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夕方の空は、少しずつ色を変えていた。
オレンジから、淡い紫へ。
二人で並んで歩く帰り道。
手は繋いでいないのに、距離は近い。
「なあ、蓮」
康二がぽつりと言う。
「ん?」
「卒業したらさ……どうするん?」
何気ない質問のはずなのに、
胸の奥が少しだけ緊張する。
目黒は、すぐには答えなかった。
「……考えてはいる」
「そっか」
「康二は?」
「俺は……まだ分からん」
正直な答えだった。
沈黙が落ちる。
でも、不安な沈黙じゃない。
目黒は、ゆっくり言った。
「気楽に行こうよ」
「え?」
「今、決めなくていい」
康二の方を見て、続ける。
「でも……一つだけ、約束したい」
足を止めて、向き合う。
「康二がどこに行くとしても、
俺は、ちゃんとそばにいたい」
息が詰まる。
「それって……」
「将来の話」
逃げずに、はっきり言う。
「重い?」
康二は、首をぶんぶん振った。
「重くない。むしろ……」
少し照れたように笑う。
「嬉しい」
目黒の表情が、柔らかくなる。
「よかった」
⸻
その日から、二人は時々、未来の話をするようになった。
進路。
住みたい場所。
やりたいこと。
全部が一致するわけじゃない。
でも、否定しない。
「それ、康二らしいな」
「蓮は真面目すぎ」
そんな会話が、愛おしい。
⸻
ある日、放課後の図書室。
隣同士で座り、同じ参考書を見ていた。
「ここ、違う」
目黒が指差す。
「ほんまや……」
距離が近い。
康二は、無意識に思った。
(この人と、こんな時間が続いたらええな)
ふと、目黒が視線を向ける。
「康二」
「ん?」
「……今幸せ?」
唐突な質問。
康二は、少し考えてから答えた。
「うん。すごく」
「俺も」
短い言葉。
でも、確かだった。
「じゃあさ」
康二は、小さく笑う。
「この先も、幸せでいようや」
目黒は、真剣に頷いた。
「約束する」
二人だけの、静かな約束。
未来はまだ曖昧。
でも——
一緒に考えていく未来が、
もう、そこにあった。
なんかよくわからん 笑