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るしゅ
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今回も読み応えあったわ〜!月呼ちゃんが侑加くんの筋肉にときめいて「侑加くんがかっこいい」って言い直すところ、ちゃんと自分の気持ちを認めてる感じがしてすごく良かった🔥 くるるさんと野利彦さんの関係も気になるし、エステの約束とか、日常の中の小さな甘さがじわじわ来る回だったな。
十八時の夕食の前に、月呼と侑加は五階のトレーニングルームに向かった。ほとんど外を出歩かず、外出しても広場しか歩かない生活をしていると、体を動かしたくなる(ミニゲームも昨日はフットサルだったけれど、いつもスポーツ競技とは限らない)。
そこには筋肉を鍛えるための機器や道具が置いてあった。ここに住んでいれば、トレーニングジムに通わなくてすむうえに、外に一歩も出ることなく利用できる。しかも、会費を払う必要もない。月呼はますますこの洋館を気に入る。
室内には月呼と侑加の他に、くるると野利彦もいた。ふたりともトレッドミルでランニングを行っている。
「ああ、前沙」
くるるは月呼に気づくとほほえむ。月呼から見て、くるるは運動することが好きそうな印象だ。もともと運動部に所属しているのかもしれないし、そうすることで閉鎖的な生活でのストレスを解消しているのかもしれない。
月呼と侑加が部屋に入ってから五分して、くるると野利彦は休憩に入る。
「野利彦、水を持ってきて!」
長イスに座るくるるが言うと、野利彦は命令どおりに動く。まるで女王と家来だ。でも、月呼はくるるがパートナーを名前で呼んでいることにうれしさをおぼえる。野利彦はくるるを恋愛対象として見ているだろう。だから、くるるさえ野利彦を気に入るのなら、ベストカップルになるのでは、と。
月呼は気になったマシンを試してみる。侑加はバーベルを軽々と持ち上げた。
「わあ、すごい!」
月呼は思わず拍手する。筋肉量の少ない自分がこれを持ち上げるのはむりだろう、と。
「侑加くんはふだん体を鍛えているの?」
「うん。他にやることもないから。でも、俺、もともとガタイがいいだけで、本格的に鍛えているわけじゃないよ」
「トレーニングジムに通っているとか?」
「いや、自宅で」
侑加について聞きすぎだろうか。ただ、彼は質問されても都合が悪そうにしていない。侑加の人生はスポーツと深い結びつきがないのだろう。
「筋肉で体がムキムキな男の人ってかっこいい――」
月呼は侑加の太い腕を見てつぶやく。それまで異性を好きになるのにあたって体格は重視していなかったのに、発達した筋肉に美しさを感じ、ほれぼれとしていた。
「ううん。男の人が、じゃなくて、侑加くんがかっこいい」
すぐに言い直す。筋肉質な男の体を魅力に感じているのは、他ならぬ侑加だからだ。現に、筋骨隆々な野利彦の体を見てもどきどきとはしない。
「前沙さんにそう言ってもらえるなら、鍛えてよかった」
侑加はうれしそうにしていた。バーベルをまた上げる。
ふたりは三十分ほどトレーニングルームで汗を流した。月呼は体がばてると、いったんくるると話す。ふたりは長イスに座る。
「同じ階にエステティックルームもあるみたいよ」
くるるが言った。
「えっ! 気になる」
「……今からだと夕食の時間に間に合いそうにないな。夜にふたりで行く?」
ふたりはかけ時計を一瞥する。トレーニングルームを出てシャワーを浴びたら、その後はただちにダイニングルームに向かわないと、夕食の時間を厳守できないだろう。
「うん!」
月呼は人生でエステティックサロンを利用したことがない。無料で美容行為を受けられることにかなりの得を感じる。