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新説:コンプライアンス・アベンジャー
——定時退社の守護神——
第1章:ブラック企業の絶望
闇落ちから更生し(主に胃もたれが原因)、再就職した田中。
しかし、そこは「サービス残業は美徳」「休日出勤は友情」を掲げる超絶ブラック企業だった。
深夜2時、疲れ果てた田中の目に、上司が積み上げた「明日までの資料」が絶望として映る。
「……もう、無理だ。コンプラおじさんも、もう助けてくれない……」
田中が天を仰いだその時。オフィスの窓ガラスが、**特殊部隊のようなラペリング(ロープ降下)**で叩き割られた!
第2章:鋼鉄のコンプライアンス
現れたのは、タクティカル・ベストを装着し、メガホンをサイレンサー付きの拡声器に改造した、あの「おじさん」だった。
「労働基準法第32条、違反を確認! ターゲット、強制帰宅(デトックス)を開始する!」
上司が「誰だ貴様は!」と叫ぶが、おじさんは無言で**「有給休暇申請書」**をシュリケンのように投げつけ、上司の口を封じた。
「田中くん、遅いぞ。定時から既に8時間が経過している。これはもはや、君の人生に対する不法侵入だ」
第3章:必殺・労働基準監督パワー
おじさんは背負っていたバックパックから、巨大なプロジェクターを取り出した。
壁に映し出されたのは、会社の「裏帳簿」と「隠蔽された未払い残業代」のリスト。
「このデータは既にクラウド経由で労基署へ送信済みだ。これ以上、君がここに留まる理由は……コンプライアンス的にゼロだ!」
おじさんは田中の椅子を蹴り飛ばし(もちろん安全に)、そのまま田中を小脇に抱えて窓から飛び降りた!
背後でオフィスが「労働是正勧告」の光に包まれていく。
第4章:夜明けのレジスタンス
着地した公園で、おじさんは田中に一本の缶コーヒーを差し出した。今度は「微糖」ではない。**「最高級の休息」**という名の、ただの温かいコーヒーだ。
「……おじさん、ありがとう。でも、なんで助けてくれたの?」
「バカもん。お前がエッチな画像を調べている時は、お前個人のモラルを守っていた。だが、会社がお前の時間を奪うのは、社会のルールが壊れている証拠だ。おじさんはな、弱い方の味方なんだよ」
おじさんはそう言うと、ヘルメットのバイザーをカチリと下げた。
「さあ、帰れ。そして、『8時間しっかり寝る』というコンプライアンスを遵守しろ。明日の朝、お前の家の前で『ラジオ体操』のメガホンを持って待ってるからな」
エピローグ:真の自由
翌朝、田中は人生で一番爽快な目覚めを迎えた。
窓の外からは、いつもの「それはダメですよ!」ではなく、
「腕を前から上に上げて、大きく背伸びの運動ーーー!」
という、少し音割れしたメガホン越しの声が聞こえてくる。
田中は笑いながら、ジャージに着替えた。
コンプライアンスとは、誰かに縛られることではなく、自分を大切にするためのルールだったのだ。
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