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「…っ!!お前…!!」
メテヲは口調を荒くし、ぜんこぱすの方に容赦なく能力を振りかざす。
「つけ込むんなら…!容赦しない…っげほ…!」
メテヲは、祈るようにして手を組んだ。
字面が揺れ、今にも全て壊れてしまいそうだ。
ぜんこぱすはその俊敏性で、飛んできた絵画や机を、全て回避した。
「…ぽれを舐めんな…ぽれはつよいから…」
「……ころす。」
___
「…メテヲ、世界っつーのは時に残酷なんだ。」
「洞窟だってそうだ。」
「そうなのー?」
「…あぁ、俺がいる間はお前を守ってやれる。」
「けどな、いつか俺も、メテヲも、大体は等しくタヒぬんだ。」
「だから_お前が強くなるんだ。」
「俺が居なくても、生きていける人間になれ。」
「…」
___
「…であもんと。」
「…ごめん、守れなくてごめん。」
ぜんこぱすはその言葉を聞くと、嫌な顔をする。
苦虫を噛み潰したような_そんな顔だ。
「……は?」
_その刹那。
メテヲの力が、どんどんと増していく。(
それはまるで終末を思わせるように。
_だが、そこには理性が残っている。
メテヲは想う。
「…もう、仲間を失わせたりなんかしないよ。」
「…そして、前に進んでみせる。」
「…仲間が…そう言ったから!!!」
「…だから…!!」
館に不規則なヒビが、次々と入る。
(…お願い…2人とも逃げて…)
(…お願い……!!)
__
「…!?」
ガンマスと御茶屋は、ひび割れる館に酷く驚いた。
そして、今にも焼き尽くしてしまいそうな程の熱が、その身体を焼き切ろうとした。
「…ガンマスさん!!逃げますよ!!」
「…あぁ。」
「ごめん。」
満身創痍なガンマスの手を御茶屋が強く握り、2人は走り出した。
2人分の足音が響く。
まるで逃避行でも歩いているかのようだ、正直少しだけ楽しんでしまっている自分がひどく恐ろしい。
_今、住処が壊れようとしているのに。
「…どうしてなんだろう。」
御茶屋はこの感情が何なのか考えようとする。
だが答えは、どこにもなかった。
…類似する思いはどのタンスにもない。
(…走ろう。)
_フィクションみたいだ、こんな状況なんて、一生無いものだと思っていた。
(走ったらきっと…どこかにたどり着ける。)
あんなに震えていたのが嘘みたいだ。
今ならどこにだって行ける!
「御茶屋…楽しそうだね。」
「…!」
御茶屋は、少し動きを止めた。
ショートヘアが風で揺蕩う。
「…なんだかすごく楽しいんです。」
「…」
こちらにまで届く振動が沈黙をお膳立てするようだ、そのうち崩れて、何もかも無くなってしまうのでは、なんて不安になる。
「…なんでかは、分からないですけど…」
館はパラパラと崩れ、もう引き返すことなど誰一人許してはくれないと2人は実感する。
前へ、前へ、前へ走らなくてはならない。
_そうした先が、せめて幸せであるよう。
_願っている。
「もうすぐです!!ガンマスさん!!もうすぐ裏口です!!」
建物が傾く。
浮き上がったような感覚を覚え、ひどい不快感が襲う。
「… 」
(…!)
ゴゴゴ_と、崩壊が近づく音が響きわたる。
走らなくては、走らなくてはならない。
___あと少し。
裏口の扉が見えた。
御茶屋は必死に手を伸ばした
_裏口から差し込むかすかな光に御茶屋は、手を伸ばした__。
___
ふら、ふら。
まるで木から落ちる葉のように、ヒナはゆっくりと、床に倒れ込んだ。
「…」
最後の2人くらいだろうか。
…もう自分がまともでないことくらいは、自覚できるだろう。
「…あー。」
「…ヒーロー失格、だなぁ。」
ヒナは、生き残りの片方に向けて、傷だらけになってしまった手を伸ばした。
_鎖がゆっくりと姿を表し、今にも_向かおうとしていた。
最後の殺戮を、始めようとしていた。
_その時だった。
「まってください!!!」
_ヒナは衝撃を受けた。
_守るべき存在の、声が後ろから聞こえたのだ。
「…え?」
素っ頓狂な声をあげ、ヒナの腕はゆっくりと下へ降りていく。
怯えきった反逆者は既に涙を浮かべながら頭を垂れ、戦意喪失といってもいいような状態に変貌していた。
床に頭をつけ、土下座するように泣いている。
ヒナは驚いた。
驚き、動く事が出来なくなっていた。
「…菓子、ちゃん。」
「いまのヒナさんは…こわいんです…!!」
後ろから縋るような、菓子の涙声が聞こえた。
ぎゅう、と後ろから抱きつかれ、ヒナを止めようとしている。
だが、ヒナのその腕には、一切触れなかった。
「おねがい、おねがいです、止まって、ください。」
「ヒナさんが、こわれるの、いやです…!…っだから…!!」
「…あ…」
ヒナは菓子の訴えかけに、正気を取り戻したように全身から力が抜けた。
気が付けば廊下の至る所に穴が空いていた。
「…あ…あれ…?」
「わ、私…なんで…?」
ノイズ。
殺戮の記憶が、何度も何度も侵食してくる。
「…う、あぁ…!!」
叫び声、懇願する声、舞散った血液
_そう、実感した。
__人を殺してしまったのだ。
一般人を_助けるべきだった、存在を。
「…菓子ちゃ、ごめ」
「ヒナ、さん…」
「大丈夫、ですか…?」
菓子は心から心配していた。
ヒナは、黙りこくった。
菓子に顔向けできないと、絶望すら感じていたからだ。
どうしたらいい?こんな血だらけな自分が、穢れきった自分が、菓子と前みたいに関わっていいのか?
(…………菓子ちゃ、菓子ちゃ、ごめ。)
ヒナは、泣き声をあげ始めた。
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#学パロ?