テラーノベル
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夜。撮影が終わったあと、こさめは黒塗りの車に乗せられていた。運転席のなつは無言。
助手席には、無骨なスーツの男が座っている。
🎼☔️「……ねぇ、なつくん。今日は……どこに行くの?」
🎼🍍「黙ってろ」
短く冷たい声。
いつもは“マネージャー”として振る舞うなつの、それとは違う顔。
こさめの胸がざわつく。
車は繁華街を抜け、裏通りへと入っていった。
人気のない倉庫街で停まると、なつはこさめの手首をつかんだ。
🎼☔️「なつくん、痛い……っ」
🎼🍍「黙れ。俺の“世界”を見せてやる」
扉を開けると、中には武装した男たちがずらりと並んでいた。
誰もが一斉に頭を下げる。
「若頭……!」
🎼☔️「……っ!」
圧倒的な光景。
こさめはようやく気づく。
――なつは本当に、裏社会を支配する存在なんだ。
🎼🍍「見たか。これが俺だ。表じゃお前のマネージャー、でも裏じゃ百人を動かす若頭だ」
🎼☔️「……」
🎼🍍「こさめ。お前は俺のアイドルで……同時に、俺のものだろ?」
問いかけというより、宣告のような言葉。
けれど、こさめは小さく首を振った。
🎼☔️「……ちがうよ。こさめは、なつくんの“所有物”じゃない。
でも……“好きな人”でいたいって思ってる」
🎼🍍「……!」
ざわめく空気のなか、こさめの声だけが澄んで響いた。
怯えながらも、必死に絞り出す言葉。
🎼☔️「なつくんがどんな顔してても、こさめは――“なつくん”が好きなんだ」
一瞬、沈黙。
男たちのざわめきが消え、なつの目が細められる。
🎼🍍「……バカ。そんなこと言われたら……俺だって、逃げられねぇだろ」
掴んでいた手を緩め、そっとその肩を抱き寄せた。
檻の中に閉じ込めておきたいほど大事で――けれど同時に、壊れるほど愛しい。
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