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君の彩で私を染めて

episode1 私の彩と夢








(ここは、何処)


水晶玉の、中だ。

この水晶玉、どこかで見たことがあるような…、

…思い出せない。

なんだか、考えることを制限されている気がする。

考えようとすると、頭が痛くなって。

脳に、鎖が絡まっているみたいに。


(…!?)


水晶玉の前に、人が歩いて来た。

10、15、20…

ざっと数えて、40人程度だろう。

__ッ

…声が、出ない。

(これは、夢なの…?)

水晶玉の前に立つ人の内の一人が、口を開いた。



「無能」



(…え…)


一人が口を開くと、周りの人間も釣られたように



「失敗作」


「気持ち悪い」


「もう来なければいいのに」



(…やめて)

(分かってるから)

(もう痛いほど理解してるから、言わないで…ッ)


深呼吸して。



耳を塞いで。



目を閉じて。



これが夢なら、早く覚めることを願って。













「…ぁ……」

…やっぱり、夢だったんだ。

良かった、のかな。



透明な眼。


毛根から毛先まで白い髪の毛。


女とも男とも区別がつかない声。


「貴方の彩は、“透明”です。“無彩”とも言えるでしょう。」

「言い方を変えれば、なんでも出来ると言えますね。」

「…まあ、可能性が0とも言えるでしょう」


彩使いとは無縁の家系に生まれて。

彩使いと無縁な家系は、彩使いが生まれないって言い伝えられてきた。

なのに、私は彩使いとして生まれて。

なのに、私の彩は透明で、無彩で。

ずっと、ずっと“要らない”って言われて。


最初は分からなかった。

言葉の意味も、自分自身の彩の意味も。

最近になって、自分の彩の意味が分かった。


価値がなくて、なにも出来なくて。

ただのおじゃま虫ってことに気づいて。


だけど、私には叶えたい夢があって。

どれだけ邪魔な存在でも、叶えたい夢があって。

その夢を叶えるために、どれだけ辛い思いをしても叶えるって決めて。

だから、今私は生きてる。



(どれだけ夢を踏みにじられても、どれだけ存在を否定されようと)

「私は、生きることを辞めない」

<君の彩で私を染めて>

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コメント

4

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やっ…最高やばい好き

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