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n217(エヌ・ニイナ)
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#鬱展開
Mist-404
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第1章 第二話 時の使者
数日が経ち、病院を退院したウカビルは
やっと学校へ行くことができるようになるまで回復した。
青龍の力を使った反動で体はバキバキだったが
今は問題ない。
「さぁ!久々の学校楽しみだ!みんなに早く会いてぇ!」
辺りを見渡すと街はいつも通りの世界に戻っていた。
ドロップによって盗まれていた行方不明者は無事にみんな帰ってきたが誰も何が起こったのか記憶にないそうだ。
テレビでも原因不明のままだとニュースで流れていた。
でも僕だけは覚えている。
そして僕がこの事件を解決したことを。
だがあのドロップとかいうやつが、なんの目的でこんなことをしたのか詳しいことはわからない。
謎が多すぎる。
「青龍…」と小さく呟いた。
右手を握りしめ、あの時放った一撃の感じがまだ残っている。
青龍の力、ドロップの存在、絶対的な謎の声…
学校へ到着するとクラスメイト達や学校の先生が挨拶を交わしている。
「おはようございます!」
ウカビルは先生へ挨拶を交わし教室へと向かう。
教室にはクラスメイト達が集まっていた。
そして教室の一番端っこには【時の使者】であり、
ウカビルが片思いしているショートヘアの女の子がいた。
時の使者は産まれた時から超人的な力を持ち、強制的にエリートである警察的役割の部隊に配属される。
そして彼女の名前は【ノヴァ】
ノヴァはこちらに気づき太陽みたいな笑顔を浮かべた。
「あれ?おはようウカビル!退院したんだ心配したんだからね?」
ノヴァは少し頬を膨らませながら言った。
「ご、ごめんって!」
ウカビルが慌てて笑う。
「何かあったの??」
とノヴァがウカビルに質問した瞬間、
ガラッ!!
教室の扉が勢いよく開いた。
「……おはよう」
教室へ入ってきたのは、腰まで伸びた黒髪を揺らし、鋭い赤い瞳をした少女はこのクラスでもう1人の【時の使者】であり、ウカビルにとって最強のライバル【ルシフェル】だ。
ルシフェルは誰にも視線を合わせず一番前の席に座ろうとした瞬間、ウカビルが来てることに気づき目が合ったが、そのまま着席した。
相変わらず何考えてるかわからないやつだなとウカビルは思いつつ、今なら戦えば、彼女と張り合えるのではないかと無意識に拳に力が入っていた。
「別になんでもないよ!」っとウカビルはノヴァの問いにそう答えた。
ノヴァはウカビルの目を見て、一瞬言葉を飲んだ。
前までのどこか自信なさげだった瞳が、今は静かに燃えるような力強さを宿している気がしたからだ。
授業のチャイムが鳴り先生が教室へ入ってきた。
「みんなおはよう!ウカビルも戻ってきたことだし今日は久々に模擬戦闘訓練を行う!」
クラスがざわつく
ウカビルは待ってましたと言わんばかりに席から立ち上がる
「よっしゃぁぁ!….あ….すみません…」
注目を浴び恥ずかしがるウカビルを見てノヴァや他のクラスメイトは笑った。
「じゃーみんな!運動服に着替えたら訓練所へ向かうように!」
とクラスメイト全員に言い残し先生は教室から去っていった。
教室を出て、みんなで訓練所へと続く渡り廊下を歩く。
「おっしゃー!やるぞー!」
「ウカビル、あんまり張り切りすぎないでよ?」
ノヴァに苦笑いされながら、みんなでゾロゾロ
と訓練所へ向かう。
訓練所へ着くとクラスメイト達はそれぞれ準備運動を始めた。
広い訓練所の中央には、先生が立っていた。
「よし、それじゃあ今日の模擬戦闘の組み合わせを発表する。第一試合は、ウカビル対ルシフェルだ!」
その瞬間、訓練所がシーンと静まり返った。
クラスメイト達の視線が、かわいそうに、という感じでウカビルに集まる。
「げっ、ウカビル、いきなりルシフェルかよ……!」
ノヴァも心配そうにウカビルの顔を見てきた。
「ウカビル、無理はしないでね、病み上がりなんだから。」
「大丈夫だよ、ノヴァ」
ウカビルは笑って見せた。
前までの自分なら怖がっていたかもしれない。
でも今の自分には、あの青龍の力がある。
自分がどこまでできるのか、試したくてワクワクしている。
対戦エリアの中央へ進むと、そこにはすでにルシフェルが待っていた。
腰まで伸びた黒髪を揺らし、鋭い赤い瞳がじっとウカビルを見つめる。
「すぐに終わらせてあげる。」
ルシフェルは冷たい声でそう言った。
「望むところだ……!」
ウカビルが構えると同時に、先生の合図が響いた。
「模擬戦、始め!」
「……いくよ」
ルシフェルが小さく呟いた瞬間、彼女の姿が目の前から完全に消えた。
「くっ!?」
速すぎる。目で追うことすらできない。
次の瞬間には、ウカビルの後ろにルシフェルがいた。
容赦のないキックが、ウカビルの横腹へ飛んでくる。
「がはっ……!」
ウカビルは腕でガードしたものの、すごい力で弾き飛ばされ、地面を何度も転がった。
「もう終わり?」
ルシフェルは追いかけて攻撃してこない。
ただ冷たい目で、倒れたウカビルを見下ろしている。
近くで見ていたノヴァが「ウカビル!」と心配そうな声を上げた。
強い。
やはり圧倒的な差だ。
日々の特訓なんて関係ないくらい。
これが時の使者の中でも更に上位の実力を持ったエリートだ。
ウカビルは口から血を吐き出しながら、ゆっくりと立ち上がる。
でも、不思議と怖くはない。
青龍の力を早く試したくて体が疼いてしょうがない。
(今の僕には……みんなを守るための力があるんだ!)
ウカビルは目を閉じ、心の奥にある青龍の力を引き出す。
「……うぉぉぉおおお!!」
ウカビルが叫ぶと同時に、彼の体からバチバチと音を立てる青いオーラが激しく溢れ出た。
周りの空気が急に重くなる。
「な、何あのオーラ……!?」
ノヴァが驚き、先生も目を見張った。
ルシフェルの赤い瞳が、初めて大きく見開かれる。
「っ!?」
ウカビルの姿がブレた。
青龍の力によって、ものすごいスピードが出た。
ウカビルは一瞬でルシフェルの目の前まで移動し、青いオーラを纏った拳を突き出した。
ルシフェルはヤバいと思い、とっさに両腕をクロスしてガードする。
ドゴォォォォン!!!
すごい衝撃の音が訓練所に響き渡った。
「くっ……!」
あの無敵のルシフェルが、ウカビルの一撃によって後ろへ何メートルも押し込まれた。ルシフェルの足が地面を削っている。
ガードしたルシフェルの腕は、衝撃でプルプルと震えていた。
「な…なにいまの….」
ルシフェルは驚きを隠せない顔で、信じられないという風にウカビルを見つめた。
しかし、ウカビルは青龍の力を甘く見ていた。
「あ、がっ……!」
全身に激しい痛みが走り、青いオーラが消えてしまう。
ウカビルはその場に膝をつき、激しく息を切らした。
ほんの一瞬、少しだけ力を使ったつもりが
上手くコントロールすることができず、反動が返ってきた。
だがしかし、あのルシフェルを確実に驚かせてみせた。これはウカビルにとってさらに自信となった。
だが青龍の力の反動は凄まじくウカビルは耐えれず気絶してしまった。
「ウカビルッ!?!」
ノヴァが対戦エリアへ飛び出し、ウカビルを抱え、授業は中断となりノヴァと先生は急いで保健室へ向かった。
コメント
1件
第2話、読み終わったよ〜🌙 ウカビルが青龍の力を使ってルシフェルを一瞬でも驚かせたシーン、すごく熱かった…!でもその反動で倒れちゃうのが、力の代償って感じでグッときた。ノヴァが心配そうに駆け寄るところも、ちゃんと優しさが滲んでてよかった。 あと、「前までのどこか自信なさげだった瞳が静かに燃えるような力強さを宿してる」っていうノヴァの気づき、すごく好き。彼の成長をちゃんと見てる人がいるんだなって。 次、どうなるんだろう…気になる!🥀