テラーノベル
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強引に退店させられた僕は少し腹が立ってツンとしたように聞いた。
MK「っ…なんで行かなかったの、」
WZ「……」
ヒョンは車に乗りこみ外を見つめる。
何も言わない。
顔が見えないのに分かる。
なんで悲しそうな顔してるの、ヒョン。
それじゃ責められないじゃん。
僕も釣られて悲しくなる。
そんな時ヒョンがポツリと僕に聞く。
WZ「…行った方が良かったよな、」
悪い、と少し掠れた声で僕に言う。
ヒョンだって精一杯なのだ。
クプスヒョンは僕たちを知らなかった。
純粋無垢な笑顔で僕たちをただの客として扱っていたもの。
僕だって悲しかった。
現実から逃げたい。
クプスヒョンにどうして知らないフリするの、と純粋無垢な顔で聞きたい。
でもここで1歩踏み出さなきゃ。
頑張れミンギュ、と心で自分を奮い立たせてヒョンに言った。
MK「じゃあ1時間後にまた行こう。」
WZ「…」
WZ「あぁ、」
まさか今日行くと思っていなかったのか1つ間が空く。
・
・
・
1時間カフェの辺りを散策した後カフェに行く。
もうカフェは閉店まで1時間である。
僕はこの時間に敢えて来た。
なんと言っても、僕には少し考えがあるのだ。
もう一度駐車場に車を停め、1度目より重いドアを開ける。
2人の心情に似合わず、カランカランッと軽快なドアの鈴の音がなる。
入店すると老夫婦1組以外お客さんはいないみたいだ。
ドアの方をチラリとみたクプスヒョンはあっ!っとした顔でこちらに近づく。
近づいてきたとわかるとウジヒョンが僕の袖をギュッと握る。
ここは僕が引っ張る番だ。
クプスヒョンがこちらに来て明るく喋ってくれる。
SC「昼間の!!」
SC「お待ちしておりました!お席ご案内いたします!」
日当たりのいい1番席が空いてるんですよ〜と無邪気に案内してくれる。
ヒョンはここにいた方が幸せかも知れない、そう思う程楽しそうだった。
S. COUPSではなくただのチェ・スンチョル。
その人生はこんなにも温かみがあるのだから。
そんな小説のような文言を頭に浮かべるとクプスヒョンが話しかける。
SC「ご注文が決まりましたら___」
WZ「チェリーのパンケーキ2つとコーヒー2つ、お願いします」
SC「あぁ…かしこまりました!」
言葉を遮って淡々とヒョンが注文したためクプスヒョンは戸惑う。
その後すぐふっと柔らかい笑みになり厨房にもどる。
WZ「それでいいだろ?」
MK「…あぁ、うん」
MK「ねぇヒョン、」
WZ「なんだ?」
MK「この店が終わってクプスヒョンと話さない?」
そう、僕の考えとはこのこと。
クプスヒョンと話し、少しでもクプスヒョンとチェ・スンチョルを繋げたい。
WZ「…そうするか」
おっ、思ったよりもあっさり行けたな、そんなことを思った矢先疑問が浮かぶ。
そういえば僕があの謎の空間で目の前が真っ暗だった間ヒョンは何を聞いたんだろう。
確か…あのままの状態だとか、確証だとか、聞いてないことを口にしていた。
思い切ってチェリーのパンケーキを待つ間に聞いてみる。
MK「ねぇ、ヒョン」
WZ「なに?」
MK「ヒョンってあの空間でなんの説明聞いたの?」
WZ「…お前本当にずっと話聞いてなかったんだな」
呆れたようなヒョンの言い方がグサッと刺さる。
ギクッとした顔でもしていたのかヒョンは少し笑みを零す。
WZ「…まぁいい」
WZ「それで内容は___」
まとめると…
1.この世界線ではSEVENTEENの存在自体ない。
2.僕ら2人以外のメンバーはここまで何も知らず生きてきている。
3.でも生まれた時からCDが1枚ある。
4.期限は3年。
5.それまでに13人揃えば元の世界に事故が起きないように戻してやる。
6.その後も幸せに暮らせる確証も与える。
MK「…意味、分かる?」
WZ「分からない、だから怒ってたんだよ、あの時」
MK「あっ、そうだよね」
あぁ〜もう!ぜんっぜん分かんない!!
そう叫んでしまいそうだった。
SEVENTEENの存在がない世界線でSEVENTEENのメンバーを集められたら元の世界に戻す?
なにそれ、出来るわけないじゃん。
っていうか神様だって何のためにそんなことするの。
そんなことをグチグチ考えていたらふわっと甘酸っぱい香りと共にクプスヒョンが来る。
SC「お待たせいたしました〜」
SC「こちらチェリーのパンケーキです!」
WZ「うわっ…うまそ…」
思わずボソッとウジヒョンが呟く。
相変わらずご飯好きだな〜と微笑ましく思う。
コーヒーも運ばれてくる。
以上で__と話すクプスヒョンの言葉を遮って僕は話しかける。
MK「あのっ…閉店の後少しお話いいですか、?」
SC「へっ…?」
SC「えぇっと…」
SC「ちょ、ちょっとだけ待っていてください…」
慌てて厨房に駆け込むクプスヒョン。
怪しかったか?
いや、でも正直自分でも怪しいと思う。
男二人がチェリーが看板のカフェに来て、ずっと深刻そうな顔をしていると思ったら後でお話いいですか?と聞いてくる。
不審者に思われるだろう。
どうしよう、とした顔をしているとパンケーキをもう3分の1程食べたヒョンが話しかけてくる。
WZ「おい、これめっちゃ美味いぞ」
WZ「早く食べろよ、」
そう言ってまた大きく頬張りうまっ…と声を漏らす。
ヒョン、それどころじゃないんだよ僕は。
ヒョンに少し呆れつつ考えているとクプスヒョンが戻ってきた。
SC「あの…」
SC「話って何の話ですか…?」
心配そうに眉を八の字にしたヒョンが聞いてくる。
そんなヒョンを頬っぺたをパンパンにしたウジヒョンがきゅるっと見つめる。
MK「えぇっとそれは…」
MK「…CD、というか」
SC「CD?」
予想外だったのかポカーンっとした顔で僕を見つめる。
生まれた時からあるCDついて聞きたい、と正直に言うとヒョンは…
えっ、なんで知ってるんですか!?と大きな目をさらに見開く。
MK「それも言うので、後でお話できませんか?」
WZ「お願いします…」
さっきまで美味しそうにパンケーキを食べていたヒョンも真面目な顔で頭を下げる。
僕も頭を下げてお願いした。
流石にクプスヒョンも困ったのか慌てた声で僕らを起こす。
SC「わっ、分かりましたからっ…!」
SC「頭あげてください、」
WZ「ほんとっすか…!」
ウジヒョンが嬉しそうな顔でクプスヒョンを見上げる。
僕も嬉しくなって思わずありがとうございます!と手を握る。
SC「もうお客さん来ないと思うので今から店閉めてきますね、」
MK「え、いいんですか?」
SC「ええ。」
落ち着いた声でごゆっくり、と店を閉めに行ったヒョンは少しクプスヒョンに重なる。
クプスヒョンの言う通りゆっくりチェリーのパンケーキとコーヒーを平らげた。
食べ終わりウジヒョンがこちらのソファに移ってくる。
それからさっきまでウジヒョンがいた場所へクプスヒョンが座る。
SC「…それで、お話って?」
MK「スンチョルさん…?ですよね、 」
SC「えっ、なんで知ってるんですか…」
少し怯え気味に返ってきた答えに申し訳なくなる。
落ち着いて一から聞いてみる。
WZ「あの、生まれた時からずっとあるCDの名前って…なんですか、」
SC「……」
SC「Circles、です」
MK「えっ、」
驚いて思わず声が出る。
SEVENTEENそのままの曲なの?
そこからダダダッっとクプスヒョンの方から質問が来る。
なんで知ってるの?この曲知ってるの?
僕の名前だってなんで知ってるの?あなた達は一体誰?
MK「ちょ…ちょっとクプスヒョン落ち着いてよ…!」
WZ「おいっ……」
MK「あっ…」
しまったと思って口を紡いだ時にはもう遅かった。
クプスヒョン、そう口から出ていた。
ウジヒョンもポカンっとこちらを見ている。
SC「クプスヒョン?誰ですか?」
SC「…人違いでは無さそうですけど…どういう、」
WZ「なぁ、ミンギュ」
WZ「もう大人しく言おう。」
冷静にヒョンに宥められそうだね、と答える。
それからふぅっと一呼吸置いたウジヒョンが話し始める。
WZ「あなたは元々僕たちと一緒にアイドルしてたんですよ。」
SC「………」
SC「…はっ、?」
SC「あっ、すみません…は?とか…」
SC「でっ、でも……どういう…」
SC「だって僕ずっとさくらんぼ農家で…それでカフェも…… 」
困惑したクプスヒョンは異空間にいた時の僕みたいに喋り続ける。
ウジヒョンは一切表情を変えず淡々と説明する。
WZ「この世界線じゃなくて、」
WZ「1度、事故にあってメンバーみんな死んじゃって。」
WZ「もちろん僕らも。それでチャンスを与えられたんです。」
WZ「3年以内にアイドルじゃない世界線のメンバーを集められたら元に戻すって」
冷静なウジヒョンの説明の間も戸惑ってクプスヒョンはあわあわしている。
僕だって分からなかった。
今だって受け止められているのか分からない。
WZ「そのCDだって僕たちの曲なんですよ。」
SC「え…… 」
半信半疑のクプスヒョンにウジヒョン1小節歌う。
そうするとはっとした顔でそれ、それです!と驚く。
WZ「…とにかく、あなたが必要なんです。」
MK「クプスヒョン…」
SC「そのクプスって名前も…僕の?」
MK「芸名です、」
MK「S. COUPS……」
SC「っ……!?」
急にクプスヒョンが頭を抑える。
大丈夫?ウジヒョンとずっと背中をさする。
少しして落ち着いて顔を上げたクプスヒョンは涙を流していた。
WZ「…大丈夫?ヒョン、」
MK「クプスヒョン…?どうしたの、 」
SC「ウジ……ミンギュ……」
えっ、今なんて?ヒョン。
もう一度言って。聞き間違いかもしれない。
ヒョン。
WZ「…思い出したの…?」
SC「あぁ……えっと、 」
SC「大体はな……」
SC「だとしたら……」
SC「この俺は一体誰なんだ…」
MK「ひょん…っ…!」
わけもわからず嬉しくて、いつもの調子のクプスヒョンがただ嬉しくてクプスヒョンにガバッと抱きつく。
突然抱きつかれたヒョンはおわっ、と声を上げソファに倒れ込む。
ウジヒョンを見ると静かに泣いている。
嬉しいね、ウジヒョン。
にこにこして笑い泣きしている僕をヒョンは押して起こす。
SC「お前…っ、びっくりするだろ、」
SC「痛いし…」
MK「へへっ……ごめんねヒョン」
ずるっと鼻水を吸って笑って答える。
WZ「ヒョン、一緒に他のメンバーも探してくれますか?」
もちろん、そう返ってくるものだろうと思っていた僕には想像もしない言葉が返ってきた。
SC「……でも、このカフェや農園を置いていくわけには…」
MK「えっ……ヒョン、 」
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