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Yuri
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5人での仕事が終わった夜。
「おつかれさまでしたー!」
スタッフの声と同時に、メンバーたちが次々と荷物を持って帰っていく。
「腹減った〜!」
「飯行こー!」
そんな声を上げながら、メンバーは笑って部屋を出ていった。
部屋には、舜太と勇斗二人だけが残っていた。
ソファに並んで座りながら、舜太はペットボトルの水を飲む。
「今日めっちゃ疲れたなぁ〜……」
柔らかい声。
勇斗はその横顔を見つめながら、小さく笑った。
「しゅんた、今日テンション高かったじゃん」
「そりゃそうやろ、ゲーム企画やったし。はやちゃん負けすぎやし」
「うるさいって」
軽く肩をぶつけ合う。
いつも通りの空気。
いつも通りの距離。
—なのに。
勇斗だけは、ずっと“いつも通り”じゃなかった。
半年くらい前からだった。
舜太が笑うたび、近くに来るたび、心臓がうるさくなる。
メンバーとして大事とか、仲間として好きとか、そんなのじゃ説明できない感情。
気づいた時にはもう遅かった。
好きだった。
恋愛として、どうしようもなく。
「……はやちゃん?」
ぼーっと見つめていたせいで、舜太が不思議そうにこちらを見る。
「なに?」
「いや……」
勇斗は目を逸らした。
言えるわけない。
言ったら、全部壊れるかもしれない。
でも最近、限界だった。
隣にいるだけで苦しい。
無防備に笑われるたび期待してしまう。
自分だけ特別なんじゃないかって。
「……しゅんたってさ」
「ん?」
「人との距離近いよね」
「え、そう?」
舜太はきょとんとして笑う。
「別に普通やと思うけど」
そう言いながら、自然に勇斗の肩にもたれかかってくる。
その瞬間、勇斗の理性が大きく揺れた。
近い。
近すぎる。
好きな相手にこんなことされたら、平気でいられるわけない。
「……っ」
勇斗は深く息を吐いた。
「はやちゃん?」
舜太が顔を覗き込む。
その瞳があまりにも無防備で。
次の瞬間、勇斗は舜太の腕を掴んでいた。
「え、はやちゃ——」
そのままソファへ押し倒す。
「っ!?」
舜太の目が大きく開かれた。
突然のことに完全に固まっている。
勇斗は舜太の上に片手をつきながら、荒く息を吐いた。
「……もう無理」
「は、はやちゃん……?」
「ごめん」
低い声。
いつもとは違う空気に、舜太の心臓が急速に速くなる。
「ちょ、待っ……どうしたん?」
「しゅんたが悪い」
「そんな無防備なの、ずっと見せられてさ」
勇斗は苦しそうに笑った。
「好きになるに決まってんじゃん」
その言葉に、舜太の思考が止まる。
「……え?」
「俺、しゅんたのこと好き」
舜太は言葉を失った。
好き。
今、はやちゃんが?
自分を?
「メンバーとしてとかじゃなくて」
勇斗が続ける。
「普通に、恋愛として好き」
その真剣な目に、舜太の胸がざわつく。
理解が追いつかない。
だって勇斗はずっと隣にいた存在で、家族みたいで、安心できるメンバーで。
そんな相手から突然“恋愛として好き”なんて言われるなんて思ってもみなかった。
「……はやちゃん、本気?」
「本気」
即答だった。
舜太は視線を泳がせる。
「お、おれ、そういうん分からんし…」
「うん」
「男同士やし…」
「うん」
「……」
混乱してうまく喋れない。
そんな舜太を見つめながら、勇斗は小さく笑った。
「困らせたいわけじゃない」
「……」
「でももう、隠せなかった」
勇斗の表情はどこか切なくて。
その顔を見た瞬間、舜太の胸がぎゅっと締め付けられる。
「はやちゃん……」
名前を呼んだ瞬間だった。
勇斗が舜太にキスをしようとした。
「やめて!!はやちゃん…」
舜太はビックリして勇斗の身体を押そうとした。
だか、勇斗は舜太の細い身体を簡単に倒して
そのままキスをした。
舜太は離そうとしたが 体が動かなかった。
唇が重なり 心臓が壊れそうだった。
離れたあと、舜太は固まっていた。
「……っ」
勇斗はそんな舜太を見て、苦く笑う。
「ごめん。ほんとに…」
そう言って体を起こした。
でも舜太は、何も言えなかった。
怒ればいいのか。
驚けばいいのか。
逃げればいいのか。
全部分からない。
ただ、キスされた瞬間の熱だけが、ずっと残っていた。
そして勇斗もまた、自分がもう後戻りできないことを知っていた。
コメント
1件
うわあ、第1話からすごく切ない…!勇斗の「もう無理」って呟きに全部の感情が詰まってたよ。普段通りに振る舞いながらも限界だったんだね。舜太が無防備に肩にもたれかかるところ、読んでてこっちまでドキドキした。告白されて戸惑う舜太の反応もすごくリアルで、「分からんし」「男同士やし」って混乱してる様子が切なかった。キスされた後の「熱だけが残っていた」って表現がすごく好き。続きどうなるんだろう…!