都合のいい関係
次の日、らんはいるまに誘われなかった。
それでも、らんは連絡を待っていた。
着信音ひとつに、心が跳ねる自分が、嫌いだった。
「また、”セフレ”として呼ばれるの、待ってるのかよ……俺」
ひとりごとが、虚しく部屋に響いた。
どれだけ好きでも、いるまは”「好き」って言ってくれない”。
触れてくれるのは身体だけ。
キスもするし、抱きしめもする。でも、それ以上にはならない。
らんは、知っていた。
自分が“都合のいい存在”でしかないこと。
それでも――ここに居たかった。