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琥珀が消え去り、戦場は静けさを取り戻していた。神風たちは勝利を味わうかのように、深い息をついていた。しかし、透がその沈黙を破るかのように、低い声で呟いた。

「……何かがおかしい。これで全てが終わるとは思えない。」

透の言葉に、白川も険しい表情を浮かべた。「ああ……琥珀は確かに強大だったが、彼一人が全ての根源ではない気がする。事実、世界全体の呪力は対して変わってやいない」

その時、遠くから足音が響いた。徐々に近づいてくるその音に、神楽坂が目を細めて声を上げる。「……誰だ?」

姿を現したのは、年齢も性別も不明な人物だった。彼の背後には、無数の呪詛の力を感じさせる黒い気配が漂っていた。

「……ようやく気づいたようだな。」その人物は静かに口を開いた。「琥珀はただの駒に過ぎない。真の呪詛の王たちが存在することを、ようやく知る時が来た。」

「呪詛の王……?」白川が驚いたように問いかける。

「そうだ、呪詛の王は一人ではない。”呪詛の王”というのは特定の存在を指すものではなく、ある種の称号だ。」謎の人物は淡々と説明する。「琥珀がその一人だったが、彼は最も力を持つ者ではない。彼以外にも、数多くの呪詛の王がこの世にいる。」

神風は拳を握りしめ、その人物に詰め寄った。「……つまり、お前もその一人というわけか?」

「その通り。私の名は夜叉羅。呪詛の王の中でも、より高位の存在だ。」

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