【宮舘side】
「…頼むから、今すぐ引き返してくれ」
宮舘の冷たい拒絶に、岩本は言葉を失った。その時、後部座席から、しゃくりあげるような声が聞こえてきた。
「舘様ぁ…お願いやから、行ってぇやぁ…!」
見ると、康二が目に涙をいっぱいに溜めて、必死に訴えていた。
「俺、もう二人が喋ってないとこ、見てられへんの…!お願いや…!」
そのガチ泣きに、宮舘の決意が、ほんの少しだけ揺らぐ。
【翔太side】
一方、渡辺の車内でも、阿部が説得を試みていた。
「翔太、お願い。僕たちのわがままに、付き合ってくれないかな。僕たちも、もう限界なんだ。二人が、ただ笑ってるところが見たいだけなんだよ…」
いつも冷静な阿部の、感情的な訴え。しかし、渡辺は「…うるせぇ」と、顔を背けてしまった。
【Phase 2: 魂の説得】
感情論ではラチがあかない。そう判断したリーダーたちが、ついに最後のカードを切る。
岩本は、バックミラー越しに、宮舘の目をまっすぐに見据えた。
「…涼太。分かってる。お前が、翔太を傷つけたくないのも、自分がこれ以上傷つくのが怖いのも。でもな、このままじゃ、お前ら二人だけじゃなく、Snow Manが壊れるんだぞ。それでもいいのか?」
その言葉に、宮舘はぐっと唇を噛み締めた。
深澤も、暴れる渡辺の肩を掴み、今までにないほど真剣な声で怒鳴った。
「うるせぇ!グダグダ言ってんじゃねぇ!怖いんだろ、翔太に本心を見せんのが!いい加減、腹くくれや!俺たちが、何のために、ここまでやってると思ってんだ!」
リーダーと最年長からの、愛ある一喝。二人の心は、確かに揺さぶられた。だが、それでも、首を縦に振ることはできなかった。あまりにも、こじらせすぎてしまったのだ。
超荒療治な作戦が、今、強制的に幕を開けた。
コメント
7件
いわふかー!!さすが(T-T) 作品、最高です!
