※嘔吐表現有り
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「…………ん……」
「……あ、れ?」
「──桜?」
『……さ…?に、さん?』
「はこたろー……良かった、無事、で…っ…?」
『無事?何の話だよ。変な夢でも見た訳?』
俺、なんで′′また′′桜の下で寝てたんだ…?
まさか、もう一度戻って来たのか?
でも、どうして……
′′1回目に′′…
俺は…′′あの瞬間′′に戻ってきて
順調に進んでる時、帰り道、トラックが来て…
はこたろーが引かれそうになったから、俺は…
庇って……あれ?その後は、どうなったんだっけ
どうなって…庇ってから…俺が、引かれ、て…
──死んだ?
「──ッ!?うぐっ……!」
『ちょ、兄さん!?』
「っはこ、たぉ…気持ち、わる、く……!」
『ま、待ってて……っはい!袋!!』
「ありぁ、ぅぷ…ッおぇ、げほっごぽ、っ……!」
『だ、大丈夫……?』
「けほ、ッうん…もう大丈夫……!」
『急にどうしたのさ』
「へ?」
マズイ。理由を聞かれるか……
流石にド直球に
〔死んだ時を想像して吐き気が〕なんて
言えないもんなぁ……
高校生でしょ?高校時代…何かあったかな…
……あ!マヨネーズハマってたかも!!
「お弁当!!ほら、俺マヨ好きじゃん?」
「ちょっと今日かけすぎちゃって……!」
『あぁ、なんだそういうことね』
『もう…今度から気を付けなよ?』
「あはは…!ごめんごめん……!」
良かった。なんとか誤魔化せ……
『……なんて言うと思った?』
「え?」
『本当は違うんだろ?話してよ。家族なんだし』
「……家族、か」
『おうむ返しとかいいから。』
「ぁ…え、と。」
『話しにくいことなの?』
『それとも…僕じゃ頼りないかな』
「ちがっ、そんなんじゃない」
『じゃあ何?』
「そんなんじゃない、けど……言えない。」
言えないよ。言える訳がない。
口は災いの元、って良く言うだろ?
これ以上、お前を傷付けたくないんだよ……
『…そっか。じゃあ、深掘りはしない。』
「気ぃ遣ってくれてありがとう。ごめんね…」
『そんなこと気にしなくていいの。』
「あ、そうそう。話って何?」
『あぁ……そうだったね。』
『驚かないで欲しいんだけどさ…あのね、僕……』
『兄さんのことが、好きなんだ。』
三度目のその言葉。
何回聞いても ときめいちゃうなぁ、なんて。
何も知らない高2の弟に、もう悲しんで欲しくない。
胸の中で静かに決意した。
俺は重く閉じていた口を開き──
「俺も…LOVEの方で、お前が好きだ。」
『……っ、え?』
『なんで…?引かない、の?』
「当たり前じゃんか。俺も同じだってのにw」
『結ばれないって分かってて言ったのに……』
「俺だって分かってるよ。」
『両想い、だったの?』
「そうみたい、w」
『……ぅ、ぁ…』
「ちょっ、泣かないの!可愛い顔が台無しだぞ?」
『うるさいっ……』
「そこはいつも通りなのね」
『……バカ…』
『兄さん……僕と、付き合ってくれる?』
「もちろん。喜んで!」
『…!やったぁ……!改めて宜しくっ』
『僕の可愛い彼女さん♪』
「えっ?あ、俺そっち!?」
ま、まさかの俺が彼女か……
にしても、『やったぁ!』だって。
飛びはねて喜ぶはこたろーなんて何年ぶりだか。
これで未練なく死ねるな……なんてね。
この笑顔を、今度こそ守ってみせるよ。
理不尽なこの世界に勝ってやる。
俺は希望を捨てない。
見てろ……
′′三度目の正直′′だ……!
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どうも
藍羅です。
ちょっとここでお知らせです。
「あの瞬間に戻れるのだとしたら。」の累計いいね数が
4000を突破致しました!!
…と言ってもこれは
自称暇人のフォロワー様(←失礼)に押して頂いたものが
ほとんどなんですけどね←自力で伸ばせや…
ちなみに「押せ!」などのやらせではありません…!
いやぁ、本当に嬉しい限りです。
感謝感激雨霰!
さて、お知らせ部屋にも書いた通り
明日と火曜日は浮上が厳しいです。
元々この話も更新頻度が高い訳ではないけど
確実に明日からの2日間は新話投稿出来ません。
ご理解頂けると有難いです。
深夜なので今回はここまで
また次回お会いしましょう。
おつあいら~
コメント
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来たぜ☆((