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それから数年、凸さんたちと知り合って時々手紙を送りあったり、大拠点や街の用心棒の仕事をしていた。

その生活が、永遠に続くと思ってた。

………あ、もう冬の時期かあ

毎日猛吹雪だから、季節なんて忘れてたよ。

この時期になると、魔獣の動きが活発になる。

「さもくん、そろそろ見回りする?」

「そうだね、また凸さんたちに手紙出さないと…」

いつも通り武器をもって、警戒しながら外に出る。

少し歩き回って、私は口を開く。

「魔獣の気配、しないね?」

「うん、けど、なんか…」

さもくんの言いたいことは分かった。

何かが、おかしい。

長年の勘、嵐の前の静けさとでも言えばいいのか。

何故か、この状況が…物凄く恐ろしく感じた。

…怖い

さもくんに背を向けた瞬間

「!ななっし〜っ!」

「……………ぇ」





目の前には、血まみれで倒れていて息を荒くしている幼馴染と、見たこともない怪物がいた。

狼とか熊とか鳥とか、色々な動物の一部分が縫い付けられたように一体化した”それ”が、私達に襲いかかってきた。

「ぁ…ぁ…」

さもくんがこんな状態で、しかも目の前には怪物。

私の頭は働いていなかった。

「ぁ、ああああああああっ!!!!!!!」

私はたださもくんを傷つけられた怒りだけで、怪物に挑んだ。


………結果は勿論惨敗。

怪物に傷一つつけられず、怪物はいつの間にか姿を消していた。

「………さ、もく…」

私は必死にさもさんを背中に抱えて凸さん達の拠点に向かっていた。

いつも私達が困っているときに頼らせてもらってるのが、凸さんたちだから。

拠点までもう少し、というところで私は力尽きて倒れた。

…さもくん、ごめんね…

守れなくて…ごめんね…

その言葉は口から出ることなく、白い息となってそのまま消えた。

氷河の世界で記憶のない君

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