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「後ろに隠れてて。」
魔理沙はあうんと一緒に博麗神社の裏に隠れる。
「ここに金髪の娘はこはかったかァ、みこさんよォ!」
「どうだと思う?」
霊夢は父親をにらみつけ、裏に歩き出す。
魔理沙と心臓の鼓動が早くなる。
コツ、コツ、コツ。霊夢の足音が徐々に近づいてくる。
息を呑むあうんに魔理沙は不安を覚える。
「ほら、ここ。」
魔理沙とあうんは同時に息を呑む。
あうんは父親を見て、恐怖に顔をゆがめる。
だが、魔理沙は違った。
彼女の瞳に写ったのは勝ち誇ったような笑みを浮かべる、そんな霊夢だった。
3秒後、悲鳴をあげたのは、魔理沙でもなく、あうんでもなく、父親だった。
「いっt!??」
「無理もないわ。『妖』結界、はってるもの。」
『妖』とは、防御系の技の事だ。
霊夢は父親に冷たい視線を送る。ただ、その眼差しには微かな怒りと悲しみがある。
「霧雨崇、あなたなら、わかるわよね?」
霊夢の言葉に父親−崇はハッと顔をあげる。
魔理沙の“霧雨家”はやはり、霧雨の魔女に適している“霧雨”だった。
代々受け継がれていた“霧雨の魔女”。
霊夢の知っている限りの霧雨の魔女は異変で死んでいる。
その異変を解決したのは当時の“博麗の巫女”。
霧雨の魔女の夫は霧雨崇。主
死んだのは11年前。
魔理沙の年齢はおそらく13〜4歳だろう。
まだ娘が幼い時に死んだら、崇も自然と八つ当たりするだろう。
それに、魔理沙と霧雨の魔女は似ている。
八つ当たりの動機は、たくさんある。
霊夢の頭に様々な情報が駆け巡る。
「お前がッ‥今の博麗の巫女なんだな?アイツは‥魔理香を見捨てた野郎はどこにッ‥」
「やっぱりあなたに霧雨魔理香は力を継承してたのね。」
先代霧雨の魔女、霧雨魔理香。
彼女は夫である霧雨崇に力を継承したのだ。
霊夢の義理の母、博麗霊香は霧雨魔理香に裏切られている。
霊香は魔理香と協力して解決する異変により、裏切られたのだ。
霊香は死に、魔理香は人里を含む幻想郷から追放された。
幼い霊夢はまた“何か”を失うのではないかと神社から出なくなった。