「……お前さぁ」
ぺいんとはため息をついた。
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「“誰も傷つけたくない”って言葉に逃げてないか?」
「ぐちつぼに冷たくしたのもそうだろ。 関われば傷つけるって、自分で勝手に決めつけてさ」
ぺいんとの言ってることは本当のことで 、俺は何も言い返せなかった。
過去のことをいつまでも引きずっていてはいけないのは分かっている。
でも、どうしても ”ぐちつぼ” と ”妻” が重なって、前へ進めなかった。
ここで止めなきゃいけないって、勝手に決めつけて、結局、ぐちつぼも自分自身も苦しめたんだ。
しばらく沈黙が続いたあと、ぺいんとは再び話し始めた。
「……ま、お前がそーやってウダウダしてる間に俺がぐちつぼ取っても文句言うなよー?」
「は?」
苦笑して、少し肩をすくめた。
「お前、何言って…..」
「本気だから」
俺が言い終える前に、ぺいんとの声が重なってきた。
「よし、今からぐちつぼの家もっかい行こっかな〜」
「は?ちょ…だめ!」
「いや、無理だから。じゃあな〜」
あっさりと通話が切られ、最後に告げられた言葉にとても焦った。
自分から遠ざけたくせに、誰かに取られるのはやだ、なんて我儘すぎるけど、、、でも、!
俺はスマホと車の鍵を取り、すぐにぐちつぼの家へ向かった。
🌵side
朝起きると、既にぺいんとの姿はなくて、代わりにLINEにメッセージが届いていた。
【 先に帰るけど、また何か相談したいことあったら何時でも言えよ 】
ハッと昨日の配信のことを思い出したが、ぺいんとに全部話したおかげなのか、心が少し軽かった。
朝食を食べ終え、テレビをつける。
今日は、溜まっていたドラマを一気見すると決めていた。
ーーーピンポーン。
突然インターホンが鳴った。
リモコンを操作していた手を止め、モニターを確認した。
モニターから誰が来たのかを確認し、俺は急いで玄関のドアを開けに行った。
ドアを開けると、そこには”らっだぁ”が立っていた。
彼は頬に汗がにじみ、肩で息をしている。
「……あれ? ぺいんとは?」
突然の言葉に、一瞬意味が分からず首を傾げる。
「ぺいんと?いないけど……」
そう答えると、彼ははぁーと息を吐いて安心したように小さく笑った。
「……そっか。間に合ってよかった。」
彼は少し視線を下にずらし、再び口を開いた。
「……俺、今日どうしても言わなきゃいけないことがあって」
彼の声が少し震えていて、 俺も息を飲んだ。
もしかしたら次の彼の言葉で、俺とらっだぁの関係は終わってしまうのかもしれない 。
勝手な妄想が独り歩きし、今にも涙が垂れてきそうだった。
「俺….ぐちつぼが好きだ、」
垂れる直前で嬉し涙へと変わった俺の涙は、彼の言葉を引き金にし、次から次へと垂れてきた。
「ぺいんとが昨日の夜来てたって聞いて、焦って…。 もし、もう俺のことなんか忘れてたらどうしようって」
彼が顔を上げると 、涙が頬を伝っていた。
「……俺、嫌われたと思ってたんだよ」
震える声を必死で 絞り出した。
「最近、なんか冷たいし、俺何かしたのかって……ずっと考えて…」
彼はどこか悲しい表情を浮かべ、次の瞬間、俺を強く抱き締めた。
「嫌うわけないだろ。むしろ 好きすぎて、どうしようもなかったんだよ」
彼の声は俺よりも震えいた。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝2000
変なとこで切っちゃってすみません💦
次回、最終話です。
コメント
2件
/ _ 見るの遅れたぁ..... 好きぃ......._(:3 」∠)_
