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「…………」
呆然自失とする俺。
どうしてこうなったのだろう……そんなの分かるはずもない俺は、『めがこく』の大事なシーンを見逃してしまったという圧倒的な絶望感を抱きながら、漆黒の粉塵がおさまるのを重い沈黙の中で待つ。
ほどなくして粉塵が薄れ、徐々に周りの様子が明らかになってくる。
積み重なる瓦礫に、鼻をつく焦げた臭い。
つい今しがたまでアパートの一部だった建材は、今やぱちぱちと音を立てて所々から煙を上げている。
俺の周りには……なにもなかった。
部屋を囲うようにして置かれていた棚も、そこに入れられていた漫画も、ラノベも、アニメのブルーレイも、なによりガラスケースに入れられていた、大事な大事なフィギュアたちも。
あるのは、画面が割れて、虚しくも傾いた、俺の目の前にある、35型4Kテレビのみだ。
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