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本当に殺されるかと思ったが、なんとか逃げ切った。やっと外だ。脱出成功。望叶さんも磨輝と羽菜ちゃんが拘束してくれた(ネットで見た方法)。だが安心するのはまだ早い。何が起きるか分からない。気を引き締めていこう。それに暴く秘密があるなら、手ぶらで帰れはしないだろう。乗りかかった船。最後まで調べよう。そういえはこのキャンピングパークにはどの部屋も本が壁を埋め尽くすほどある。そういえばこの倉庫にあった本って……!とりあえず近くにあった本を一冊取って開く。‘ 死者蘇生 死者の肉親に死者の血の花を飲ませよ’血の花……?腕も意識を持っていそうなほどページをめくる手が止まらない。‘血の花。人間の命そのものといえるおぞましいもの。かつて花屋敷家の人間たちが見つけ出し、この村に広めた。以来、この村は冥界との交流が広まっていった’花屋敷……?苗字だろうか。
「みんな!警察呼んできたよ!」
璃偉太さんと佑果さんとも合流。
「ありがとうございます。あの……突然ですが花屋敷って名字に心当たりは?」
「あ、お母さんの旧姓」
尋ねると佑果さんが答えた。つまり彼らは宮籐家だが全員、花屋敷家の人間ともいえる。花屋敷家の人間は血の花?の秘密を知っていた。
「あ……あの、私も知ってます……花屋敷って苗字……」
「というと?」
「た、確かひいおばあちゃんが元々花屋敷家の人間だったと……」
璃偉太さんが尋ねると羽菜ちゃんが答えた。つまり羽菜ちゃんも花屋敷家の末裔と言える。
「遠っ」
「というかよく知っているな」
「昔、聞いただけですけど」
陶瑚と茉津李がすかさずツッコむ。
「やっぱり肉親だったか……」
「気づいてたの?」
「まあ肉質から明らかだったからな」
お兄の目は誤魔化せない。陶瑚の記憶と本で被害者についての情報を集める。色々と明らかになった。被害者14人が全員、兄弟姉妹であること、花屋敷家にルーツがあること。探してみると意外と見つかるのだ。これが。読んでいると、佑果さんがもしかしたらと話を始めた。
「今の望叶は……」
「変わったな。あの日から……望夢を喪ってから」
璃偉太さんが続ける。望夢さん……確か18年前に亡くなった璃偉太さんと佑果さんと望叶さんの弟。望叶さんにとっては双子の弟だ。望叶さんはずっとその死を引きずっている。そして血を抜かれた死体……壁を埋め尽くすほどの蘇生術に関する本……あの人、なんと殺した人の血を集めて望夢さんを蘇らせようとしているのかもしれない。そういえばとお兄が厨房へ駆け出す。昼食に使われた小さい方の鍋をのぞいて顔をしかめる。微量だが、明らかにトマトとは違う赤が混じっているという。
「小さい方の鍋の食べたの誰だ!」
「覚えてないよ!」
「ちょっと待ってちょうだい」
なるほど、私たちにはこいつ(陶瑚)がいた。
「銀俄くん……羽菜ちゃん……」
鍋を分けていたのは……羽菜ちゃんたちに血を飲ませるため!つまり彼らは望夢さん蘇生の練習台にされたということ⁉︎そんな思惑通りになるのは願い下げである。 何が彼女を駆り立てているというのか。結局、根本的な原因を潰さないとにっちもさっちもいかないようだ。 いずれにしても彼女の為に望夢さんの一部にされるのはゴメンであろう。何かヒントを……色々な部屋を探索する。ある部屋を見つけた。扉に鍵がない。監禁専用部屋かな。一応、手をかけてみる。 入り口が開いている。おいおいおいと。嘘だろうと。躊躇するのも今更というもの。そこは古ぼけた部屋だった。綺麗すぎる。生活感を一切感じない。調べていると見つけた地下牢の鍵。地下牢には血の花の器が囚われている。知らない方がいい、下手な真実を誰にも知られず終わらせられるように。どうやらあそこは知りすぎた者を閉じ込めておくための場所らしい。言うなれば追い出し部屋だ。まあお姉が派手に扉を開けた?ので今は鍵になんの意味もないが。さらに探索していたらおかしなメモが見つかった。どれどれ……‘この村は呪われています’……どうオブラートに包んでも怖い冒頭キターっ!続き、続き……‘死後の世界に最も近い村だ’ふむふむ……‘あそこに関わったら最後どうなるか分かったものではない’不味くないかと。
「おいっ!」
ビクつく。声の主が兄弟姉妹だったらここまで驚かなかっただろう。しかし驚いたことには全く後悔がない。主は望叶さんだ。磨輝たちが拘束したのではなかったか。磨輝たちの拘束が雑すぎたのか、望叶さんの体が柔らかすぎるのか。それが気になる。
「貴方たち、どうやって入り込んだの⁉︎」
「イリグチアイテマシタヨ」
「言っちゃったよ」
羽菜ちゃんが言ってしまった。早口になってしまっている。どうやらここは望夢さんの部屋だったそこのようだ。種類豊富な映画がそれを物語っている。望夢さんと幼馴染のお姉から望夢さんは無類の映画好きだったと聞いている。
覚悟をしてもらおう。