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あれは寒さが軟化し、春の訪れを感じる朝の出来事でした。私は劣等感や、学級崩壊などであまり学校へ登校しておらず自宅で学習する日々を送っておりました。

その日、私は荷物を取りに友人と久方ぶりに学校へやってきました。

トラウマ渦巻く校舎から目をそらし、乱れる呼吸と思わず瞳から出そうな涙を堪え、私が校舎へ向かってるときに事件はおきたのです。

音楽の先生がその大きな体躯を窓から目一杯だし、大声を上げました。

私は驚きのあまり思わず彼女を見上げました。

すると彼女は私の名前を発しました。

元からそのつもりだったのでしょう。

生徒は勿論私の方を見つめます。

驚きのあまり、声を出せない私。

置き去りにされた友人。

現場は混沌を極めていました。

彼女はもとよりどこか歪んでおりました。

音楽の時間、最後に着席した人に歌わせるとかいうデスゲームを不定期に開催したり、我々の担任の悪口を言ったり、その為クラス内や保護者からも軽蔑の眼差しで見られることもしばしばありました。しかし気づかぬが花を体現するかのように完全スルーを決めておりました。

その強メンタル、今の社会人に分けてあげてください。

私はその場を思わず退散することで難を逃れました。

その後私が校舎を跨ぐことはなかったのは言うまでもありません。

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