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新しいホーム
[このテラリウムにはかつてのレシピがありますから、材料さえあれば修理も容易いですよ!
早速、ロボットさんには廃墟に・・・]
これからのことを相談していると、地震のような揺れが始まった。
また崩落が起きたのだろうと思った瞬間、クラウドAIの端末がテラリウムの前に落ちてきた。
〈!〉
[わ、わわわ
あれは、クラウドAIのロボット・・・?!]
ロボは起動した直後の端末に攻撃し、即座に沈めた。
瞬間、ノイズが目の前を覆った。
ロボはどこかの研究室のような場所を見ていた。
検体と呼ばれている、トリコそっくりな少女に実験を行おうとしている。
[・・・ボットさん!!ロボットさん!
目を覚ましてください、ロボットさん!!]
ファクトリーAIの声でノイズは見えなくなり、テラリウムに戻っていた。
目を覚ますと、ノイズが現実世界にも侵食し、テラリウムを少しずつ飲み込んでいるところだった。
[・・・とても危ない予感がします!
ロボットさん、こうなったら仕方ありません、このテラリウムは放棄しましょう
後ろからノイズが迫ってきています
時間がありませんから手短に説明しますね
取り急ぎですが周辺を検索して新しいホーム候補地を見つけておきました
わたしをインストールできるコンソールがあるところで・・・・・・
トリコちゃんの生存環境を構築しやすそうな場所です
ロボットさんはそこへ向かってください
それと、このコンソールからわたしのメモリチップを取り出して持っていってほしいです
シェルターが滅びる前ならあちこちネットワークで繋がっていたので
オンラインで引っ越しできたのですが・・・・・・
いまはロボットさんに直接チップを運んでもらうしかありません
さあ、ノイズが近づいてきています!
迷ってる時間はありません!
ロボットさん・・・・・・
よろしくお願いします!]
ロボはメモリチップを取り出し、急いで新たなホーム候補地に向かった。
候補地に着くと、ロボは天井からぶら下がっているモニターにメモリチップを差し込んだ。
[・・・
ここは・・・
ああ!ロボットさん!
よかった、無事に辿り着いたんですね!]
〈ぴょんぴょん〉
[え?
テラリウムを飲み込んだあのノイズは何だったのか?
うう、わかりません・・・・・・
ロボットさんはなにか心当たりありませんか?]
〈考える〉
[え!
アレと似たノイズを他のところでも見たことがあるんですか!
そのうえ、その時も今回も不思議な体験をしたんですね
むむう・・・・・・
世界になにか、異変が起きているのでしょうか・・・・・・
・・・・・・とにかくいまは情報が足りませんね
あのノイズのことはわたしが調べておきます]
ファクトリーAIはロボにこれからやるべきことを話しだした。
[ロボットさんのおかげでわたしたちは無事に新しい拠点に引っ越しができたのですが・・・・・・
見ての通り、ここは完全な廃墟でまだ何の設備もありません
そのうえ、これまで集めたレシピやクラフトで作った設備は、前のテラリウムと一緒にノイズに飲み込まれて失ってしまいました]
〈がっくり〉
[はい・・・・・
かつての人間たちは、こういう状況を「裸一貫の再出発」と言ったそうです!
・・・・・・
というわけで、ロボットさんにはこれからまた、いろいろと集めたり作ったりしてもらいたいのです]
〈ぴょんぴょん〉
[ふふ、ロボットさんならそう言ってくれると思っていました
・・・・・・さて、やるべきことはたくさんあるのですが・・・・・・
まずはテラリウムの建造を目指したいと思います
引っ越し先としては比較的テラリウム建造に向いた場所を選んだつもりですけど・・・・・・
いまのところはただのボロボロの廃墟ですからね
この状態では転送装置の寿命がかなり短くなってしまいますし、万が一トリコちゃんがこちらに来てしまったら、一瞬で汚染菌糸にめちゃくちゃに侵されてしまうでしょう!
なのでまずは汚染された空気から守るためにおっきなテラリウムの瓶を作りましょう!
幸いここには補修すればテラリウムの瓶に使えそうな遺構がいくつか残っています
これらを再利用する形でテラリウムを作っていきましょう]
ロボはファクトリーAIに【テラリウム補修建材】のレシピを貰った。
[それと、瓶の作成に必要な素材が取れそうな廃墟を行き先に登録しておきました]
ロボは早速廃墟に向かい、材料を集めた。
[ロボットさんのおかげでテラリウムの瓶を建造するのに必要なものがすべてそろいました!
あとはわたしにまかせてください!
腕によりをかけて素敵なお家をつくりますよ!]
ファクトリーAIは気合を入れて綺麗な瓶を作り上げた。
これで外敵からも汚染からもトリコと転送装置を守ることが出来る。
ファクトリーAIは頑張って転送装置のレシピを思い出し、思い出せない部分は補って、なんとか形にしたレシピをロボに渡した。
[ロボットさん、早く転送装置を作ってトリコちゃんを安心させてあげましょう!]
ロボはまた廃墟に潜って、必死に材料を集めるのだった・・・。