💚サイド
高校一年生、夏。
病院の屋上へと向かう階段。
自分の頭の中はさっきの先生の言葉でいっぱいだった。
『…亮平くん、君は持ってあと一年です。』
覚悟はしていた。
もともと体は弱いし病気だし。
でもいざそう言われるとショックを受けてしまうもの。
この際このまま屋上から飛び降りてしまうのもありかもしれない。
苦しんでしぬより、あの高さから飛び降りて即死。
そっちのほうが楽な気がする。
そんなことを考えながら屋上へと向かった。
すると、
屋上のフェンスを超えて今にも飛び 降りそうな男の人が1人。
こっちの方を見ている。
ここで止めるのが普通だろう。
でも自分も今、同じことをしようとしていた手前、止めるのは違う気がする。
?「え…なんで…。」
?「なんで、俺のこと止めないんですか…?」
💚「どうせ止めたところで100年もしたらどうせ君はこの世からはいなくなってるでしょ?」
💚「遅かれ早かれ人はいつか死ねの。」
💚「それに僕たちには生きる権利はあるけど義務ではないから。」
バカなことするなとか、そんなこと言っても逆に腹が立ってしにたくなるだけでしょ。
🖤「…俺、目黒蓮って言います。あなたは…?」
すると自分の名前を聞いてきた。
目黒蓮くん…。
どこかで聞いたことあるような…?
💚「あ…僕?僕は…」
💚「阿部亮平、一応高校一年生。」
高校に入学したは良いものの、ほぼ行ってないし一応ってつけとこう。
💚「…飛び降りるのやめたの?」
🖤「あ…うん。」
人が目の前で飛び降りるなんてたまったもんじゃない。
💚「…君も入院してるの?」
🖤「うん、ちょっと怪我で1ヶ月くらい…。」
💚「じゃあ、僕の方が先輩だ。笑」
🖤「え、いつから…?」
💚「もう、10年くらい…?入退院繰り返してるかな?」
🖤「あ…ごめっこんな質問、無神経だったね…。」
💚「いやいや、事実だし…。」
同じタイミング、同じとこで飛び降りようとしてたなんてもう、運命でしょ。
どうせ暇だし仲良くしても良いかもしれない。