チクタクチクタクカチッ
蒸し暑い部屋の中、おばあちゃんの家の時計が規則正しく時を刻む。
いつもはこの規則正しく時を刻む時計の音がうるさくて好きではなかったけど、今はなぜか心地よく聞こえる。
変なの。私こんな性格だっけ?
あぁやめやめ。
漫画でも読んで気を紛らわせよう。
結愛「はぁ〜」
おばあちゃん「結愛ちゃん?どうかしたのかい?悩み事だったらおばあちゃんに話してみなさい」
結愛「う…..ん…..」
おばあちゃんの心地の良い声が更に胸をきゅ〜うっと苦しくさせる。
結愛「大丈夫だよ。おばあちゃんニコッ」
私は、おばあちゃんに心配をかけないように微笑んだ。
結愛「私、散歩してくるね」
おばあちゃん「そうかい。熱中症にならんように気つけなさいよ。」
結愛「うん」
私は、逃げるようにカメラを持って部屋を後にした。
周りを見渡すと海や山が見える。
夏休み中は、よくおばあちゃんの家に遊びに行く。
結愛「暑い……」
私は、暑いのは少し苦手。
だけど時々ふわっと頬に触れる風が心地よいから好き。
都会の友達が言っていた田舎は、虫が出るしコンビニも歩いて行くとなると一時間以上はかかるし、それにクーラーがないし遊ぶところがないから嫌いなんだって
だけど、田舎には都会にないいいところがたくさんあるから私は好き。
夜に外に出て空を見上げてみると星が綺麗に見えるし、遊ぶところがなくてもカメラを持って外を散歩してれば飽きないし、毎日少しずつ景色の見え方だって変わるよ。
だって私毎年来た時に外に出て同じところを歩いていても飽きないんだもん。
今日は、どこに行こうかな
そういえば前おばあちゃんから教えてもらったところに行こう。
結愛「わぁ〜綺麗」
そこには、どこまで続くひまわり畑があった。
ガサッ
結愛「なんの音?」
『あっ』
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