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「……ん?」
明るい世界…天井が白い、さっきの場所じゃない…
「あれ…?俺は…なにを?」
「あ、起きた?」
見知らぬ人が話しかけてくる
「えっ…と、どなたですか…?」
「あ〜、ごめんごめん」
「俺は黒糸ノア(くろいとのあ)クロノアとでも呼んで」
「えっと…俺は…院戸ぺい(いんとぺい)です、ぺいんとって呼んでください 」
「………」
「………」
「あっ、え〜っとここはiskの施設内で、俺達の部屋」
まだ頭が回らないけど、この人は味方…だよな?
「えっと、俺を助けてくれたんですか?」
「あ〜…う〜んと、そうだね」
なんだか悩ましげな表情をしている
「…ぶっちゃけると、最初から見てたの、」
「えっ…?」
「なんで助けてくれなかったの?って顔してるね」
クロノアさんは申し訳なさそうな顔をしている
「上からの指示で死にかけるまで助けちゃいけなくてさ…」
「それと…今日iskの集まりがあるから移動しなきゃいけないんだけど…」
「今から歩ける?」
「えっ、あっ、はい」
「おっけ、ゆっくり立って」
俺はゆっくりクロノアさんの手をとって立ち上がった
「あの…これどこ向かってるんですか?」
しばらく歩いたところでどこに向かっているかを聞いていなかったことに気づく
「えっと、今年は新入りに向けて授業があってさ、教室に向かってるよ」
「授業…なんか学校みたいですね」
「ん〜、まあでも年に3回ぐらいしかないし…内容もあんまり面白くないし…」
「…そうだ、クロノアさんっていつからここにいます?」
「いつからかぁ〜…」
クロノアさんは少し考えたあと
「3〜4年前からぐらい?」
と言った
「へぇ〜、じゃあ、クロノアさん今何歳ですか?」
「22歳ぐらいかな、」
ということはクロノアさんは大学生なのだろうか
「ぺいんとは?」
「俺は17です」
「じゃあ高2?」
「あっ、そうです」
「へぇ〜…」
しばらくそんな話をして、教室についた
「着いた、ここだよ」
「じゃあ俺は外で待ってるからね」
「はい、ありがとうございました」
なんか緊張する、一学期初めて教室のドアを開ける時みたいな
…ガラガラ
「うわ…」
人がすごい居る、中学、高校の教室というより大学の講義室みたいな感じだ
…適当に空いてる席に座ってみた、
「なんか…暇だな」
いつから授業とやらは始まるのだろうか ?
そんな事を思っていると、iskの職員らしき人が入ってきた。
「異形生物駆除組織iskにようこそ、皆さん」
「これから皆さんには2人1組で分かれてもらい、とある
検査を受けてもらいます」
「2人1組かぁ…」
…この教室にいる人たちに知り合いとかいないかな?
「それでは自由に組んでください」
「え〜…どうしよっかな…」
「ねぇ!俺と組もうよ」
後ろから聞こえたハツラツとした声にびっくりした
「うわっ!」
「ごめんごめんw」
彼はとてもにこにこしながら喋ってきた
「え…逆に俺でいいんですか?」
「いいよ、俺友達少ないし」
こんなに初対面の人に話しかけられる人に友達が居ないとは考えられないな…
「隣どうぞ」
「ありがと」
「そうだ、名前は?」
「俺は稲荷虎造(いなりとらぞう)トラゾーって呼んで」
「俺は院戸ぺい、ぺいんとって呼んで、」
「…皆さん、ペアは出来たでしょうか」
辺りを見回すと皆2人1組のペアが出来ていた
「では、これから検査の説明を行います」
「この検査は、皆さんの才能が何であるかを調べる検査です」
「まず、配られた薬を飲んでもらい、その後どのような変化が身体に起こるか、というのをお互いに観測してもらいます」
気付くと、机の上には2つの黒い液体が置いてあった
「薬って…これのこと?」
「そうじゃない?ヤバい見た目だけど」
「そして、どのような変化が起こるか分からないため、
しばらくペアで談笑でもしていてください、5分経って
何も変化が起きなかったら、机の上にあるチェックシートを試してみてください」
「では、薬を飲んでください」
「………」
「………」
お互い飲む気が起きず、しばらく見つめ合った
「…やるか」
トラゾーがそう言い、ぐいっと液体を飲み干した
それに続き、俺も飲んだ
「「まっず!!!」 」
あり得ないほど苦い…そして…なんだこの味…鉄分とか、
そこら辺の味がする…
「なにこれクソまずいんだけど…」
やっぱり皆感想は同じなようで、教室のあちらこちらからそんな声が聞こえる
「…うぇ〜口ゆすぎたい…」
思わずそう言ってしまうぐらいまずい…
「それで…なんだっけ…何すればいいんだっけ?」
味に気を取られて、次の指示を忘れていた
「え〜…談笑!談笑しよう!」
トラゾーは、そうそれ!と言って、何から話そうかと考えているようだった
「ま、まずは自己紹介だよね」
トラゾーがそう言い、胸の手を組んだ
「俺はトラゾー、高校2年生、趣味はサッカーで、 得意
教科は社会!特に歴史かな〜」
「へぇ〜高2なんだ!」
「ぺいんとは?」
「同じ、高2だよ」
「お〜!」
やっぱり同い年だと親近感が湧く、
「俺はゲームとかかな〜、得意教科は特に無いかも。」
「へぇ〜!ぺいんと絵とか上手そう」
「それ名前からだろ!別に上手くねぇから!」
「へぇ〜w 」
「キャー!!!!!」
「えっ!?」
「なに!?」
突然教室の前の方から悲鳴が上がった
悲鳴の方を見ると、一人の女の子が気を失っているようだった、
「この子私と同じペアだったんですけど…急に気を失って…」
「…そうか、」
「とりあえず君は私に付いて来なさい、」
職員と女の子が退室し、しばらくして、職員が帰ってきた。
「…彼女は才能が出たようです、皆さんも変化が出たら
私に言ってください」
そう職員が言い、気絶した方の女の子を抱え、また退室していった
「………」
「………」
「…あんな風に出るんだね、才能って」
「ね〜」
その後、ぽつぼつと人がまた1人、また1人と教室から出ていき、大体残った人が半分くらいになった頃、
5分が経過した
「…〜やっぱり朝はパンだろ!」
「残った皆さん、5分が経ちましたので机の上のチェックシートの項目を試してみてください」
「…え〜と、チェックシート…チェックシート…」
「これ?これだわ!」
トラゾーが机に掛けられていたチェックシートを取り出した
「え〜と、なになに?」
その1
相手の目を10秒間ほど見つめる
才能の中には相手の目を見つめることで発動する場合がある。
例 10秒見つめると相手の意識を奪う など
「やってみる?」
「まぁ、うん」
「1」
「2」
…じーーーー
「5 」
「6」
…じーーーー
「8」
「9」
「10!」
「………」
「………」
「どう?なんか起こった?」
「…いや?何も」
「ただ10秒間見つめ合っただけだった…」
「う〜ん…意外と才能って出ないんだな…」
トラゾーが腕を組んで目をつぶりながらぼやいている
「ま、次のやつやろ」
「そだね〜」
そうしてトラゾーがチェックシートを取った瞬間…
バキッ!
「は?」
「え?」
チェックシートが粉々に砕けた…