《果たして愛されかどうか》🦖の活躍
※グロ表現 絶望から開始 生々しいかも
《ロウ》
……くそ、最悪だ、………全滅した
ウェンは吹き飛ばされて、俺は血だらけ…マナは足が動かねぇし
宇佐美は気失ってる、佐伯は…見えねぇけど音沙汰ねぇから
無理そうだな……るべは…あいつも血まみれかよ
ライは腕が上手く使えねぇし、他の奴らもほぼ再起不能だな
腕の骨が逝ってるやつも多いし、特にヤベェのはウェンだ
あいつは真正面から吹っ飛ばされて出血多量で4にかけてる
……動けりゃいいが生憎俺も足が機能しねぇんでね…
縁起わりぃこと言うけどさ…ここでみんな4にそうなんよな…w
ヤベェー……w視界ぼやけてんしさぁ、ほんと…さいあ、く…
《ウェン》
…痛い……、とにかく全身が痛い…
これ骨全部逝っちゃってんじゃない?てくらいにはやばい。
みんなも危ないみたい。ロウとるべやばいなー……w…。
…これ、僕しか望ないんじゃ……。テツに関してはデバイスを
壊されてるし、カゲツ……やべぇな。結構4にかけじゃん。
足と腕はやばいよ……。やるしかないかな…。これかなり危ないし。
…やりますかっ、正直痛い。でも骨折はしてない。打撲だけだし。
頭から血出てるのは事実だけど…まぁ、もう止まってるし。
なんとかなるかなって……、わかってるよ危ないって
痛い…逃げなきゃって思ってる、危険信号が出てる。でも、
引き下がれない。僕がヒーローである限り。大切な人がいる限り。
僕が動けばガララッと音を出して瓦礫が崩れた。
「っ、…、はぁっ……、ぅ、ぃった…」
でも、やらなきゃっ……!ぐっと軋む足に力を入れて立ち上がる。
正直クラクラするし、まともな思考回路はあんま無い。でも
やらないといけないから。僕は、立ち上がるんだ。
身体中の骨がみしみしと悲鳴をあげる。たとえ、それでも。
「…はぁ……、ひゅー、…」
肺がだいぶ危なくて4にかけかも。やば、息しにくい。でも。
強く拳を握りしめて、立ち上がれば剣をとるしかなくて。
「ふぅー…」1呼吸。肺が痛いが気にしてられない。僕は。
立つしかない。どんなに痛くても、どんなに怖くても。やらないと。
あんまり、みんなの前で使いたくないのに。嫌われたくないな、
でも。死んじゃったら意味ないし、ね。目を伏せて、ゆっくり息を
吐き出す。やろう。怖くないから。できるから。言い聞かせて
ゆっくり構える。これは、…僕が大嫌いなやつ。――狩り。
ドンッと言う音と共に一気に駆け出して間合いを詰める。
剣を振り回す。追い詰める。これが僕の狩り方。殺り方。
《イッテツ》
嘘だろ。今目の前でズタボロのはずのウェンくんが剣を振り回してる。
とんでもないスピードと集中力、眼力で決して獲物を逃がさないって
体に伝わってくる。普段の優しいウェンくんじゃない。
いや多分優しいからこうなってるんだろうけど。そうじゃなくて。
普段のウェンくんはもっとふわふわしてて、人を振り回す。
人を引っ張る力なんてない。でも、今の彼は違う。誰かを引っ張れる。
だって俺が動こうとしてるから。彼の姿を見て俺も何か
出来るんじゃって。勇気をくれる。彼の瞳はいつもよりも凶暴で、
でもその裏にある優しさを知ってるから。それもかっこよくて。
立ち上がって、仲間に駆け寄る。「大丈夫か」って呼びかけて、
移動させる。これが俺に出来ること。ロウくんが意識
あってびっくりした。彼もウェンくんに驚いたって。だってあんなに
4にかけなのに立ち上がって敵を倒すために動いてるから。そんなの
かっこいいに決まってるんだ。俺の瞳に映る彼は今1番かっこいい。
《マナ》
ん、どこやここ。あ、たしか…気ぃ失ってもうたんか……。?
あれはウェン…?なんやあいつボロボロやないか。止めな…
「いっ」ってぇ。なんや、足か…?くそ、瓦礫の下敷きかいな。
重たいし動けないな…。しかも…あいにく武器も壊れてるとか。最悪
、情けないなぁ…(笑)ごめんなウェン。任せるしか出来んわ。
とりあえずテツとロウがなんかしとるな。呼んでみるか?
いや、無理そうやな。声が上手く出せん。くそ。…なんも出来ん。
「あれ!?マナくん!!」
テツ気づいてくれたん。嬉しいな。
「デヅ…」
声ガラガラすぎて逆に笑えんしな。
「喋んなくていいよ」なんて優しいし。でも喋らな伝わらんやろ。
「がれぎ…どがじで」
「わかった」ほんまこういう時聞き分けいいんは助かる。
どかしたら足はかなり再起不能な感じ。まぁ、この世界には他にも
ヒーローがいる。つまり回復が使えるヒーローもいる。その人に
頼めばいい。だが問題は今はどうにも出来んてこと。ウェンの加勢も
出来ん。ヤバそうなのはるべとロウか?あの二人血だらけやし。
カゲツも危なそうやな。動けんは痛手すぎるなぁ。どないしよ。
《ウェン》
捕まらない。捕まえなきゃ。殺さなきゃ。殺らなきゃ。僕が。
消さなきゃ。こいつは、僕の獲物だから。殺さないと。捕まえないと。
「ねぇ、早く4んでよ、ねぇってば」
いかなきゃ。追いかけろ。限界まで追い詰めて、切って、撃って
息の根を止めないと。僕しか出来ない。切り替える?だめ。
まだ追い詰めれる。もっと。もっと。もっと。追い詰める。このまま。
壁。破壊するかな?しなかった、じゃあできる?殺す?いや。
もっと。追い込む。痛い目に合わせないと。恐怖を植え付けるために。
ぼくは、いつだって、かるがわだから。4ね。4ね。4ね。4ね。4ね。
「…さよなら」銃に切り替えて、照準を定めて。きえろ。撃つ。
見事に光線銃は、目の前の奴の眉間みたいな所を貫いた。奇声を
上げてぶっ倒れた。アドレナリンかな。僕もたってるなんてすごいや。
振り返らなきゃ。心配、してるよね。1呼吸。吐き出す。目を伏せて。
振り向いて。1番最初は。決まってるから。
「ふぅ―……終わったよ!」笑顔で優しく。壊れないように。
《ロウ》
ウェンは成し遂げた。あの過酷な状況から。冷静な判断ではなくとも。
守りきった。倒した。目の前のやつを。見たことがある。あの戦い方。
きっと。あれは。狩り。同じ狩り族だから分かる。肌で感じた。
獲物しか見ていないあの瞳は。殺すという強い意志がそこにあって、
なるもの。だから。怖くなる。大抵の人は。でも。俺たちは知ってる。
その裏にあったのはあいつの優しさだって。優しいから。強いから。
憎悪にまみれて狩りをした。敵を嬲り殺した。恐怖を植え付けた。
端まで追いかけ回して。壁に追い詰めて。最後には徹底的に潰す。
彼らしくあり、彼らしくない戦い方。きっと、彼は嫌うだろう。
こんな戦い方、彼は望んでない。いつもの殺り方がしたいのだろう。
俺が弱いからこうなった。もっと強くなろう。
《テツ》
ウェンくんはやりきった。どんな逆境でも諦めずに立って、
追い詰めて。勝った、振り返った時にはいつもの彼に。きっと、
彼は。泣きたいと思う。いつもよりも血まみれで、でも、悲しそうな
笑顔。見たこと無かった。辛そうで、どうにも出来ない自分に
腹が立つ。なんで、こんなに、優しいんだろう、
「テツ!」そんな笑顔で呼ばないでよ、泣いちゃうじゃん。
「ウェンぐぅぅん」泣いちゃった。
「うわぁ!テツ!?ちょっとぉなんで泣いてんのさ!」
「だっでぇぇぇ!!!!」なくに決まってんじゃん。
ウェンくん。本当にカッコよすぎるよ。永遠のヒーローだよ、
「がっごよがっだぁぁぁ!!!!!!」
あ、その顔は可愛い。あんなにかっこいいのにね。
「…えへへ、良かった!」
なにそれ。かわいい、優しすぎる。大好き。いいひとすぎる。
こんなんどうすんの。
《マナ》
あかん。動けん。抱きしめたい。褒めてやらな。あんなボロボロで、
でも戦いきったんや。俺が、俺だけでも。撫でてやらな。あいつの
頭、抱きしめて、褒めて。あいつの負担減らさなかんに。
「マナ」
嘘やろ。よって来よったわ。お人好しにも程があるやろ。
自分だって4にかけの癖して。人の事心配すんなや。たく。もう。
「ウェン」
いつの間にか声は治ってたみたい。寄ってきた。可愛い。
「ん?どうしたのマナ。」
引っ張ることになるけどええやろ。こんくらい。
「んぇ?わっ!えーっと、マナ…?」
ぎゅってしただけで大袈裟やなぁ。
「ウェン、よぉ頑張ったなぁ」褒めたらな。可哀想やろ。
あ、泣きそうな顔しとる。我慢せんでもええに。
「マナのばか……、」おわ、泣いてもうたか。グリグリしてきとるw
「馬鹿なのはどっちやろなぁ」お前も大概馬鹿や。他人のために
4にかけるなんてな。でも、お前らしい。
「ウェン、帰ろうや!報告書が待っとるでぇー!!」
俺だけでも明るくおろうかな!
「えー!?!?今言う!?!?」大袈裟なやつ。でもそれが似合っとる。
真剣になりすぎる必要無いねん。
「ウェン」「ん?」「ありがとうな!」「別にいいよ!!」さてと。
「大人しくしてますか!」「ねー!」救急隊が着くまであと10分弱。
それまでは少しくらい、穏やかに過ごしてもええやろ。
コメント
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初めまして、コメント失礼します。あまりにもお話が良すぎて思わず初コメントしてしまいました、主様の書かれる作品全て言葉も表現も大好きです( ; ; )、少しお話が変わってしまうのですがこちらのお話少し変えて絵で描かせて頂くことは可能でしょうか? あと主様のお名前を入れた上でXにて共有出来たらと思ってます。いつになるかは分かりませんが🥲ご検討頂けると幸いです、突然すみません