sha視点
気づいたらえみさんが居なくなっていた
まぁ、トイレにでも行ったんやろ と自己完結してそのままチーノと話し合った
裏でえみさんが“自己犠牲”をしている事も知らずに
sha「うーん…とりま部屋もう一度回るか…」
ci「せやな、今度は隙間とか意識してぇ…」
バサッ
一瞬、ベットの方から音が聞こえて反射的にベットを見る
syp「……え?」
sha ci「…………………」
目の前には腰を起こしてこっちを見るショッピが居る。なんでや?は?ゑ?
syp「俺、なんで生きとるんや…?」
本人も分からないらしく目を丸々としている
ci「〜〜〜ッッ良”がったあぁぁぁぁ」ズビ
よっぽど安心したのか、ショッピにダッシュで近づいたと思ったら膝から崩れ落ちた
よく分からないが、今は素直に喜ぶべきだ
sha「無事でよかったよ」
自然と笑顔になり、肩の力が抜ける
でもショッピは顔を曇らせ うつむいてしまった
syp「……生きてていいんすか、俺」
無意識にチーノと顔を見あう
相手はニコッと微笑んでいる。考えていることが一緒であることを確信した
sha ci「いいに決まっとるやろ!!」
その言葉を聴いて、彼はやっと笑顔を見せた
sha「なぁ!はよえみさんに伝えんと!!」
ci「なんでこの感動的タイミングに居ないんや…」
sha「チーノお前呼んでこいよ」
ci「えぇ…」
さっきの顔とは真逆でめちゃめちゃ嫌そうだ
まぁ、自分も面倒やから無理にでも行かせるけどw
syp「いつ頃から居ないんすか?」
sha「うーん…気づいたら居なくなってたからなぁ…」
syp「なんか、やな予感が…」
ci「どーせ迷子やろ」
sha「ここにどんだけいると思ってるんや、もう迷子になるのはお前だけやぞ?」
見事俺の言葉が心臓に刺さったらしく、分かりやすくシュン…としている
ci「迷子になる俺が人を探したら探さないといけない人が増えるだけやろ…」ムッ
sha syp「確かに」
誰も否定しなかった。
sha「しゃーねーなぁ…俺が行くわ」
syp「いやぁ流石っすね!!頼りになります!」
ci「よっ!天才!!」
こいつら…
早く済ませたいから言いたい気持ちを静ませて戸に向かう
ギギ…ガンッ
いつもよりも雑に戸を開ける
その瞬間
空気が変わった
鉄の匂いが鼻を突き、辺りも赤く染まってく
一瞬にして鳥肌が立つ。もう片手で数えられないぐらい経験した感覚
鬼が近くにいる
廊下に広がる匂いが部屋に入ってくる前に戸を勢いよく閉める
一気に上がった心拍は上がっていく一方だ
ci「ど、どないしたんや…?」
2人は様子のおかしい俺を見て硬直している
sha「鬼が…近くにいる…」
ci「嘘やろ……えみさん…えみさん?!!あの人無事なんか…??!」
syp「そうじゃん、ワンチャン鬼に捕まってるかもやで…」
冷や汗が垂れる。早く助けに行かんと…
sha「刀以外に武器はあるか?」
ci「銃弾と、短刀」
sha「銃弾は俺が貰うわ、刀は使ったらダメやからな」
syp「いや、ワイが刀で殺してもゲームクリアにならないんで使いますね」
sha「まじかよ、鬼サイドだからクリア出来ないんか…」
戦力が上がるのは嬉しいが、ゲームがクリア出来ないということはショッピはここから出れないってことだ。
ci「絶対、全員で脱出しような」
sha「!!……せやな」
こいつらとならきっと上手くいく。チーノの目を見た時そんな気がした
チーノは短刀、ショッピは刀、俺は銃を持って戸に触れる
ガンッッ
今までで1番勢いよく開ける
匂いで敵が居るであろう所を察し、銃口を向ける
2人は走って鬼に近づき挟み撃ちする
今回は今までより赤い霧が濃く視界が悪い。敵がどこにいるのか分からないため、もう少し近づく
ci「ちょ、霧が邪魔すぎるてぇ…」
syp「こんなに近づいても鬼の影すら見えんとか…」
今までの鬼ならここら辺に頭があったような…と思い出しながら1発打ってみる
が、パスン_と向かいの壁に当たった。あれ?意外と小さい?それかしゃがんでいる?
なら足に狙いを定める。周りの音が聞こえなくなるまで集中し、瞬きもせず打ちたい場所を見る。
ポツン…
あの霧まみれの所から水滴が落ちる音が聞こえた。すると、さっきまで見えなかった床に赤色の水たまりが出来ていた
そこにポツン…ポツン…と血が垂れてきている
刀で切ってくれたのか!と思って2人を見たが、まだ動けずに霧の様子を伺っていた
じゃあ、この血は何や?
元々怪我をしていた?
それか、別の”誰か”の血
そんなの一人しかいない。
想像してしまった、えみさんが血まみれで鬼に掴まれている様子を。ダメや…手が震えて狙いを定められない、、
気づいたら周りが霧に包まれていた
「_〜_ー〜!!」
遠くから声が聞こえる。なんて言ってんのか分からない
血の匂いもめっちゃ濃くなって……
声がはっきり聞こえた時にはもう手遅れだった
目の前には鬼……………え、
目の前には俺らが探していた人がいた
em視点
紅『交換条件をしないかい?』
この言葉で全てを察した。
次は私の番なんだ、と
ショッピくんとチーノくん以上に辛い思いをこれからしなくてはいけないのでしょうか…
耐えれる気がしない。不安が募るばかりだ
紅『やるのか やらないのか言ってほしーなー』
声から楽しんでいるのが分かる。それにイラッときてつい顔が顰め面になってしまう
em「先に交換する内容を言うべきじゃないですか?」
紅『それもそうだね!』
紅『焼火(syp)を起こす代わりに、君が鬼になってよ!ちなみに断ったらもう焼火は起きないよ』
em「…」
なんや、そんなことか。
そんなん一択しかないやん
em「ショッピくんを起こしてください」
紅『?!! え?そんな簡単に決めていいの??!!』
みんなショッピくんが目を覚ますことを望んでいる。それは情報が欲しいのもあるし戦力になるからだ
それに比べて私はどうだろう_戦力も情報も持っていない。なんなら足を引っ張ってしまっている
自分なんかで仲間を助けられる。こんなに安い交渉を断る理由がありますか?
em「簡単?えぇ、とっても簡単に決めれました」
紅『鬼になるの怖くないの…?』
死ぬほどこえーよw でも、
em「怖がったら貴方、喜ぶやろ?」ニャ
自分でもわかるくらい口角が上がる。謎に紅に勝った気分になって気持ちが良い
紅『………チッつまんねーの』ボソッ
em「交渉成立でええよな?…はぁ、可哀想に 貴方これからクソ後悔することになるで笑」
俺の仲間はとても強いですから
続く
ここまで読んでくださりありがとうございます
emさんってよく自己犠牲するイメージというか、やってるところを見たことがあったのでここは使わんとな!!てことで自己犠牲させました。
次回も楽しみに
誤字ってたら教えて欲しいです🙇♀️
コメント
7件
初コメ&フォロー失礼します( . .)" もうなんか言葉にできないほど面白かったです!どうやってこんなに面白いストーリーを思いつくんですか!?終始ドキドキしながら見てました…!神作をありがとうございました✨
やばいおもしろすぎ…!ほんとに世界観がすごくて時間気にせず見てしまいましたよ、!!!続きが楽しみでしょうがないです!!いいねも沢山押させて貰いましたしフォローもさせてもらいました!!
次回がワクワクで仕方ない!! シャオちゃんの危機がせまってくるのか!? よりワクワクしてきた!!