この作品はいかがでしたか?
6
この作品はいかがでしたか?
6
初めまして御機嫌よう!
私は名も無き作家、言うなれば、物語の創造主に等しい者さ。私の子からしてみれば、神に値する者とも言えるね。
さてさて本題に入ろうじゃないか。
私は実は『魔法使い』と呼ばれる者でね。とは言っても使える魔法は一つしかない。それは『本に書いた世界を実在させる魔法』。私が書いた物語は別世界として存在するし、彼らが認識しないだけで、私は彼らの生みの親なわけだね。そういうわけで、私の子達の紹介をさせてくれ。
名前を出すのはプライバシーだね、伏せておくよ。一人目は私と同じ魔法使いの少女。大人びてるくせに、精神的には子供のままな魔法使い。魔法使いとしてはとても優秀だけど、人間関係に難アリだね。誰も彼女のことを理解していないし、もちろん彼女も彼女のことを理解していない。彼女はとても可愛らしくて、沢山の人に囲まれてるけど、愛情に満足しているわけじゃない。でも安心して欲しい。彼女は大切なものを失って、ようやく愛情が分かるから。
二人目は感情に疎い騎士様を目指す男の子。騎士道から外れたことをしたくせに、騎士を目指す学生さん。彼は過去に悪事を沢山働いた。もちろん彼の意思じゃないよ?でも、とても許されることじゃないよね。だけど彼は、それでも騎士という明るい道を目指す。その道が茨の道であっても、たとえ道がなくても突き進む。それが彼だ。
三人目は貴族の少女。本当は誰より誰かを頼りたいくせに、誰も頼らない孤高の少女。彼女の目はよく澱んでいて、少女に似つかない。ずっとずっと謎を追い求めて、時には不安に追われて、ひとりぼっちで歩き回る。大切な物も自分で壊して、信じていた者に裏切られて、最後に頼れるのは誰か分からない。きっと彼女は永遠に閉じこもることになるだろうね。
最後に紹介するのは、自分の性とは逆の道を歩んだ少年。その行為自体が苦しいくせに、それを続ける愚かな少年。彼はとても美しい。老若男女問わず皆彼を美しいと思うだろうね。だけど彼は既に汚れているし、美しい花とは呼べたものでは無い。愚かな少年がこの愚かな道を歩き続けた結果、道は暗黒へと呑まれることになるけどね。
まぁ私が紹介できるのはこの子達ぐらいだね。え?なんて悪趣味なんだ?君たちだってこれを見て楽しんでる癖に、そんな言われよう、される筋合いないね。ふふっ、でも面白いよね。
結局私も物語上の存在であって、私が今紹介した者たちと一緒。誰かがこの世界をビリビリに破いてしまえば、消えてしまう存在。
それでも私は今日を生きる。
だって世界は
それでも世界は美しいのだから。
コメント
14件
今回もめちゃくちゃ良かったよ!!!! へぇー…!そんな色々な物語を作ってる 魔法使いなのね!!!! 魔法使いだって、彼女が書いた物語だって 全てはフィクション… 破いてしまえば終わってしまう…。 最後の創作の話、海と同じね!!!(?) 結局は水だから溺れるし凄く多いから 一番底には足を付けれない(?) それでも海は川より 別の方向性で綺麗なんだよねぇ… 次回も楽しみに待ってるね!!!!
おぁ………こういう心理着いちゃった系のキャラすき