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推しが可愛いすぎる☆
最高 あ、もう死んでもいいや★
きゃわ
赤葦京治ってどんな人って聞くとだいたい「無表情」とか「何考えてるかわからないやつ」とか「レイセーチンチャク」って言われる。俺自身もホントのことだから否定しなかった。そう、あの時までは…
それはある日の居残り練。俺はいつものように赤葦に無理を言ってトスをあげてもらっていた。赤葦自身もいつもは「しょうがないですね」と言って付き合ってくれるのに、今日は「もうオーバーワークです」の一点張りだった。だけど赤葦が俺に甘いことを知っている俺は、「どーしてもダメ??」と頼み込むとうーんと唸ったあと「あと5分だけですよ」と渋々といった形だがOKを貰うことができた。ただ、事件はその5分の間に起こった。元々今日は雨で、30分前くらいから降り始めたのは知っていたが特に気にしてなかった。が、いきなりザーーーっと大きな音とともにピカっと空が光った。
ドガーン!!
「ひぃっ!!」
「うぉっびびったー近くに落ちたな!!あかー…し??」
そこに、俺の知っている赤葦はいなかった。そこにはまるで小さい子供のようにうずくまってひくひくと泣いている赤葦がいた。
「あ、あかーしさん??」
「ヒック…ぼ、ぼくとさん……やだ、見ないで」
いつもの凛々しい眉毛はしゅんと八の字に下がって、ぼろぼろと大粒の涙を流す赤葦はなんつーか…可愛かった。
その時またゴロゴロピカーン!!!!!!
大きな雷が落ちた。
「んぁッ!!!!や、やだ…こわいよ……ぼ、ぼくとさん…助けて!!」
赤葦が可愛い。何この生き物可愛すぎる。って違う違う
俺は急いで赤葦に駆け寄り抱きしめてあげた。
「あかーし〜大丈夫ー、大丈夫ー、怖くない怖くない」
「やだぁ……こわいぃ…」
「ほら、俺がいるじゃん!!ね??落ち着いて、深呼吸して」
「……スー…ハー」
「そうそう。じょーず」
俺は赤葦を落ち着かせた。最初、カタカタと震えていた赤葦はだんだん落ち着いてきたのか、震えも治まってきた。なのに神様は意地悪だ。さっきよりも大きい雷が落ちてきた。
ドカーーーーン!!!!!!
「ッ!?!?!?!?」
しかもその雷のせいで体育館の電気は消えてしまった。そして赤葦は声にならない叫び声をあげた。雷に対しての抵抗か、赤葦は咄嗟に俺に抱きついてきた。震えはさっきよりマシだったけど、涙は止まらないようで、俺のTシャツがだんだん濡れてきた。だけど俺はそんな事気にする暇もなくずっと赤葦をあやしていた。
それから何分経ったのか分からないが、気づいたら雷もやんで、静かになった赤葦からは、スースーと寝息が聞こえた。
その顔はとても幼くて、自分よりも後輩なんだという事を改めて実感させられた。泣きすぎたせいで頬に涙のあとがついてるし、体を丸めて寝ているし…赤葦ってしっかりしてていつも何考えてるか分からないけど、高校生にもなって雷でビビる赤葦は人間味を感じさせてくれた。なんて考えてたら赤葦が起きた。そこにはもう可愛らしい赤葦はいなくて、いつものよく分からない赤葦に戻っていた。
その後、すみませんと言ってスタスタと去っていってしまった赤葦をぼーっと眺めていると、急に立ち止まって
「さっきの事は…忘れてください///」
なんて赤面して言うもんだから俺まで恥ずかしい。ぜってーー忘れねぇ!!
雷が苦手な赤葦君の話