるんです。そんなあなたを誰が責めるのですか。」
皆も頷く。🌸は八百万に抱きついて。
「呪術師の最後ってね、ろくなことない。体の一部が残れば幸い。それさえ残らないことも多い。だから元の世界で私は死んだことになってるはず。」
「それでもきっと、帰りを待っている仲間がいますわ。」
「そうだね、虎杖君なんか特に…。ヤオモモ。」
「何ですか。」
「胸おっきいね。」
「へっ!?」
しんみりした空気から一転、どっと笑いが起こる。
「オイラも女子だったら堂々とできるのに!!」
「やるねぇ!!」
「もう、🌸さんてば…!!」
「ごめんね。」
「おい。たむろってないでさっさと入りやがれ!!」
「爆豪のお帰りだ。」
「デク君もお帰りー。🌸ちゃんも入ろ??」
「ごめん、相澤先生のところ行かなくちゃ。」
「もう行くの??」
「うん。レポート提出しないと。」
「提出終わったら戻ってくる??」
「どうかな。戻れたらそうする。」
「うん。」
緑谷と短い会話をして先生の所に。いつもの先生達と頭の痛い話をした。
「(私が特級と…。どこまで通用する!?領域展開されたら間違いなく終わる!!)」
呪霊に飛ばされた世界で、こんな宿命を背負うとは思わなかった。
「(皆に会いたいよ。)」
自然と溢れる涙。寮に着くまでに何とかしないと。
「(ここの皆を守れるのは、私だけ。)」
涙を拭って、深呼吸して。寮のドアを開けた。
ようこそ1-Aへ!!
かけ声と共にクラッカーが弾ける。
「そういえば、まだやってなかったと思って!!」
「空から降ってきた新しい友達の歓迎会!!」
「入って入って!!砂藤君が腕をふるってくれたんよ!!」
芦戸・耳郎・麗日に手を引かれ輪の中に。
「糖質はなるべく抑えてみた。口に合うと良いけど。」
照れながら言う砂藤。さっそくケーキを食べてみる。
「おいしい!!」
「良かったー。」
「よーし、俺らも食べるぞー!!」
こうして始まった歓迎会。
「(今はここの皆と。)」
悔いのないように過ごすと誓った。
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