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#へたりあ
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・政治的な意図は全くありません
・とにかく長くいです
・キャラ崩壊注意
・中の人はとにかく初心者。大目に見てくれるとうれしいです
・リクエスト受け付けてます!
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「ドイツ連邦共和国だ。よろしく頼む」
冷徹な声、光のない目、口調…怖いと思う部分しかない。
『僕はフランス共和国。よろしくね、西ドイツ! 』
無理やり笑顔を作る。戦勝国が敗戦国を怖がるわけにいかない、言ってしまえば怖がられないといけないから。
欧州は、二度の大戦を味わうことになった。…全部コイツの先祖絡み。そして、二度僕と戦っていることになる。
正直嫌いだ、ドイツという存在、あの地に存在するものが。 むしろ嫌わないほうがおかしいとも思う。
それでも、国際社会は“仲良し“を強制したがる。
戦いました、勝負がつきました、仲良く暮らしましたとさ、なんて都合のいい物語が存在する訳がないんだ。
『君に仕事を振りたいんだけど 、ちょっと周りよりも多くなっちゃうかもしれないんだ…』
許されないことは分かっているのに。
***
僕がどれだけ“ちょっと多い仕事“を押し付けても、ドイツは表情一つ崩さないまま季節が過ぎていった。
このままの距離で十分なのに、世界はそれを許してくれない。
『ECSC…』
ヨーロッパ石炭鋼鉄共同体。
簡単に言えば、欧州の一部の国が石油と鋼鉄を共同管理するってだけ。
発足した理由として、“フランスとドイツを協力させて戦争を防ぐ“というものがあるらしい。つまり、僕たちを仲良くさせたいってわけだ。
「…その仕事が目の前にあるだろう」
『、ただ呟いただけ、特に意味はないよ』
何故こんなに近い距離で仕事をしなければならないのか。仲良くさせたいとはいえ、デスクまで隣とか本当に意味が分からない。
「…そうか」
気まずい。
居づらくなったのか、視界の片隅で席を立つのが見える。
その瞬間、ドンッと鈍い音がした。
『だ、大丈夫?』
「…別に、転んだだけだ」
久しぶりに目が合う。が、焦点は僕に定まっていない。じーっと見ると、さらに隈が目立つ。
何故か僕があたふたしていると、眉間にシワを寄せながら出ていってしまった。
『なんで…』
なんであれから仕事が進まないのか。
難しい仕事は基本押し付けているので、単純な仕事しかしていないはずなのにペンを持つ左手が動かない。
大体、帰ってきたとして、なんて声を掛けたらいいのだろうか。
この出来事の80パーセントが僕のせいだとしたら、何を言っても無責任すぎる。
大丈夫?だとか心配した、だとか、僕がアイツの立場だったら確定で殴ってると思う。
贈り物、では全くないけど、そういうものは“自分がどうされたいか“で決めるといいと聞いたことがある。
『どうしよ…』
かれこれ五分、くだらないことで葛藤していた。
ガチャ、とドアが音を立てる。
『ごめん』
僕が謝るところなんてドイツはあと何回見るのだろうか。随分とレアなことだと思うから、是非とも五感に焼き付けてほしい。
「は…?ど、どうしたんだ急に」
『僕の気が変わった…いや、無理させてしまったことが悪いなって』
口があまりに勝手なことを言い過ぎるので、気持ちだけでも反抗しておく。…普通逆か。
「フランスのせいじゃない、それに無理をしている自覚もないぞ …
自信を持っては言えないが」
やっぱり言えないかもしれない、と目を泳がせて付け足す。
弱いものを見ると、守りたくなるのが性だと心理学者は言っていた。
『ホットミルク買ってきたから飲む? あ、スティックシュガーも貰ってきたけど…。』
スティックシュガーを見せると、光のない目に生気が宿った気がする。
…今ならいけるかも。
『それとさ、厚かましいかもしれないけど仲直りのハグ、とか、どうですか… 』
そう言って僕が両手を広げると、お互いに固まる。
絶対要らなかったな、これ。
後悔しても時すでに遅し。あー、明日からどうしよ。笑い話で済む…?
『あ、どっちも全然断っていいから!!ホットミルクは吐き気とかあったら飲まない方がいいし!』
「飲むぞ、砂糖を入れてくれれば。…二本」
『に、二本?』
「それと…」
『、それと?』
「ハ、グ、だってそんなに頼まれたら、断りづらい」
『え』
「ただ、俺からするのは気が引けるんだが…」
腕を回すと、異常なほどの温かさを感じた。
end
〜数十年後、酒の席にて…〜
「今だから言えるんだが、あれ本当に転んだだけだったんだよな…」
『はぁぁぁ!?』