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#あべさく
めかぶぷりん
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No side
「なぁ、お前阿部ってやつ知ってる?」
「ああ、あのなんかめっちゃ強い奴だろ?会ったことねえけど」
「あいつ、10人一気に片付けたこともあるらしいぞ」
「まじか、やば……」
真夜中、薄汚い路地裏に集まった数人の男たちが話をしていた。
煙草の煙が、ゆっくりと宙に溶ける。
笑いながらも、その男たちの声には明らかな警戒が混じっていた。
「俺のダチがこの間その阿部ってやつにボコボコにされたんだ。」
「その時も6対1とかだろ?」
「あぁ。」
「やべえな。俺も勝てる気しねえ」
「……でもよ」
一人が、低く言う。
「今のうちに潰しとかねえと、後々面倒になる。そうだろ?」
その言葉に、場の空気が少しだけ変わる。
「俺達であいつを始末してやろうぜ。そうしたら俺達の権力も―――」
「馬鹿言うな」
すぐに、別の男が遮る。
「俺等が敵う相手じゃねえよ」
その声には、はっきりとした“恐れ”があった。
実力差を理解していた。
「はっ、わかってらぁそんなこと」
男はにやりと気味の悪い笑みを浮かべる。
「だから、“人質”をとるんだよ」
「……人質?」
「あぁ」
ゆっくりと、言葉を続ける。
「阿部、最近よく一緒にいる奴がいるらしい」
「…あぁ、なんか聞いたな」
「あの、目が見えないちっこいやつか?」
「ああ、それそれ」
笑い声が、じわりと広がる。
「どうやら、そいつのことかなり気に入ってるみてぇでよ」
「へぇ……」
興味を持ったような声。
「つまりだ」
「そいつを人質にすりゃ…」
間を置いて、にやりと笑う。
「どんなバケモンでも、大人しくなるってわけだ」
「……なるほどな」
「いい作戦じゃねえか」
賛同の声が、いくつも重なる。
「場所は割れてんのか?」
「だいたいの行動範囲はな」
「じゃあ、タイミング見て攫うだけだな」
いつもの仕事と同じように軽く言う。
「……抵抗されたら?」
「はっ」
短く笑う。
「目見えねえ奴だぞ?しかもチビだし」
その一言で、全員が納得する。
「余裕だろ」
誰かが呟く。
その軽さが、余計に残酷だった。
「決まりだな」
煙草を踏み消す音。
「阿部を潰すための、“餌”にする」
その標的が
どれだけ無防備で、どれだけ無力かなんて、
考えるまでもなかった。
そして
その計画が、静かに動き出していることを、
阿部は知る余地もなかった。
コメント
2件
不穏な気配がしてきた……:( ´꒳`;) どうなっちゃうんだろう、、、
ふみさん、第11話読みました。 阿部さんを狙う連中の会話だけで、じわじわと怖くなっていきました。あの「目が見えないちっこいやつ」を“餌”にするって軽く言い放つシーン、ゾッとしました。無防備な存在を人質にしようとする外道さが凄く伝わってきて……。阿部さんがこの計画を知らないラストカットも、次の展開が気になって仕方ないです。続き、楽しみにしていますね。