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「なぁ、しょっぴー。今夜、一緒に食事に行かへん?」
俺は、いつもの様に気軽に渡辺翔太に声を掛けた
俺は、ずっと前から彼が好きで…
いつかもっと仲良くなれたらと考えていた
『今夜は絶対、大丈夫だろう』
俺はワクワクしながら、良い返事が返って来るのを
待っている…
実は先程
【今夜は暇だが誘いが来ない】
しょっぴーが、照兄とそう話しているのを
俺は側で聞いていたのだ…
だから、断られるなんて全く夢にも思わなかった…
「ごめん。今夜は予定が入ってて…」
申し訳なさそうに、謝って来るその姿を
驚いた顔で見つめる俺…
「ごめん。何か大事な話?」
「違う違う。ただ一緒に飯行きたいなぁ〜って、それだけやから…」
「そう?ごめんね。また誘って」
「あぁ…うん。分かった。また誘うわ…」
俺は曖昧な笑顔で、そう告げて…
そそくさ、その場を後にした
今度は次の日、テレビ局で…
「本当!嬉しい!これ好きなんだ///」
嬉しそうに微笑んで、しょっぴーが何かを受け取っていた
「悪い。間違えて押しちゃったから…」
どうやら照兄が、自販機で間違えて
苦手な飲み物を買ってしまったらしい
「うんん。気にしないで。俺、これ好きだし///」
「だったら良かった、ありがとう」
「こっちこそ、照にジュース奢って貰っちゃった」
仲良く並んで歩いて行く後ろ姿を
今度こそ俺は、ハッキリ見ていた…
そして次の日、しょっぴーを見つけ…
昨日…好きだと言っていたジュースを手渡してみた
受け取って貰って、話が弾めば何かに繋がる…
そんな想いを込めて渡してみると
「えっ…俺、これ…苦手なんだよ…」
申し訳なさそうな顔をして、缶を返され…疑問が残る
『えっ。昨日は好きだって言ってたやろ…』
口には出さずに、そう呟くと
しょっぴーは、そのまま去って行った…
そして、またある日の撮影日…
今日は俺と、しょっぴー…そして照兄との3人での撮影だった
控え室に居るのは、当然俺達…3人だけ…
「なぁ康二…」
ついに、しょっぴーの方から俺に声を…
「何や?そんなに小さい声で…」
内緒話かと、顔を寄せると
「ちょっと康二に、頼みがあって…」
遂に自分に頼ってくれたと
嬉しそうに、笑顔を作ると…
「ごめん。実は…俺…照の事が好きなんだ。だから少しだけ、2人っきりにして欲しい…」
恥ずかしそうに頼まれて
俺は、頷く事しか出来なかった…
「………」
飲み物を買って来ると部屋を出て
ドアの前に立っていると…
2人の楽しそうな笑い声が聞こえて来る
何処かに行こうと思っても
足が動かず、歩けない…
『やっと、しょっぴーの役に立てた…』
嬉しいはずが涙が溢れ…
目の前が霞んで上手く見えない
「なぁ、しょっぴー…。俺が相手じゃ駄目なんか…?」
瞳から流れ落ちた一粒の涙が、頬を伝ってポタリと零れて
そのまま静かに床へと落ちた…
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