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「ただいま」
魔理沙は重い気持ちで家に帰った。
‥それもそのはず、霧雨家は差別がひどいのだ。
父親は姉、有理沙を贔屓しているのだ。
母親は数年前、事故で死んだ。
魔理沙の方が母親に似ているからという理不尽に理由で父親は魔理沙に様々な暴力をふるっているのだ。
だから、視界から消えるため、高校生からバイトをして一人暮らししたのに。
先月、魔理沙の家に『帰ってこい』と一言だけかかれた葉書が届いた。渋々帰ってきたはいいが、何をされるかわからない。
「久しぶりだな」
父親がおとす影が魔理沙の目には暗く写る。
「魔理沙、お前ここで働け。」
「ギャラとかは‥?」
魔理沙の口から出た言葉は父親の逆鱗に触れた。
「ねぇに決まってんだろ!!さっさっと働け、バカが!」
唇を噛んで静かに涙目になる魔理沙の服を掴み、父親は粗末なベットと机、椅子がある部屋になげこむ。
ベットの上にあるボロボロな服を父親は魔理沙に投げつける。
「なんだ、その格好は。はしたない。これに着替えろ。」
魔理沙は口を開いた。
「あうん?」
背後にいる博麗神社の狛犬、高麗野あうんに霊夢は冷やかな視線を送る。
「霊夢さん、かなって‥」
「黙って!それ以外思いつかなかったの。」
霊夢はふっきるように箒を手に取り、掃除をはじめる。
「霊夢さん、あの娘の、苗字霧雨でしょ?なら幻想郷、みえるに決まってんじゃん。魂魄とか博麗は見えるし入ってくれる。言ってたでしょ?」
「覚えてない」
霊夢は口調とは裏腹に切なそうに地面を見つめた。
「これは私のアイデンティティなんだ!これを着替えるのは、絶対にやらねぇ!」
「お前ッッ!親に向かって‥!」
父親はムチをどこからか出してきて、叩こうとする。
魔理沙は反射的に駆け出す。
目指すは一生くるなといわれた博麗神社だ。
後ろから父親の怒号が聞こえる。
追いかけている、とわかると足が勝手に早くなる。
長い石段を登ると綺麗な茶髪が見える。
「かなッ!助けてッ!」
「なんで、またあんt‥!」
父親の顔を見た霊夢は顔色を変えた。