マンションの一室。
自分の部屋なのに、玄関の扉を開けるのにこんなに緊張したことはない。
🖤「どうぞ」
♥️「おじゃまします」
玄関の扉を支えながら、客人を先に促す。
いつも出入りしているこの空間が、今は未知の入口にすら感じてしまう。
♥️「目黒の家、久しぶりだね」
俺が入るのを確認するように振り向いた舘さんを、扉を閉めると同時に抱き寄せた。
♥️「めぐ、ろ…」
少し驚いた様子の舘さんを無視して、ぎゅうっと強く抱きしめる。
仄かに温かく、柔らかい。
♥️「ちょっと…まだ靴も脱いでない…」
たじろぎながらも、俺の背中にそっと手を添えてくる。
そんなところもまた、愛おしい。
🖤「舘さんが言ったでしょ?続きは、俺の家で、って」
覆いかぶさるように耳元で囁いた。
♥️「…っ」
背中に回された舘さんの指先に、少し力が入るのが伝わると、俺のナカで何かがゾクリと蠢いた。
🖤「舘さん…キス、していい?」
♥️「…それ、聞く?」
俺の首元に顔を埋めながら、視線だけを俺に向ける。
見上げる瞳はわずかな熱を帯び、その行為を待ち望んでいるかのように見えた。
♥️「…ん…ぅ」
堪らず唇を寄せれば、そっと目を閉じそれを受け入れる。
ぽってりとした舘さんの唇は、柔らかくて、少し離してはまた、その感触を求めるようにキスを重ねた。
♥️「ふ …ん……ン、」
触れ合う唇の間から漏れる甘い吐息は、俺の頭を痺れさせる。
もっと深く…と、唇にそっと舌を這わせると、慌てて舘さんは制止した。
♥️「っ目黒!それは、ダメ」
🖤「…嫌?」
♥️「そうじゃなくて…」
不満気な顔を隠さない俺に、舘さんは俯きながら言葉を続ける
♥️「…ここじゃ、嫌だ」
♥️「玄関だし」
…ご尤も。
🖤「…ごめんなさい」
ついがっついてしまった自分に反省しつつ、抱きしめた腕を解こうとすると、逆にぎゅうっと背中を抱きしめられた。
🖤「え…舘さん?」
♥️「もう少し、このまま…」
…抱きしめるのはいいのか。
🖤「…キスはダメなのに?」
♥️「………変な、気持ちになるから、ここじゃ嫌なんだってば」
照れているのか、俺の肩に額を擦り付けて一層強く抱きしめられる。
顔は見えないけど、きっと、真っ赤になってるんだろうな。
♥️「…目黒ありがとう。…部屋、行こ」
そっと離れた舘さんは、ほわっとした笑顔を向けた。
思考止まるかわりに野生が出そう。
耐えてる俺を誰か褒めて欲しい。
温もりを失った胸の辺りはすぅっと冷えていくのに、内側から熱が吹き上がるような感覚に襲われる。
舘さんは、靴を綺麗に揃えて脱ぐと、慣れた足取りで奥の部屋へと歩みを進めた。
その背中を追うように、俺も後に続く。
部屋に入ると、荷物を置いて一息つく。
舘さんは、懐かしむように部屋を見渡して、変わってないねとか、これいいなとか物色している。
最後に舘さんがここを訪れたのは、三ヶ月ほど前だ。
🖤「舘さん」
後ろからそっと近づき、抱き寄せた。振り向いた舘さんの顎を掴み、キスをする。
♥️「ん…めぐ、ろ」
とろん、と目尻を下げるから、その艶っぽさに理性を失いかける。
🖤「舘さん、可愛い。すごく、いやらしい顔してる」
唇をわざと触れながら囁くと、熱い吐息を洩らす。
♥️「ば…っか…!可愛く、なんて…」
言いかけた言葉を遮るように口づける。
開きかけた唇に舌をねじ込み、半ば無理やりに深くキスをした。
♥️「んん…っん…
っふ、ぅ…」
力が抜けていく舘さんの体を腕で支えながら、熱い口内を侵すように舌を這わせる。
♥️「っは…ぅ…め、ぅろ…」
舘さんの舌を絡め取ると、少し強めに吸い付いた。
♥️「っッんんンーッ…!」
堪らず、声にならない声を上げ、崩れ落ちそうになるのを必死に堪えている。
支えている手で、舘さんの厚い胸板を弄ると、ビクンッと身を震わせた。
裾から手を入れ、素肌に触れると、一層身体が震えるのがわかる。
♥️「っやだ…!……っ
めぐ、ん…ッ!蓮!」
俺の理性はほとんど吹っ飛んでいたけど、急に名前を呼ばれて、我に返った。
🖤「…舘さん、今…なまぇ…」
言いかけた俺の口を、ぐいっと手で覆われる。
🖤「ン、ぐっ」
肩で息をしながら、潤んだ瞳で睨みつけられる。
この状況では、煽られてるようにしか見えないけど…
♥️「バッカやろ、落ち着け!もうっ!」
くるりと身体をこちらに向け、俺の両頬をぱちんと挟む。
舘さんの口元には、どちらのものともつかぬ唾液が、顎まで滴っていた。
♥️「そんなに、急かすなよ…」
🖤「…ごめん」
でも俺すごく我慢してたんだよ?なんて、心の中でしか言えないけど。
♥️「…っシャワーくらい、させて?」
顔を真っ赤にしながら、舘さんが言うもんだから、
🖤「…一緒に入r…♥️「順 • 番 • で !」
🖤「……はい」
このときの舘さんには、大人しく従うことしかできなかった。
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