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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

159 - 第四章 永遠の愛を、二人で EP.8「永遠の愛を誓う、結婚の時」⑨

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2025年05月08日

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夜中に、ふと目が覚めると、彼が私を抱いたまま穏やかな寝息を立てていた。


彼の眠りが深いように感じて、後ろ向きに抱かれていた腕の中で体をぐるりと回して正面を向く。


「よかった……。起こさなかったみたい……」


独り小さく呟く。


私、本当に貴仁さんと結婚式を挙げたんだ……。


端正な彼の顔をじっと見つめて思う。


初めて会った時には、こんな日が来るなんて考えもしなかったのに……。


初顔合わせの際のドライな彼の言動が頭をよぎると、後々あとあとになって告げられた『その道のプロに聞いた』という真意に、思わずふふっと笑みがこぼれた。


最初のデートでは、私のコーデで彼にカジュアルな白のパーカーを着てもらったんだよね……。すごく似合っていて、カッコよくて……。


二度目に公園に行った時には、私の作ったお弁当を『シェフのように上手で』だなんて、褒めてくれて、美味しそうに食べてくれたっけ。……本当に、嬉しかったな。


次々と浮かぶ彼との思い出は数え切れなくて、


「貴仁さん、ありがとう」


満たされた気持ちで、そう口にすると、


「うん……」


と、答えるように彼が声を洩らして、尽きることのない想いのままに、その胸元に頬を寄せ広い背中をギュッと抱え込んだ……。


翌朝、貴仁さんと食卓へ着くと、迎えてくれた源治さんから、


「改めて、ご結婚おめでとうございます」


と、お祝いの言葉が投げかけられた。


「あ、ありがとうございます」


笑顔で応えて、ふと長テーブルの上を見ると、前撮りをしたウェディングの写真がテーブルフラワーと共に飾られていた。


それは源治さんに猫のミルクちゃんも交えて、最後に揃って皆で撮ったものだった。


「写真、飾っていただいたんですね……」


昨夜ゆうべ、結婚のことをつい気にしていたこともあって、ちょっと感慨深い思いで口にすると、


「ええ、大切なお写真ですので」


笑みを浮かべた源治さんから、そう頷いて返された。


そこへ、貴仁さんがふっと微笑わらって、


「大切な、家族・・写真だろう」


と、一言を口添えた。


「ああ、そうでしたね……。家族として撮った、本当に大切な写真で……」


目を潤ませて言う源治さんに、私自身も思わず涙が零れそうにもなって、


これから貴仁さんと、この家で暮らしていくという思いを、新たに噛みしめた──。

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