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この世界には人口の約2割、特殊能力を持った者がいる。ほとんどの者は能力者の存在を知らないが、気付かぬ間に出会っているかもしれない_
渋谷の裏路地には「ロート」というBARがある。
しかし、それは表の話。表ではBARとしての「ロート」
では裏では?
任務成功率100%と言われている少人数マフィア「ロート」
そのメンバーは能力者達で構成された、たった6人のみのマフィアである。
「飛貴尚斗(アスキナオト)」
黒髪黒目のどこにでもいるごく普通の高校生。
だが誰にでも裏の顔はある
飛貴尚斗はマフィア「ロート」のメンバーの内の1人である
もちろん周りには自分がマフィアである事は言っていない
尚斗は学校が終わってすぐ、BARに向かう
『ただいまー』
ドアを開けて少し歩き、周りを見渡す
『やっぱ誰も居ないよなぁ』
ドアを閉めながらそう言う
『今日は皆ボスに呼ばれてんだよな、何か重要な話か?』
奥の部屋に入り、マフィアの服に着替える
『…まだ皆仕事か』
壁に掛けている時計を見る
尚斗以外のメンバーは全員成人済みで、それぞれ別の仕事をしている。
『夜まで帰ってこなそうだな』
『BARの仕事でもしとくか』
本当はメンバーで交代しながらBARの仕事をしているが、ほとんどがサボる為真面目な尚斗が大体の仕事をしている。
尚斗が暫くBARの仕事をしていると、女性が入って来た。
「お、尚斗ー!今日もお疲れ様!」
『川宮さん!』
「川宮」と呼ばれた女性は尚斗の前に座る
『お仕事はもう終わったんですか?』
「うん、今日は早く終わってね」
「川宮亜美(カワミヤアミ)」
薄いピンク髪で小顔の、スタイルがいい美人。
職業はモデル。
マフィア「ロート」の1人。
「にしても、尚斗ももう高3かー!」
「いやぁ〜時の流れは早いね!アタシなんて23だよ?」
尚斗が差し出したワインを飲みながら言った。
『でも川宮さんはいつも通り綺麗ですよ』
尚斗が笑顔で言った。
「…あんた、モテるでしょ」
『え?』
「この天然タラシめっ !」
「ま、モデルのアタシには効かないけどねっ」
『???』
尚斗は何を言っているのか分からない様な顔をしている
そんな事は気にせず川宮は仕事の愚痴を言う
「ねぇ聞いてー?今日先輩がすっごい文句言ってきてさー」
「絶対アタシに追い越されたくないからだよね!」
『モデルのお仕事も大変ですね』
尚斗は慣れたように返す
川宮はBARで飲む時、毎回尚斗に愚痴っている。
「あーお腹空いた!なんかない?」
川宮は椅子にもたれながら、疲れた様子でそう言った
『そうですね…』
尚斗は冷蔵庫の中身を見て考える
『あ、いいものがありました!』
『今から作るので少し待っていてください』
「ホント?尚斗の料理美味しいのよね!」
川宮は嬉しそうに言った
しばらくすると、尚斗が料理を持ってきた。
『お待たせしました。たらのアクアパッツァです』
『川宮さん、魚料理お好きでしたよね?』
そう言って川宮に料理を差し出す
「わ、美味しそう!流石尚斗!」
「アンタって本当気が利くわね、どこぞのバカとは大違い」
川宮がそう言うと「誰がバカだって?」と男性が入ってきた。
「亜美ちゃんったらツンデレだね〜」
紫髪で顔が整っている男性_
「矢野影汰(ヤノエイタ)」
職業は俳優
マフィア「ロート」の1人
「こっち来んな!」
「グフッ」
川宮は近づいてきた矢野を突き飛ばした
『矢野さん、大丈夫ですか?』
尚斗が倒れた矢野に手を差し出す
「あぁ、すまないね」
矢野は尚斗の手を取り起き上がる
「強気な所も、亜美ちゃんらしくて良いよ!」
「気持ち悪い」と川宮は抱きしめようとしてきた矢野を避ける
『矢野さん、いつももっと遅くにお仕事終わるんじゃないんですか?』
「仕事なら今日は休みだよ」
「じゃあ今まで何してたのよ」
川宮が聞くと、矢野はポーズをとって言った
「女の子に囲まれてねっ!」
「僕ってどこにでもファンがいるからさ?」
矢野がそう言うと川宮は呆れたように言った
「そんなことだろうと思ったわよ」
『相変わらずですね…』
「それより、まだ2人しか来ていないのかい? 」
『はい、皆仕事で忙しいですからね』
「そういえば、ボスはアタシ達に何の話があるのかしら?」
3人とも少し考えた
『まぁ何かはあるんでしょうけど…』
「ボスの事だ、何の関係も無いことを言うかもしれないね」
「まいっか!考えるの面倒くさくなってきた!」
「そんな亜美ちゃんも素敵だよ!」
『矢野さん、また突き飛ばされますよ』
その時、バンッと大きな音を立ててドアが開いた
ドアの先には銃を持って武装した男達が立っている
尚斗達はそれぞれの武器を構えた。
すると、川宮があることに気づいた
「あいつらが付けてるチョーカーって…」
矢野は少し怖がりながら続ける
「青色…まさかっ!」
尚斗が驚きと警戒の表情で言う
『ブラウ…!?』