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私
の名前は桐原美月(キリハラミツキ)といいます。今年高校に入学したばかりのピチピチの女子高生です!……自分で言うことじゃないですね。
ちなみに私が通う学校は私立白鳳学園と言いまして、中高一貫教育で偏差値の高い超進学校となっております。私はその高等部1年生なのですが、実はちょっと変わったクラスに在籍しています。というのも……。
――コンコンッ ノックの音とともに扉が開かれました。
「おはようございます、桐原さん」
「あ、はい、おはようございまっす!」
入ってきた先生に挨拶されたので慌てて立ち上がります。
「今日もいい返事ね。それじゃあ出席を取りましょうか」
そう言って微笑むのはこのクラスの担任である女性教師、東雲七海(シノノメナミ)先生。年齢は26歳だそうだが童顔で小柄のためとても若く見える。
「えっと……つまりどういうことですか?」
僕はいまいちよく理解できなかったので聞いてみた。
「はい! では説明しますね!」
彼女は元気良く返事をしてホワイトボードの前に立つとチョークを手に取り黒板にカツカツと音を立てながら書き始めた。
「まず1つ目の項目ですけどこれはテストの点数のことですね。例えば今回の中間考査だと全教科の合計点が450点だった人は430点で合格となります。逆に459点以上取った人はそのまま進級できます」
彼女が書いている文字を見るとそこには『進級試験について』と書かれている。
(あぁ……やっぱりそうなんだ)
なんとなく予想していた通りの内容だったので特に驚きはなかった。
しかし僕の隣に座っている少女は違ったようで大きく目を見開いて驚いていた。その瞳には少し涙を浮かべているように見える。……これはどういうことなんだろう? 僕は今自分の部屋でいつも通りベッドの上で仰向けになりながら天井を見ながらスマホで動画サイトを開き適当に色々な音楽を聴き流しながらネットサーフィンをしていたはずだ。なのにどうして突然目の前に女の子が現れるんだろう? しかもその子はとても綺麗だったのだ。髪は長く腰辺りまで伸びていてとても艶のある黒髪をしている。肌の色からして恐らくアジア系の人種だと思われるのだが顔立ちは明らかに西洋人寄りである。そして身長が高いのか座っているはずなのに見上げないと目が合わないくらいなのだ。手足が長くてモデル体型とも言えるかもしれない。着ている服はこの国ではまず見かけないような真っ白なワンピースを着ていて胸元に大きなリボンが付いているのが特徴的で可愛らしい印象を受ける。年齢は高校生くらいだろうか? 年相応の顔つきをしていると思う。こんな美少女が僕の部屋に居たらすぐに気が付きそうなものだが全く記憶がないんだよなぁ……。どこかであった事がある子なのかなと思いながらもとりあえず声をかけてみることにする。
「えっと君は一体誰なんだ?」
「あ! あの! 私の名前はリリアナと言います!」
彼女はそう言うと勢いよく頭を下げてきた。その時彼女の長い髪の毛がふわっと舞ってシャンプーの良い香りが漂ってくる。うん、やっぱり良い匂いだなぁ……じゃなくて!! ちょっと待ってくれよ!? 今なんて言った? 確かに名前らしきものは聞こえたんだが名前がどうしても聞き取れなかったぞ? もう一度聞いてみたら分かるかな?
「ごめんもう一回名前を言ってもらってもいいかい?」
「はい! 私はリリアナです!!」
やはり名前は上手く聞き取れない。どうなっているんだろうか? それどころか先程からずっと耳にノイズがかかった様な音が響いている。まるで電波の悪い場所にいるかのような音で思わず顔をしかめてしまう。
「うーん。さっきから君の言っている事が全然分からないんだけど一体ここはどこなんだい? それにどうやってここに入ってきたんだい?」
「えっ!? 私の言葉が理解できない? あなたは本当に人間?」
「あぁ~、それはですね……」
「おい! お前ら!! 何をしてるんだ!!」
「ひっ!」
「うわー! すいませぇん!」
「ほら、行くぞ!」
「ちょっと待てよ! まだ終わってねぇだろ!」
「……ったく、しょうがない奴だな」
「それじゃ、失礼しますね。ごゆっくり~」
「まったく、あの子たちったら……」
「しょうがないよ~。もう子どもじゃないんだからさぁ~」
「そうね、大人になったのかしら?」
「うーん、それはどうかなぁ?だって、みんなまだ17歳だよぉ~!」
「あ!そうだわ、忘れてた!!わたしとした事がっ!!」
「どしたの?ママさん」
「誕生日プレゼントを用意していないわ……」
「えぇ!?そうなのぉ?じゃあさ、あたしから渡しておくよ♪はい、これ~!」
「あら、何かしら?ありがとう、あなた」