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#学園
大正
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こちらの切り札「仮称:聖なる鏃」で頭を吹き飛ばされ、失ったはずの首部分から新たに骨が生えてくる。
頭蓋骨だけでなく、腕や肋骨、大腿骨のような色々な骨が増殖し、新たな骨格を形成していく。
だが、それは今までのような人間をベースとした形ではない、明らかな異形。
何本もの肋骨が複雑に絡み合って出来た上半身からは、新たに何本もの手が生えている。
足は複数の骨が集まり、その巨大な上半身を支えている。
首が至る所から生え、そこにぶら下がったいくつもの頭がこちらを見下ろしている。
何人もの人骨を使って無理やり作られた巨人。見上げるような大きさの、いびつな怪物が出来上がった。
何本もの手には、それぞれ剣・槍・魔法の杖が握られている。
なるほどね...嵌めたクレストの意味はこういうことか。
・・・ボス戦のお決まり、第二形態だ。
************
身に着けていた防具はボスの魔法で焼け焦げた。
インベントリから予備の防具を取り出し、手早く身に着ける。
【重量軽減のネックレスLv2】を【痛み耐性のペンダントLv1】に付け替えたので、その分装備は軽めに。
膨大なアイテムと【研究者の手帳】に記された記録がここにきて役に立つ。
この空間に飛ばされた当初、高いと思っていた天井もボスの第二形態を目にすると、ちょうどいいどころか少し手狭にさえ感じる。
いびつな骨でできた怪物は、アンバランスにも思える体で、こちらに向けて剣を振るってくる。
何本もの骨が連なった多関節の腕による攻撃は緩慢に見えたが、その長さのため先端のスピードは見た目以上だ。
範囲も広く、よけきれないと判断して盾を取り出す。
その見た目通りのパワーを備えているようで、容易に盾が弾き飛ばされる。
まあいい、在庫はたっぷりある。
全体的に、いびつで巨大な体に比べて武器は小さい。
剣はあらかじめそのスピードさえ気を付ければ、食らうことはなさそうだ。
問題は、文字通りの手数の多さ。
剣を持った腕だけで二本以上あるが、それに加えて槍を持った腕、魔法の杖を持った腕が複数ある。
槍を持った腕は振り下ろすようにして、こちらを突き刺そうとしてくる。
魔法の杖を持った腕は、先端をこちらに向け様々な種類の魔法を飛ばしてくる。
普通に考えて、こんなにたくさんの攻撃を避けられるはずがない。視界に収まりきらない腕もある。
後ろにも目を付けなければ無理だ。攻撃の予知などできない凡人にはいささか厳しい。
だが、なぜだろう...
間違いなく強いはず、そして手強いはずなのに、最初の人型の時に比べて脅威に感じない。
戦いに慣れたからか、アドレナリンのせいか、それとも俗にいう「巨大化は負けフラグ」だからかもしれない。
冷静になって観察してみれば、第一形態に比べて隙が多い。
短剣を投擲、骨が寄り集まって的の大きくなった足に突き刺さる。
ブレスレットの効果によって雷が付与され、動きを阻害する。
先ほどまでの、剣戟に乗った魔法に比べて着弾まで猶予がある、それに杖の方向で射線がわかる。
落ち着いて観察すると、複数の頭蓋骨によって詠唱しているようだが、生えた腕ごとに硬直もある。
剣を持った腕も槍を持った腕も、魔法の射線をふさがないようにしなければならない。
必然、動きが単調になる。
剣は横なぎ。
槍は上からの突き刺し。
よけながら、攻略法を探る。
・・・
まずは、巨大な上半身から果実のようにぶら下がった頭蓋骨。見上げるような位置にあるこれを弓で射貫く。
そのたびに、突き刺さった所から炎が上がる。
ざまあみろ、私の右半身のお返しだ。
何個かの頭を黙らせれば、余裕ができる。
とはいえ、最初に潰したはずの頭が新しく生えてきたので、もっと根元から絶たなければいけなさそうだ。
インベントリを開き、アイテムを探す。
【器物の指輪】と違って、取り出すのに操作がいるのがインベントリの欠点だが、その分膨大ともいえる量のアイテムをしまっておける。
こんな状況にならなければ使わなかったような道具も、奥で眠らせて置ける。
5秒にセットしたキッチンタイマーをボスの足元に放り投げる。
第一形態の魔法剣士スケルトンであれば、容易に切り飛ばしたであろうそれも、長すぎる腕ではかなわない。
ピピピピッ ピピピピッ ピピピピッ
上に待機していた、槍を持った腕が一斉に足元を突き刺した。
引っかかった!
そうだよな、近接職だ。振動を感知したらつい手が出る。
魔法も剣も相変わらずこちらを狙ってくるが、一時的に三分の一を引きはがせた。
この機は逃せない。
剣の横なぎの範囲だけ気を付けながら、頭蓋骨を射貫いていく。
ついに、魔法が止まった。
槍を持った腕は、すでにタイマーを破壊し復帰しているが、魔法が使えなければそれでいい。
インベントリから【魔石の粉末】入り瓶を取り出す。
前回はあえなく失敗に終わった自作アイテム。
ボスに向かって投擲。今度はガラス瓶ごと。今まで砕いた粉末、全部だ。
足元で割れた瓶、舞い上がる【魔石の粉末】。
当然のように、剣を持った腕、槍を持った腕がそこめがけて攻撃を始める。
砂埃とともに、より魔石の粉が舞い上がる。
弓を構える。
【魔石の粉末】の引火条件はなにか。
答えは「魔力を含んだ火」だ。
放たれた矢がボスに突き刺さった瞬間、耳をつんざく様な大きな爆発が起こった。
コメント
1件
「ボスの第二形態、めちゃくちゃかっこよかったです…! 無骨な骨の巨人が多腕で武器を振るうビジュアル、想像するだけでゾクゾクしました。でも主人公は冷静に観察して隙を見抜くんですね。キッチンタイマーで撹乱するアイデア、地味だけど効いて笑いました。あと『魔石の粉末』の爆発シーンで「ざまあみろ」の一言が決まって、思わず拍手です。この戦い、どう決着がつくのかすごく気になります!」