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🖤サイド
🖤「亮平くん、まだかなぁ。」
今日は文化祭。
準備とか色々あってなかなか亮平くんのとこ行けてなかったから久しぶりに会う。
一緒に周りたかったから自分の仕事が終わった午後からの待ち合わせ。
しばらく校門で待っているとこっちに走ってくる人が見えた。
💚「あ、蓮く〜ん!」
🖤「走んなくても良いのに。笑」
💚「ふふっ、久しぶり。」
そう言って嬉しそうに笑う。
オーバーサイズの深緑色のカーディガンにダボッとした感じのズボン。
いつも病院の服着てるからなんだか新鮮で。
なにより可愛い。
🖤「元気?」
💚「大丈夫!今日、ちゃんと検査してきたから。」
今日はいつもよりテンション高いなぁ。
元気そうでなにより。
🖤「あ、そういえば怖いの大丈夫?」
💚「うん、たぶん平気だと思うけど…?」
俺のクラスの出し物はお化け屋敷。
俺、受付係だったからまだ中入ってないんだけどめっちゃ怖いらしい。
出てきた人の中にめっちゃ泣いてる人いたし。
いざというときは亮平くんのこと俺が守らないと…。
🖤「めっちゃ怖かった〜っ!!」
💚「あははっ、蓮くん大丈夫?笑」
いざお化け屋敷に入ってみるとめっちゃ怖くて、
終わる頃にはもう半泣き状態。
亮平くんはというと全然大丈夫だったようでこんな俺を見て笑ってる。
俺、くそダサいやつじゃん。
でも、亮平くんが楽しそうでよかった。
🖤「あのさ、亮平くん。俺の仲良い先輩のとこ行っても良い?」
🖤「チョコバナナがあるんだって。」
💚「チョコバナナ…って美味しい?」
そっか…知らないか。
🖤「俺は好きだけど。」
💚「じゃあ、行こっかな。」
🩷「あ〜!蓮じゃん!!チョコバナナ食べに来た!?」
そう、仲の良い先輩はこの人のこと。
部活も学年も違うけど最寄り駅が一緒で先輩のコミュ力に圧倒されて仲良くなった。
🖤「誘ったのは先輩じゃないですか。」
🩷「可愛い子連れてるね、蓮の彼女〜?」
🖤「や…そんなんじゃないです。」
確かに亮平くんは可愛いけれども!
流石にデリカシーがなさすぎるだろこの人。
🖤「とにかくチョコバナナ2つ!ください。」
そう言って佐久間先輩を別のとこに行かせた。
🩷「はいっ、どーぞ!」
💚「あ、ありがとうございます。」
🩷「ねぇねぇ…」
チョコバナナ渡してくれたと思ったら亮平くんとこそこそ話しだした。
亮平くんの顔は赤くなってるし何吹き込んだんだか。
それ以上に距離近くないです?
なんかヤダ…。
🖤「もう、先輩困らせないでください!!」
🩷「じゃ、またね〜!」
そう言って佐久間先輩は去っていった。
ほんと嵐みたいな人だな…。
💚「ん…これ美味しいね。ニコニコ」
亮平くんの方を向くとチョコバナナを食べて嬉しそうに笑っている。
ずっと一緒にいたい、俺が幸せにしてあげたい。
そう強く思うのは亮平くんだけ。
💚「文化祭ってこんなのなんだね。」
今度は少し寂しそうに笑う。
💚「蓮くん…ありがとね、こんなキラキラな思い出作ってくれて。」
なんか、これで終わりって言ってるみたいで切なくて。
きっとやりたいこといっぱいあるはずなのに。
🖤「これで終わりじゃないよ。」
💚「え…?」
🖤「まだいっぱい思い出作ろう。」
🖤「亮平くんのやりたいこと全部やろう。」
💚「でも…」
🖤「俺が叶えてあげるから。」
残りの時間、俺は亮平くんに尽くすから。
最後までその飾らない笑顔でいて。