テラーノベル
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和泉が、社員でたまに集まる会兼忘年会に行くんだって。古民家で作ったいい感じの居酒屋なんだって。
『どんな飯が出るんだ?』
「お刺身とか牡蠣鍋とか、あとお寿司とか」
『酒は?』
「いろんな日本酒メインに、ハイボールとかビールとか」
『いいなー』
牡蠣鍋、自分ちでもやろうと思えばできるけど、店の味食いたい。
和泉は苦笑した。
「お土産買って帰るよ」
『ていうか、ワシらそんなに離れちゃダメじゃないか、その日ワシも近くで飲む!』
ワシも、いい店でいいもん飲み食いする!
「あーそうか。前みたいなことしないなら、同じ店でもいいよ」
前みたいなこと。和泉の同僚で後輩の女の人に和泉と付き合ってくれないかって言ったことだ。あのときは、珍しく和泉にすごく叱られたな……。
『あん時は悪かったよ……。何もしないから、一人飲みできそう店なら同じ店がいい』
「一人いける店かな……」
和泉はスマホに目を落とし、そして言った。
「あっ、カウンター席ある。一人いけるよ」
『じゃそこで飲も。牡蠣鍋食えるかなあ』
カウンター席だと鍋は難しいか?
和泉は別の懸念があるみたいだった。
「でもさ、ちゃんと大人の姿になって、マイナンバーカード持っていきなよ? 千歳、大人の姿でも20歳ギリギリだから、年齢確認ないとお酒飲ませてもらえないよ」
『それは大丈夫だ』
ワシは倉沢静のゴツい姿になった。
『ナンパされるのめんどくさいからさ。この格好で行けば絡まれないだろ』
「そっか……まあ、それなら、年齢確認もされないだろうね」
そういう訳で、ワシも和泉が行く居酒屋に行くことになった。
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コメント
1件
いやあ、この番外編めちゃくちゃ好きです。千歳が「前みたいなこと」を反省してるのに、結局こっそり和泉と同じ店に行こうとする図がもう微笑ましくて。倉沢静のゴツい姿でナンパ回避するって発想も、確かにそうだよなって腑に落ちました。設定の活かし方が本当に自然で、キャラの成長とらしさが同居してるのがいいですね。牡蠣鍋、食べたくなりました。