ー陸翔視点ー
「はぁはぁ、春菜は?!」
「あ、陸翔くん…まだ、春菜は手術中…」
「…っ!」
「俺が、俺が、別れよなんて言わなければ…まだ、春菜の笑顔たくさん見れてたかもしれないのに…ほんとに馬鹿だな…」
「…」
「なんで陸翔は別れるって言ったの?」
「…少し理由があって…」
「そっか…」
「無事だといいね。春菜」
「あぁ、」
神様一度で良いので、春菜と話させてください。そして傍に居させてください。こんな俺と一緒にいたくないって言うかな…ほんとに何やってんだろ…
一時間後…
「香子さん…」
「先生!春菜は、春菜は無事なんですか?!」
っ…?!香子が、珍しく泣いてる…まぁ、いつも一緒に居た二人だからそりゃそうだよな…俺も泣いちゃってるんかな…
「春菜さんは無事です」
「良かったぁ」
肩の荷が降りた気がした。春菜はまだ生きてる、また話せる、そう思うと嬉しいような気がしてきた。でも、もう俺は元彼。嫌がられても仕方ないよな…
「でも、もう先は長くないと思われます。」
「…!」
「なので一日一日を大切にしてあげてくださいね」
「はい…」
「…」
とりあえず春菜…無事で良かった、本当によかったよ…
「ん、」
「春菜!」
「り、くと?」
「そうだよ!陸翔だよ!」
「なんで、泣いてるの…?」
「え、」
自分では気づかなかった。自分でもこれ程、春菜が好きなんて思っても無かった。でも一度失って思い知ることもあるって母さんが言ってたっけ?まさしく今、この現状だな…
「春菜ごめん。」
「なんで?」
「その別れた理由…」
「言わなくていいよ」
「え、」
「だって私が悪いからさ笑」
「春菜…」
違うって言わないと、言わないといけないのに…言葉にならない。また失いたくない。
だ から、だから、
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りくとー