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~翌日~
俺は起きてすぐに支度をしていた。
ショッピ「ん~…おはようございます」
ショッピは寝ぼけながら準備を始める。
ショッピ「どこ見に行くんすか?」
ポヤポヤした声で聞いてくる。
ゾム「今日は訓練場や」
俺はそう伝えて先に部屋を出る。
慌ててショッピくんも出てくると俺達は食堂へ向かった。
ー食堂ー
ゾム「明日から訓練戻るしショッピくん
今日は訓練場行こうや」
ショッピ「はい」
「誰の所から行くんすか?」
俺は訪問する訓練場を順に話していく。
その場で担当幹部からも許可をもらえた。
「ごちそうさまでした!」
ゾム「よしっ、行くか!」
訓練は30分後に始まる。
俺らは始まる15分前に訓練場へ足を運ぶことにした。
まずはコネシマ達の接近戦の訓練場だ。
今日はシャオロンとコネシマ2人で見るらしい。
ー 第1陣営訓練場 ー
俺らは訓練場の端にあるベンチに座った。
コネシマ「今日はゾムとショッピも見学に来とるけど気にせず訓練に励めよ!」
コネシマは大声で叫ぶ。
一般兵達はザワザワとしたが、訓練が始まると空気が変わった。
こちらを気に止めず訓練に集中している。というより、気に止める余裕もないようだ
ショッピ「今日はストーカー居ないっぽいっすね」
ショッピくんは訓練を見ながら話す。
ゾム「そうやな朝に宣言しとって良かったわ」
俺は訓練場の周囲を警戒する。
(うん、おらんな)
ショッピ「そろそろ次の訓練場行きます?」
ショッピくんは俺の顔を見て言う。
ゾム「いや、もう訓練場は行かへん」
「今日はちゃんと訓練場におるみたいやからな」
ショッピくんは納得した顔を見せ、
次はどこへ行くのかと尋ねてくる。
俺はニコッと笑いかけ、一般兵の寮へ行くとベンチから立って伝えた。
ーD搭ー
D搭は昨日も訪れた場所だ。
しかし、昨日までと変わって一般兵士は慌てて訓練へ向かう兵だけで、数えられる程しか居なかった。
昨日は昼過ぎに来た。
今日はきっとまだ訓練が始まったばかりだからだろう。
そう思いながら部屋を探索する。
勝手にそれぞれの室内へは入れないので
部屋番号を見ていく。
俺は事前に調べた部屋番号を探した。
ショッピ「ここっすかね」
その部屋は一番角の部屋で、近くに大きな窓があった。
トントンから借りたスペアキーを使う。
ショッピは以外そうに鍵を見ていた。
トントンは滅多な事でも中々貸してくれないからな。
これを手に入れるのに朝は苦労した。
ゾム「開けるで」
俺はショッピくんを後ろにノブを回す。
中には誰も居なかった。
俺らは中へ入る。
バタン…
中は綺麗に整頓され、ピカピカしていた。
ゾム「綺麗好きなんやな…」
内装をじっくりと見回す。
ショッピ「特に目立つ物もないですね」
「本も綺麗に並べられてるし…」
ゾム「ほとんど小説やな…植物の本もあるけど」
本を手にとって見る。
ゾム「この本なんかめっちゃ付箋貼られとるで」
植物の本だった。
ページをめくる。
ショッピくんも本を覗いてくる。
ショッピ「あの植物とか載ってないんすか?」
ショッピくんは部屋の小窓に置かれた鉢花を指差す。
ショッピ「あの2種類、載ってませんか?」
俺はパラパラとページをめくる。
ゾム「あった!」
そこには置かれた植物と同じ植物がイラストで描かれていた。
窓を見て右のが「シクラメン」で、左が「クリスマスローズ」らしい。
とショッピに伝える。
~シクラメン~
シクラミンという毒が全草に含まれており、特に球根部分に多いといわれている。 毒性はかなり強く、摂取すると嘔吐や下痢、胃腸炎などを引き起こし、大量に摂取すると不整脈、けいれんを起こし亡くなることもある。
~クリスマスローズ~
ギリシャ語の「ヘレン(殺す)」「ボア(食べ物)」という意味から「ヘレボルス」とも呼ばれる、毒あり植物。 全体に毒があり、とくに根、茎は強毒。 体内に毒が入ると心臓がバクバク、吐気、腹痛などが起こる。 草の汁がつくだけでも、皮ふがヒリヒリしたり赤くただれたりすることも…
次のページにはそれぞれの育て方が載っている。
ショッピ「どっちも危ない花じゃないっすか!」
ゾム「やけど、どっちも鑑賞する為の花らしいで…?」
(なんでこんな毒のことを重点においた本使って育てるんやろ…?)
本の表紙を見る。
「身近な毒あり植物!!~育て方編~」
ゾム(わざと毒のある植物を栽培しとるんか)
ショッピは植物に近づき、上に羽織っていた服を脱ぎだした。
ショッピがその服越しにシクラメンを抜く。
ショッピ「ゾムさん!球根がありません!」
ゾム「なに!?」
「やはりこの植物が使われたんか」
ショッピは植物を元に戻す。
ゾム「とりあえず今はここを出て違うところ行こう!」
ショッピ「そうっすね」
俺達は全て元の場所に戻し、鍵をかけて足早に出ていった。